「An-225 (航空機)」の版間の差分

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== 運用 ==
[[ファイル:Antonov 225 (2010).jpg|thumb|580px580 px|正面全景・パノラマ画像 / 2010年撮影。|alt=離陸チュウなのか着陸チュウなのか分かりませんが、巨体をおおよそ正面から捉えた写真です。これほどおもそうな物が空を飛ぶのかと誰もが感じてしまう、そのような圧倒的存在感が伝わってくる1枚です。胴体は下へ行くほどに太くなっており、全体にデップリとしています。正面から見れば三角オニギリの形に似ています。オニギリの三角の頂点あたりに操縦席の窓が小さく開いています。機体の下にはこの巨体を支える7ツイの着陸キャク(タイヤ32本)が集中的に並んでいます。主翼は、とにかく大きくて長い。その付け根は、当然ながら分厚い構造になっています。主翼には3ツイ6発の巨大なエンジンが間隔をあけて並んでいます。ビヨクも大きく、特にイッツイの垂直ビヨクが間隔をあけて高く伸びているのが印象的です。]]
[[ファイル:Antonov An-225 left view.jpg|thumb|350px350 px|側面全景 / 2012年撮影。]]
 
再使用型宇宙往還機[[ブラン (オービタ)|ブラン]]をAn-225が実際に搭載して本来の任務を果たしたのは一回限りで、ブランが[[宇宙]]に行ったのも一度限りであった。その後は[[ソビエト連邦の崩壊]]に伴う混乱のために運用予算が打ち切られた。
 
存在意義を失ったAn-225は、長い間[[ウクライナ]]の工場の一角に放置され、[[An-124 (航空機)|An-124]]と[[An-70 (航空機)|An-70]]の補修用[[部品取り]]として次々と主要なパーツを失うなど、事実上の[[スクラップ]]扱いとなっていた。しかし、[[1999年]]になって、[[O・K・アントーノウ記念航空科学技術複合体|アントノフ航空]]などが、An-124を使用した超大型貨物の[[運輸業|運送ビジネス]]を行い、大成功を収めた実績から、An-225を商用として現役復帰させることを発表した。1年近い改修の末、デジタル[[アビオニクス]]化と機体の補修・強化を行い、An-225は再就役した。以来、大型・大重量貨物運送用として就役しており、主に[[ヨーロッパ]]を中心とした[[大西洋]]方面で運用されている。
 
2009年7月末には、3度目の塗装変更が行われ、機体は[[白]]地に[[ウクライナの国旗]]を想起させる[[黄色]]({{Color|#ffcc00|■}})と[[青|青色]]({{Color|#0066cc|■}})の緩やかなラインが入り、そのラインより下(つまり、腹の部分)を[[水色]]({{Color|lightskyblue|■}})で塗り潰したデザインになった({{small|[[#黄・青・水色塗装 pic01|■よく分かる画像]]あり}})。ただし、実際のウクライナ国旗は「青黄旗」という[[漢訳]]語でも呼ばれるもので、上が青色([[wikt:en:синій|синій]]. {{Color|#0066cc|■}})、下が黄色([[wikt:en:жовтий|жовтий]]. {{Color|#ffcc00|■}}。[[金色]]の代用色)の[[二色旗]]である。したがって、上から順に黄色・青色・水色の3色で構成されている本機のデザインは、厳密にはウクライナの[[ナショナルカラー]]を再現してはいない。
 
[[2010年]][[2月9日]]、[[ハイチ地震 (2010年)|ハイチ大地震]]復興支援で使用する重機類100[[トン]]以上を[[輸送]]する目的で[[防衛省]]が[[チャーター便|チャーター]]し、[[成田国際空港]]に初飛来した。An-225が[[日本]]に姿を見せたのはこれが初である<ref>{{Cite web|url=http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00171488.html|title=ハイチPKOの機材運搬のため防衛省がチャーターした「アントノフ225型機」が成田に|author=FNNニュース|date=2010-02-09 |accessdate=2010年2月9日 }}{{リンク切れ|date=2010年5月}}</ref>。
 
