「アゾベンゼン」の版間の差分

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== 分光学的分類 ==
アゾベンゼンやその誘導体が光異性化のために吸収する光の波長は個々の構造に応じて異なっているが、概ね3つの型に分類することができる。それらは、アゾベンゼン型、アミノアゾベンゼン型、擬スチルベン (pseudo-stilbene) 型で、それぞれ吸収光の違いにより黄色、橙色、赤色を示す。無置換のアゾベンゼンなど、アゾベンゼン型分子は、可視領域の弱い n-π<sup>*</sup> 吸収と紫外領域の強い π-π<sup>*</sup> 吸収を示す。ベンゼン環の[[オルト|オルト位]]、または[[パラ|パラ位]]に[[アミノ基]]などの[[電子供与基]]を持つアミノベンゼン型分子では、n-π<sup>*</sup> 吸収に近い可視領域の波長に π-π<sup>*</sup> 吸収帯があらわれる。擬スチルベン型分子では、片側のベンゼン環のパラ位に電子供与基が、もう一方の環のパラ位に[[電子求引基]]が置換している。この "push-pull" 型の構造は電子配置を非対称化させ、その結果としてトランス体とシス体の吸収帯が重なってしまう。つまり、その吸収帯にあたる光の照射下では、擬スチルベン型分子は2種類の異性体の間を絶えず行ったり来たりする平衡状態となる。
 
== 光異性化の機構 ==