「城 (小説)」の版間の差分

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(2日目)翌朝Kは城を目指して歩いていくが、城へ通じる道を見つけることができない。百姓家で一休みして宿屋に戻ると、もう日が暮れてしまう。宿屋の戸口には、その日道端で見かけた2人組の男が立っている。アルトゥールとイェーレミアスと名乗るその2人は、彼の助手であると言う。助手たちの話によれば、許可がないかぎり城に入れてもらうことはできないらしい。そこで、Kは、城の執事に電話をかけ、いつそちらに向かえばよいかと聞くと、永久に駄目だという返事が来る。そこに城からの使者だというバルバナスという男がやって来て、Kに手紙を渡す。その手紙は城の長官クラムからのもので、それによればKの直接の上官は村長であるという。Kは、城に連れて行ってもらえるのではないかと期待して、バルナバスと連れ立って宿を出るが、期待に反して彼がたどり着いた先はバルナバスの家であった。Kは、バルナバスの妹オルガに宿屋に連れて行ってもらうが、そこははじめにKが泊まっていた「橋屋」ではなく、城の役人が泊まる「貴紳荘」<ref>前田訳(新潮文庫)では縉紳館。</ref>であった。ちょうど城の長官クラムが滞在しているという。Kは、その酒場で給仕をしていたフリーダに一目惚れをする。彼女はもともと「橋屋」の女中であったが、その後「貴紳荘」のホステスに出世し、今はクラムの愛人でもある。Kと彼女はカウンターの下で愛し合い、一夜を共にする。
 
(3日目)目覚めるともう昼になっており、助手2人がKを迎えに来る。Kとフリーダ、助手は連れ立って「橋屋」のKの部屋に戻る。
 
ツタ
(4日目)Kは「橋屋」の女将からフリーダに対する責任について詰め寄られる。その後、Kは助手2人を連れて村長のもとを訪ねるが、村長は現在、測量師を全く必要としていないという。村長から城の行政機構の仕組みを長々と聞かされたのち、何の成果もなく宿屋に戻る。再び女将と話し込むうち昼の時間になる。Kが2階の部屋に向かうと、小学校教師(Kが到着2日目に道端で会っていた)が待っている。彼は、測量師として雇うことはできないが、学校の小使としてなら雇うことができるという村長の伝言を伝える。Kは、最拒絶するが、フリーダからの提案で小使の仕事を引き受けることになる。フリーダは先に小学校に向かい、Kは再び城を目指そうとする。「貴紳荘」の前に来たとき、フリーダの後任で酒場に勤めることになったペピーに会う。Kは「貴紳荘」にクラムがいることを知り、待伏せするがクラムはKを避けて出て行ってしまう。クラムの秘書であるモームスが尋問しようとするのを断って、Kは「貴紳荘」を出る。そこへバルナバスがクラムの2通目の手紙を持参するが、Kはその内容に失望する。暗くなって小学校に着いたKはフリーダ、助手と食事をし、眠りに就いた。
 
(5日目)目覚めると、既に子供たちが登校しており、女教師がKに苦情を言う。Kは助手2人に解雇を言い渡して追い出す。学校にフリーダを残し、Kはバルナバスの家を訪ねる。
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(6日目)ペピーはKに向かってフリーダを非難し、「貴紳荘」の女中部屋へしばらく身を隠すように勧める。 (未完)
 
(生前カフカが[[マックス・ブロート|ブロート]]に語ったところでは、以下のような結末を考えていたという<ref>ウィリー・ハース「カフカ論」『世界文学大系65 カフカ』(筑摩書房、1972年)</ref>。<br>Kは城との闘いに疲れ果て、病床に就く。そこへ使者が訪れ、Kに村に住む権利は無いが、情状を酌量してここに住んで働くことを許可するという。そこでKは死を迎える。)
 
== 成立 ==