「肉質鞭毛虫門」の版間の差分
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== 歴史 ==
[[オットー・ビュッチュリ|ビュッチュリ]]以来の古典的な分類体系では、鞭毛で運動する鞭毛虫と仮足で運動する肉質虫とに分類してきた。[[マスチゴアメーバ]]のように[[鞭毛]]と[[仮足]]をともに備える原生動物は19世紀から知られていたが、多くの場合、常に鞭毛を持つ場合には鞭毛虫、一過的に鞭毛が出現する場合には肉質虫としてきた<ref>{{cite book|author=Jahn & Jahn|year=1949|title=How to know the Protozoa|publisher=WM. C. Brown|page=44}}</ref>。しかし20世紀半ばまでに多くの原生動物学者がこうした区別に不満を表明するようになっていた<ref name="Corliss1959">{{cite journal|author=Corliss, J.O.|year=1959|title=Comments on the Systematics and Phylogeny of the Protozoa|journal=Syst. Zool.|volume=8|issue=4|pages=169-190|doi=10.2307/2411882}}</ref>。
藻類学者の[[アドルフ・パッシャー|パッシャー]]は1918年に様々な鞭毛虫がそれぞれ鞭毛を失って肉質虫へと進化するという仮説を提示しており<ref>{{cite journal|
このとき既に[[電子顕微鏡]]による[[微細構造]]観察が始まっており、それによって原生生物全体の類縁関係は大きく書き換えられることになる。しかしそもそも非常に多様な生物群をひとまとめにしていたため系統関係の見直しにも時間がかかり、他の部分では微細構造観察の成果を取り入れた1980年のISOP体系でも、肉質鞭毛虫門の綱以上の分類群はおおむね維持された<ref name="ISOP1980" />。1980年代以降、[[トーマス・キャバリエ=スミス|キャバリエ=スミス]]を筆頭に様々な系統仮説が提案され、そこに[[分子系統解析]]による検証が加わり、2005年のISOP体系では完全に放棄されている<ref name="ISOP2005">{{cite journal|author=Adl, ''et al''|year=2005|title=The New Higher Level Classification of Eukaryotes with Emphasis on the Taxonomy of Protists|journal=J. Eukaryot. Microbiol.|volume=52|issue=5|pages=399-451|doi=10.1111/j.1550-7408.2005.00053.x}}</ref>。
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