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=== 歴史 ===
1953年4月、[[琉球列島米国民政府]]は、さらに新しい土地を接収するため軍用地接収の手続きを定めた米国民政府布令第109号「土地収用令」を公布し、強制的な土地接収を開始した。
1957年11月、「ギンバル訓練場」として使用開始。また、「嘉手納第3サイト」として、[[MGM/CGM-13 (ミサイル)|メースB]]8ミサイル基地を建設。
 
1957年10月3日、米国民政府はギンバルの収用通知書を発行し、これにより131,808坪の土地が強制接収された<ref>沖縄県公文書館所蔵 琉球政府文書 ギンバルの収用告知書</ref>。11月、「ギンバル訓練場」として使用開始。また、「嘉手納第3サイト」として、[[MGM/CGM-13 (ミサイル)|メースB]]8ミサイル基地を建設。
 
1970年、メース基地を撤去。
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|恩納村
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沖縄返還を前に、核兵器は撤去されたことになっている。しかし、2011年に返還された時点でも、メース基地の地下11メートルにも及ぶ巨大な構造物は、ギンバル訓練場の地下にそのまま取り残されていた。米軍は環境的な原状回復義務を負わないため、メース撤去に総額約1億5千万円<ref>{{Cite web|title=撤去進む「核の遺構」 ギンバル訓練場内メースB跡地公開|url=https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-207046.html|website=琉球新報デジタル|date=|accessdate=2021-01-24|language=ja}}</ref>。ギンバル訓練場全体では、返還された土地の土壌調査やクリーンアップ費用に241,132,500円が費やされた<ref name=":1">{{Cite web|title=旧米軍用地の原状回復に注がれた日本の129億円 |author= 島袋夏子|url=https://webronza.asahi.com/politics/articles/2018111400003.html|website=論座(RONZA)|date=|accessdate=2020-09-14|language=ja|first=The Asahi Shimbun|last=Company}}</ref>。
 
== 条件付き返還 ==
ギンバル訓練場の返還は、1996年12月2日の '''SACO最終報告'''「土地の返還」に盛り込まれた措置の一つで、新たなヘリコプター着陸帯を[[金武ブルー・ビーチ訓練場]]に建設し、消火訓練施設及び泥土除去施設を[[キャンプ・ハンセン]]に新築し移設させた後に、1997年までを目途にギンバル約60ヘクタールを返還するという'''条件付き返還'''であった<ref>{{Cite web|title=沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告(1996年12月2日)|url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/saco.html|website=www.mofa.go.jp|accessdate=2021-02-20}}</ref>。
 
'''SACO最終報告の返還条件'''
 
・代替施設としてヘリコプター着陸帯を[[金武ブルー・ビーチ訓練場]]に建設し移設
 
・代替施設として消火訓練施設及び泥土除去施設などを[[キャンプ・ハンセン]]に建設し移設
 
・返還1997度末までを目途に、ギンバル訓練場 (約60ヘクタール) を返還する。
 
金武町議会は、[[楚辺通信所]]の移設先やギンバル訓練場の移設先とされた'''金武町の負担増大'''に対し強い反対を表明していたが、2007年4月の防衛局の説明会の後、6月に[[儀武剛]]町長が返還条件受入表明を受けいれることを発表した<ref>{{Cite web|title=金武町 ヘリパッド移設受け入れ|url=https://www.qab.co.jp/news/200706124424.html|website=QAB NEWS Headline|accessdate=2021-02-20|language=ja|first=琉球朝日放送|last=報道制作局}}</ref>。
 
2009年11月、金武ブルー・ビーチ訓練場の新規ヘリコプター着陸帯 (LZスワン) を建設。
 
2011年6月、キャンプ・ハンセンの泥土除去施設を米軍に提供。
 
金武町議会は、楚辺通信所の移設先やギンバルの移設先とされた金武町の負担増大に対し強い反対を表明していたが、200720124月の防衛局の説明会の後、6月に[[儀武剛]]町長が返還条件受入表明を受けいれることを発表した<ref>{{Cite web|title=金武町 ヘリパッド移設受け入れ|url=https://www.qab.co.jp/news/200706124424.html|website=QAB NEWS Headline|accessdate=2021-02-20|language=ja|first=琉球朝日放送|last=報道制作局}}</ref>。2009年11月に金武ブルー・ビーチ訓練場の新規ヘリコプター着陸帯 (LZスワン) を、2011年6月にキャンプ・ハンセンの泥土除去施設を米軍に提供した。翌月7月31日、ギンバル訓練場返還される。しかし日米地位協定では米軍側に原状回復義務を求めない、1960年代後半からおよそ半世紀ものあいだギンバルに放置されたままの米軍の冷戦時代の遺物である核兵器要塞メースの巨大なコンクリートバンカーを解体し、ギンバルの土地を原状回復整備するために2億4千万もの費用がかかった<ref name=":1" />
 
=== 条件1. 金武ブルー・ビーチの新規ヘリ着陸帯建設 ===
金武町に新たな負担を強いることを意味する SACO の条件付き返還がなかなか進展しないことに苦慮した防衛省は、2007年4月、武町で説明会を開き「ギンバル訓練場の返還が不可能であれば、ギンバル訓練場とで引き続きヘリの訓練が実施される」等を説明した<ref>[https://www.town.kin.okinawa.jp/sp/userfiles/files/guide/koho/kikakugo001.pdf 金武町「広報 金武町 特別号外」平成19年度]</ref>。
{{Quotation|・現在ギンバル訓練場及び金武ブルービーチ訓練場では既存のヘリコプター着陸場所で訓練が行われています。ギンバル訓練場の変換返還が不可能であればギンバル訓練場と金武ブルービーチ訓練場で引き続きヘリの訓練が実施されます
 
・数ヶ所で訓練したものを一箇所に集約し、これまで訓練していた場所を活用するため離発着帯を新たに新設しません。ランディングマットを敷く程度の撤去可能なもので整備し粉塵被害が軽減されます。