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m ボノボのメスは群れに残る
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Chang chu chi (会話) による ID:84752543 の版を取り消しこちらを参照 Furuichi T, et al (2012), "Long-Term Studies on Wild Bonobos at Wamba, Luo Scientific Reserve, D. R. Congo: Towards the Understanding of Female Life History in a Male-Philopatric Species", Long-Term Field Studies of Primates, Berlin, Heidelberg: Springer, pp. 413–433, doi:10.1007/978-3-642-22514-7_18, ISBN 978-3-642-22514-7,
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野生のボノボの生態は、保護を目的として研究が進められた。また、[[加納隆至]]らは、コンゴの[[赤道州 (コンゴ)|赤道州]]ワンバ地区で直接観察による調査を開始した。この調査は、内戦の影響による中断を経て、現在でも[[黒田末寿]]、古市剛史、伊谷原一らによって20年以上の長期にわたり続けられている。
 
低地にある一次林や二次林・湿地林に生息する<ref name="yamagiwa" />。樹上棲だが、前肢の指関節外側を接地して地表を四足歩行(ナックルウォーク)することもある<ref name="yamagiwa" />。[[昼行性]]で、夜間になると樹上に日ごとに違う寝床を作って休むことが多い<ref name="iucn" /><ref name="yamagiwa" />。22 - 58平方キロメートルの行動圏内で生活し、1日あたり1.2 - 2.4キロメートルを移動する<ref name="yamagiwa" />。複数頭の異性が含まれる50 - 120頭の群れを形成して生活するが、複数頭の異性が含まれる6 - 15頭の群れに分散することが多い<ref name="yamagiwa" />。スは産まれた群れに留まり、スは別の群れに移動する(系社会)<ref name="furuichi" /><ref name="yamagiwa" />。具体的には生後4 - 5年で母親や他個体から離れるようになり、生後10年ほどで他の群れに合流する<ref name="furuichi" />。一方で群れの中心にいるのはメスで、採食などの際にはメスと幼獣がよりよい場所を独占してしまう<ref name="furuichi" />。
 
個体間で緊張が高まると擬似的な交尾行動(マウンティング)、オス同士で尻をつけあう(尻つけ)、メス同士で性皮をこすりつけあう(ホカホカ)などの行動により緊張をほぐす<ref name="furuichi" /><ref name="yamagiwa" />。マウンティングは霊長類広範で見られ、他の霊長類では優位なオス個体が上になるが、本種の場合は群れ内の地位と上下が一致しないことも多く互いに上下を入れ替えてマウンティングを繰り返すこともある<ref name="furuichi" />。他の群れに対しては接近すると鳴き声を上げて興奮するが、特にメス同士は一時的に接触あるいは混在し、他の群れの個体に対し上記の性的行動・覗き込み(相手の顔を覗き込み、覗きこまれた方は通常相手から目を反らす。若齢個体で顕著で、成熟に伴い頻度は下がる。)・後に毛づくろいを行うこともある<ref name="idani">伊谷原一 「ボノボの平和共存戦略」『動物たちの地球 哺乳類I 8 ゴリラ・チンパンジーほか』第8巻 44号、朝日新聞社、1992年、253頁。</ref>。一方でオス間での他の群れとの関係は激しく争うことはないものの敵対的あるいは非友好的であると考えられ、他の群れに積極的に接近せず混在することもない(少数だが他の群れのオス同士が接触し性的行動を行った例もある)<ref name="idani" />。オスは枝を引きずりながら群れの中を走り回る・他個体に対して突進するなどして、自分の存在や優位を主張する行動を行うこともある<ref name="furuichi" />。幼獣同士で互いに性器をこすりつけあう・成獣の性的行動に割り込む・成獣の性器を凝視する・交尾の真似をする・オスの幼獣がメスの成獣の性器に触れたり陰茎を挿入するなど、幼獣も遊びとしての性的行動を行う<ref name="furuichi" />。成長するとこれらの遊びとしての性的行動の頻度は下がるが、生後13 - 15年が経過して成獣と同等に振る舞えるようになると社会行動として再び性的行動を行うようになる<ref name="furuichi" />。