日本は、[[2010年]](平成22年)[[6月21日]]、[[テクニカルランディング]]で[[中部国際空港]]([[愛知県]][[常滑市]])に飛来した<ref name=Centrair-tweet_20200523>{{Cite tweet |author=中部国際空港セントレア |user=Centrairairport |number=1264124404478341120 |title=こんばんは、セントレアです。本日5/23、世界最大で唯一の航空機アントノフAn225ムリーヤが飛来しました。ムリーヤのセントレア飛来は2010年6月21日以来10年ぶり2度目です。中国天津から来たこの機体は給油のみ行い米国アンカレッジに向けて13時過ぎに離陸していきました。|date=2020-05-23 |accessdate=2021-01-01 }}■離陸する動画もあり。</ref><ref name=Response_20200529>{{Cite news |和書 |author=会田肇 |date=2020-05-29 |title=世界最大の貨物機「アントノフ」がセントレアに飛来! |url=https://response.jp/article/2020/05/29/335101.html |publisher=株式会社[[イード (企業)|イード]] |newspaper=[[Response.]] |accessdate=2021-01-01 }}</ref>。また、[[2011年]](平成23年)3月中旬に日本で発生した[[東日本大震災]]の際には、[[政府 (フランス第五共和政)|フランス政府]]が150トンの救援物資を日本へ輸送するべく、本機を[[チャーター便|チャーター]]し、[[成田国際空港]]{{r|Response_20200529}}と[[仙台空港]]{{r|Centrair-tweet_20200523}}に飛来している。さらに[[2020年]](令和2年)には、[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウィルスによるパンデミック]]に関連した医療物資の輸送に伴い、[[5月23日]]{{r|Centrair-tweet_20200523|Response_20200529}}、同月[[5月29日|29日]]{{r|Response_20200529}}、および、[[6月3日]]<!--※出典なし。-->に、テクニカルランディングで中部国際空港に飛来している{{r|Response_20200529}}。
 
=== 2号機の存在 ===
[[2006年]]9月にはアントノフ設計局で、組み立て途中のままの2号機を完成させる計画が決定された。2号機は[[2008年]]に完成される予定であった<ref name=AviationExplorer_202012view>{{Cite web |title=Antonov An-225 Mriya Aircraft History, Facts and Pictures |url=http://www.aviationexplorer.com/Antonov_AN-225.html |publisher=Aviation Explorer |work=AviationExplorer.com |language=English |accessdate=2020-12-29 }}</ref>が、遅延された。そして、[[2009年]]8月に2号機が未完成のまま計画は放棄された<ref name="An-225 emerges">[https://web.archive.org/web/20090820182256/http://www.flightglobal.com/articles/2009/08/17/331063/video-worlds-largest-aircraft-an-225-emerges-to-set-new-lift-record.html "World's largest aircraft, An-225, emerges to set new lift record"]. Flight International, 17 August 2009.</ref>。この時点でフレームの60~70%60 - 70 %が組み上げられており、完成には追加で3億ドル(約300億円)が必要とされている。計画破棄後も機体自体は[[解体]]はされておらず、そのままキエフ工場の格納庫に留め置かれていた当機は{{r|NPO-Molniya_20081222}}、その後、[[モスボール (軍事)|モスボール保存]]されることとなり、現在に到る<ref name=CNN_20190103>{{Cite news |和書 |date=2019-01-03 |title=格納庫に眠る2機目のAn225 世界最大の未完成機に迫る |url=https://www.cnn.co.jp/travel/35125851-3.html |publisher=[[CNN]]、朝日インタラクティブ |newspaper=CNN.co.jp |accessdate=2019-01-03}}</ref>({{small|※更新情報:2019年1月確認}}{{r|CNN_20190103}})。
 
== 性能 ==