「利用者:Eugene Ormandy/sandbox90 国際標準書誌記述」の版間の差分

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'''国際標準書誌記述''' (こくさいひょうじゅんしょしきじゅつ、英: international Standard Bibliographic Description, ISBD) とは、[[国際図書館連盟]]の目録分科会が策定し、維持・管理する'''書誌記述の'''国際的な作成基準である{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|渡邊|2013|p=102}}{{Sfn|田窪|2011|p=30}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|上田|2017|p=144}}{{Sfn|根本、古賀、研谷|2014|p=157}}{{Sfn|根本、古賀、研谷|2014|p=158}}{{Sfn|根本、古賀、研谷|2014|p=161}}{{Sfn|松井|2013|p=162}}。書誌情報の国際的な標準化と互換性の確保を目標としており、複数の国の'''目録'''規則がこのISBDに準拠して作成されている{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|上田|2017a|p=147}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。ISBDは資料別に作成されてきたが、2011年には[[FRBR]]に準拠した統合版が発表された{{Sfn|上田|2017a|p=145}}{{Sfn|上田|2017a|p=147}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=18}}。
 
== 沿革 ==
 
=== ISBDの誕生 ===
1961年のパリ会議にて、'''標目'''に関する国際原則であるパリ原則が合意されたことを受けて、1969年にコペンハーゲンで国際目録専門家会議が開催された{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=202}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。これによりISBD作成ワーキンググループが組織され、1971年に単行書用のISBD (M: Monographic Publications)勧告案を発表したのち、翌年の予備版を経て、1974年にISBD (M) の標準第1版を発表した{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}{{Sfn|松井|2013|p=163}}。
 
その後、逐次刊行物用のISBD (S)が検討される中で、資料種別のISBD間の不統一の恐れが指摘され、その結果1977年に、資料の種別によらず全体の枠組みを示したISBD (G: General)が公表された{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|田窪|2011|p=41}}。一方で資料種別の規定を行うISBDの作成も進み、楽譜用のISBD (PM: Printed Music)、古書用のISBD (A: Antiquarian)、地図資料用のISBD (CM: Cartographic Materials)、継続資料用のISBD (CR: Continuing Resources)、電子資料用のISBD (ER: Electronic Resources)、非図書資料用のISBD (NBM:Non-book Materials) などが作成された{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。
 
=== 1度目の全体改訂 (1977年〜1992年) ===
1977年には、国際図書館連盟の目録分科会常任委員会が、すべてのISBDを5年間固定しその後改訂すると決定し、ISBD検討委員会を設置した{{Sfn|松井|2013|p=163}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。1981年には「ISBDsの一貫性の向上と諸条項の調和」「実例の改善」「非ローマ字資料の目録担当者が適用しやすい規則の策定」を目的として改訂計画が発表され、その結果1987年にISBD (M),(CM),(NBM) の改訂版が、1988年にISBD (S) の改訂版が、1991年にはISBD (A) と (PM) それぞれの改訂第2版が、そして1992年には ISBD (G) 改訂版が刊行された{{Sfn|松井|2013|p=163}}。
 
また、1988年には構成部分の記述にISBDを適用するためのガイドラインが出され、1990年には ISBD (CF: Computer Files) 勧告案が策定された{{Sfn|松井|2013|p=163}}。
 
=== FRBRの誕生と2度目の全体改訂 (1992年〜2004年) ===
20世紀末には、利用環境の変化に合わせて目録規則を変更する動きが生じた{{Sfn|上田|2017a|p=142}}。1990年に開催された国際図書館連盟 (IFLA) のストックホルム・セミナーでは
 
