「風の谷のナウシカ (映画)」の版間の差分

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=== 音楽 ===
映画公開前に「ナウシカガール・コンテスト」と銘打ちイメージガールを募集し、7600人あまりの応募者から後に女優となる[[安田成美]]がグランプリを獲得<!--安田成美はこのコンテスト以前にデビューしている-->。当初、安田が歌う『[[風の谷のナウシカ (曲)|風の谷のナウシカ]]』を主題歌にする旨が発表されたが、宮崎と高畑が本作の内容と楽曲の乖離等を理由に反対し、劇中本編で使用されることはなかった。しかし、予告編やテレビCMなどの映画プロモーション用のシンボルテーマソングとして使用され、エンディングタイトドロールにもクレジットが刻まれている<ref>叶(2006)、p.61およびp.63。</ref>。
 
音楽は、後の宮崎作品にも関わっていく[[久石譲]]が初めて参加担当している。当初、久石は公開前年の[[1983年]]に映画に先行して発売された漫画版を元にしたイメージアルバムのみの担当で、映画の劇伴音楽は安田成美の歌うシンボルテーマソングを作曲した[[細野晴臣]]が担当する予定であった。細野以外には[[坂本龍一]]、[[高橋悠治]]、[[林光]]が候補だったという<ref name="aera">岩切徹「現代の肖像 久石譲 作曲家」『AERA』2010年11月1日号、朝日新聞出版、p.72</ref><ref name="suzuki">{{Cite web |url=http://www.7netshopping.jp/esb/docs/sp/ghibli/spcomment.html |title=宮崎・久石コンビはこうして生まれた |publisher=[[セブンネットショッピング]] |date= |accessdate=2012-05-12 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20140222151319/http://www.7netshopping.jp/esb/docs/sp/ghibli/spcomment.html |archivedate=2014-02-22}}</ref>。しかし、宮崎と高畑がイメージアルバムを気に入ったため、久石が本編の音楽にも起用され、テーマソングのみが存在することになった<ref>高畑勲「しあわせな出会い ―― 久石譲と宮崎駿」『映画を作りながら考えたこと』徳間書店、1991年、pp.320-322</ref>。久石のイメージアルバムへの起用は徳間グループ系列のレコード会社である[[ジャパンレコード]]から過去にアルバムを出していたことから関係者の推薦で<ref name="aera" /><ref name="suzuki" />、それまで宮崎も高畑も久石の予備知識は何もなかったという。最終的に映画の作曲者を決定した高畑は起用の理由について、イメージアルバムの内容に加えて、久石に音楽的素地に加え教養があること、色々な曲を知っており[[映画音楽]]として助かることを挙げていたという<ref>角田陽一郎・編「天才たちと仕事をする 鈴木敏夫×久石譲×藤巻直哉」『オトナの!格言』河出書房新社、2014年、p.28</ref>。
 
本編のサウンドトラックは50名編成の[[オーケストラ]]と<ref>叶(2006)、p.61。</ref>、[[プロフェット5]]、[[:en:LinnDrum|リン・ドラム]]、[[:en:Roland MC-4 Microcomposer|MC-4]]、[[DX7]]などの機材を中心に、[[ケーナ]]、[[タブラ]]、[[ダルシマー]]などの[[民族楽器]]を使用し制作された<ref>『風の谷のナウシカ サウンドトラック はるかな地へ』ライナーノーツ</ref><ref>『久石譲in武道館 パンフレット』p15</ref><ref>『ロマンアルバム・エクストラ61 風の谷のナウシカ』徳間書店、1984年</ref><ref>[https://www.studionoah.jp/book/2011//10/noah_book13_14/ 【インタビュー】巨匠が斬る! 日本の音楽事情] NOAH BOOK(2011年)</ref>。「ナウシカ・レクイエム」などに使用された[[フェアライトCMI]]は[[矢島賢]]、矢島マキ夫妻がスタジオで所有していた物を借りて作られた。久石はナウシカの仕事が終わるとすぐにフェアライトを注文した<ref>久石譲『I am 遥かなる音楽への道』メディアファクトリー、1992年、p52-53</ref>。当初、宮崎は[[ヴラジーミル・ヴィソツキー]]の「大地の歌」を主題歌に使用したいと考えていた<ref>『風の谷のナウシカ イメージアルバム』ライナーノーツ</ref>。しかし版権の問題で使用することが出来なかったため、それなら自分たちで曲を作ろうと高畑・久石と3人で話し合い、歌手を呼びレコーディングを行ったがその楽曲はお蔵入りとなり、エンドロールにはメインテーマ「風の伝説」が使用された<ref>久石譲『I am 遥かなる音楽への道』メディアファクトリー、1992年、p48-49</ref>。映画で使われている「遠い日々」は、当時4歳だった久石の娘、[[麻衣 (歌手)|麻衣]]が歌っている<ref>久石譲『I am 遥かなる音楽への道』メディアファクトリー、1992年、p52-53</ref>。
 
== 反響 ==