「偽性副甲状腺機能低下症」の版間の差分

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== 病態 ==
=== シグナル伝達 ===
偽性副甲状腺機能低下症の病態は[[PTH]]受容体とPTH受容体のシグナル伝達の研究によって明らかになった。 PTH受容体は1〜3型が同定されており、PTH1受容体が腎臓と骨に多く発現し、その機能もよく研究されている。PTHの血清Ca濃度の調節作用の大部分は腎臓のPTH1受容体を介する系で行われている。PTH1受容体は[[G蛋白]]共役型受容体である。PTH1受容体は[[アデニル酸シクラーゼ]]と[[プロテインキナーゼA]]を介する系やホスホリパーゼCとプロテインキナーゼCを介する系などシグナル伝達系を介して最終的にPTH刺激によって標的細胞では細胞内cAMP濃度上昇と細胞内Ca濃度の上昇が引き起こす。 腎尿細管ではPTH刺激によって尿中への[[cAMP]]の排泄量が増加する。この反応はEllsworth-Howard試験で用いられる。アデニル酸シクラーゼとプロテインキナーゼAを介する系は以下のような経路である。促進性GTP結合蛋白αサブユニット([[Gsα]])を介してアデニル酸シクラーゼを活性化する。アデニル酸シクラーゼはATPからcAMPと[[ピロリン酸]]への変換を触媒する酵素である。アデニル酸シクラーゼの活性化の結果、cAMPが産出される。cAMPはプロテインキナーゼAを活性化させ、最終的に蛋白リン酸化カスケードを介して酵素活性制御を行う。PHPは古典的にEllsworth-Howard試験によって尿中cAMP排泄増加反応が欠如したものをI型、正常反応を示すものをII型としている。PTH1受容体のシグナル伝達機構の異常部位によって細分類される。腎尿細管においてGsα蛋白自体が不活化していればIa型、Gsα蛋白の欠如ならばIb型、アデニル酸シクラーゼ作用の異常はIc型、cAMP産出以降の異常はII型に分類される。II型は尿細管障害や[[抗てんかん薬]]の投与、ビタミンDの欠乏症の一部を診断している可能性があり、Ic型は当初の報告例以外にはごく少数しか確認されていない。
 
=== 遺伝子 ===