# 図書館が直面している経済状況
# 目録作成経費削減の必要性の認識
# 利用者ニーズを満たす必要
# 多様性や、書誌レコードが使われるさまざまな状況がもたらす広範なニーズにもっと効果的に取り組む必要
 
が認識された{{Sfn|上田|2017a|p=142}}。
 
 
=== 統合版へ向けて (2002年〜) ===
さらに1992年には新たにISBD (G)が、2007年には予備統合版 (reliminary Consolidated Edition) が発表され、2011年には[[FRBR]]に準拠した統合版 (consolidated edition) が登場した{{Sfn|上田|2017a|p=147}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=16}}{{Sfn|田窪|2011|p=59}}{{Sfn|松井|2013|p=162}}。
 
== 内容 ==
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なお、ISBDは[[RDA]]と互換性がある{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=72}}。
 
== 沿革 ==
 
=== ISBDの誕生 ===
1961年のパリ会議にて、'''標目'''に関する国際原則であるパリ原則が合意されたことを受けて、1969年にコペンハーゲンで国際目録専門家会議が開催された{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=202}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。これによりISBD作成ワーキンググループが組織され、1971年に単行書用のISBD (M: Monographic Publications)勧告案を発表したのち、翌年の予備版を経て、1974年にISBD (M) の標準第1版を発表した{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}{{Sfn|松井|2013|p=163}}。
 
その後、逐次刊行物用のISBD (S)が検討される中で、資料種別のISBD間の不統一の恐れが指摘され、その結果1977年に、資料の種別によらず全体の枠組みを示したISBD (G: General)が公表された{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|田窪|2011|p=41}}。一方で資料種別の規定を行うISBDの作成も進み、楽譜用のISBD (PM: Printed Music)、古書用のISBD (A: Antiquarian)、地図資料用のISBD (CM: Cartographic Materials)、継続資料用のISBD (CR: Continuing Resources)、電子資料用のISBD (ER: Electronic Resources)、非図書資料用のISBD (NBM:Non-book Materials) などが作成された{{Sfn|日本図書館情報学会用語辞典編集委員会|2020|p=72}}{{Sfn|田窪|2011|p=31}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。
 
=== 1度目の全体改訂 (1977年〜1992年) ===
1977年には、国際図書館連盟の目録分科会常任委員会が、すべてのISBDを5年間固定しその後改訂すると決定し、ISBD検討委員会を設置した{{Sfn|松井|2013|p=163}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=13}}。1981年には「ISBDsの一貫性の向上と諸条項の調和」「実例の改善」「非ローマ字資料の目録担当者が適用しやすい規則の策定」を目的として改訂計画が発表され、その結果1987年にISBD (M),(CM),(NBM) の改訂版が、1988年にISBD (S) の改訂版が、1991年にはISBD (A) と (PM) それぞれの改訂第2版が、そして1992年には ISBD (G) 改訂版が刊行された{{Sfn|松井|2013|p=163}}。
 
また、1988年には構成部分の記述にISBDを適用するためのガイドラインが出され、1990年には ISBD (CF: Computer Files) 勧告案が策定された{{Sfn|松井|2013|p=163}}。
 
=== FRBRの誕生と2度目の全体改訂 (1992年〜2004年) ===
20世紀末には、利用環境の変化に合わせて目録規則を変更する動きが生じた{{Sfn|上田|2017a|p=142}}。1990年に開催された国際図書館連盟 (IFLA) のストックホルム・セミナーでは
 
# 図書館が直面している経済状況
# 目録作成経費削減の必要性の認識
# 利用者ニーズを満たす必要
# 多様性や、書誌レコードが使われるさまざまな状況がもたらす広範なニーズにもっと効果的に取り組む必要
 
が認識された{{Sfn|上田|2017a|p=142}}。
 
 
=== 統合版へ向けて (2002年〜) ===
さらに1992年には新たにISBD (G)が、2007年には予備統合版 (reliminary Consolidated Edition) が発表され、2011年には[[FRBR]]に準拠した統合版 (consolidated edition) が登場した{{Sfn|上田|2017a|p=147}}{{Sfn|上田、蟹瀬|2014|p=16}}{{Sfn|田窪|2011|p=59}}{{Sfn|松井|2013|p=162}}。
 
== ISBDの活用 ==