「オリンピック・レガシー」の版間の差分

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== 負のレガシー ==
[[File:Athens Softball Stadium Abandoned 2018.jpg|thumb|荒廃した[[エリニコ・オリンピック・コンプレックス#オリンピックソフトボール場|オリンピックソフトボール場]](ギリシャ、2018年11月)]]
レガシーには、よい影響ばかりでなく、悪い影響を与える「負のレガシー」もある。[[2004年アテネオリンピック|2004年に夏季オリンピックを開催]]した[[ギリシャ]]は、その後[[ギリシャ財政危機|財政難]]に陥り、大会で使用された競技施設のほとんどが活用されず荒廃している<ref name="baseball">{{Cite book|和書|author1=監修/稲葉茂勝|author2=文/大熊廣明|year=2015|title=時代背景から考える日本の6つのオリンピック|volume=3)2020年東京大会|pages=18-19|publisher=[[ベースボール・マガジン社]]|isbn=978-4583108902}}</ref>。
レガシーは、ポジティブなものばかりとは限らない<ref name="baseball">{{Cite book|和書|author1=監修/稲葉茂勝|author2=文/大熊廣明|year=2015|title=時代背景から考える日本の6つのオリンピック|volume=3)2020年東京大会|pages=18-19|publisher=[[ベースボール・マガジン社]]|isbn=978-4583108902}}</ref>。[[2004年アテネオリンピック|2004年に夏季オリンピックを開催]]した[[ギリシャ]]は、その後[[ギリシャ財政危機|財政難]]に陥り、大会で使用された競技施設<small>([[:en:Venues of the 2004 Summer Olympics|英語版]])</small>の多くが活用されず荒廃している<ref>{{cite news|url=https://www.theguardian.com/sport/gallery/2014/aug/13/abandoned-athens-olympic-2004-venues-10-years-on-in-pictures|first=Steven|last=Bloor|title=Abandoned Athens Olympic 2004 venues, 10 years on - in pictures|date=13 August 2014|publisher=[[The Guardian]]}}</ref>。
 
== 立案の重要性 ==
[[オリンピック]]の開催を招致する都市は、開催によるレガシー創出の具体的なプランを[[国際オリンピック委員会]](IOC)に提出する。これは2002年、IOCが[[オリンピック憲章]]に「To promote a positive <ins>legacy</ins> from the Olympic Games to the host cities and countries(オリンピックの開催都市ならびに開催国に、よい[[遺産]]を残すことを推進する)」と書き加えたことによる<ref name="baseball"/>。その意図するところは、オリンピック開催にともない整備した[[インフラストラクチャー]]を無駄にすることなく(物理的意義)、オリンピックを体感した若い世代の豊かな[[人間性]]の醸成を促す(精神的意義)ことにある。
 
[[2012年ロンドンオリンピック]]大会関係者の談として、「有形無形の社会変化(レガシー)は大会時に突然生まれるものではない。事前にどれだけ人々の関心や機運を高め、機会を最大限生かすかで、その成果は大きく変わってくる」としている<ref>[[読売新聞]] 2016年11月1日</ref>。巨額の資金を投入して大会を開催する以上、オリンピックが単なる一過性の祭りに終わったり、建設した施設が有効利用されず維持費のかかる荷物<small>([[:en:White elephant|英語版]])</small>になったりしないよう、招致活動のスタート開始時から立候補都市はレガシーのための施策が問われることになる{{Sfn|間野義之|2013|p=36}}。
 
仮に招致に失敗開催が実現なかったとしても、招致がきっかけとなって都市開発が促進されれば、立候補その都市にとって招致活動自体が意義あるものとして相応の価値を生みうる{{Sfn|間野義之|2013|pp=38-39}}。
 
=== IOCによる重視の背景 ===
「レガシー」という言葉がオリンピックに関連して初めて使われたのは[[1956年メルボルンオリンピック]]の招致時であったが、大会開催の説得材料として、レガシーという考えが必ずしも浸透していたわけではなかった{{Sfn|間野義之|2013|pp=36-37}}。2000年代以降「レガシー」が[[IOC]]にとって特に関心のあるテーマとなった理由には、3点が挙げられる{{Sfn|Gratton|Preuss|2008|p=1922}}。第一に、レガシーがポジティブなものであれば、開催地の世論によるIOCへの非難が回避でき、大会は開催地にとって好ましいのだという証となる点。第二に、大会インフラに希少な公的資源を用いる正当な理由となる点。そして第三に、他の都市や国が大会開催に立候補する動機となる点である。立候補需要の低下はIOCの力を弱め、オリンピックの存続を危ぶませる。
 
1998年にソルトレイクシティオリンピック招致の買収スキャンダル<small>([[:en:2002 Winter Olympic bid scandal|英語版]])</small>が発覚し、IOCは招致活動の透明化を図るため、招致に関するルール等を大幅に見直した<ref>{{cite web|author=小幡績|authorlink=小幡績|date=2013-09-12|url=https://toyokeizai.net/articles/-/19386?page=3|title=「五輪招致合戦」は途方もないムダである|accessdate=2021-06-13}}</ref>。オリンピック存続への強い危機感の結果、招致の段階にも考慮すべき重要なテーマとして「レガシー」のための取り組みが強化され、[[2012年夏季オリンピックの開催地選考|2012年大会の招致活動]]からはプランの提出が必須となった{{Sfn|間野義之|2013|pp=37-38}}。
 
== 分野 ==