「両極体制」の版間の差分

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通常は[[第二次世界大戦]]後の[[アメリカ合衆国]]と[[ソビエト連邦]]の2か国が[[超大国]]として君臨した世界([[冷戦]])を指す事が多い。冷戦時代にアメリカは[[資本主義]]国の多くを[[西側諸国]]・ソ連は[[社会主義]]国の多くを[[東側諸国]]として自らの影響下に組み込み、[[国際社会]]の動向がアメリカ合衆国とソビエト連邦の2か国によって政治・軍事・経済面で主導され、他の国々が力の均衡に大きな影響を与えることが無くなった。
 
===概要2===
第二次世界大戦までは、世界は3ヶ国以上の[[列強]]が[[植民地]]を持つ力の多角的均衡の上に成立しており、状況次第で様々な展開をしていた。しかし第二次世界大戦が終結すると、敗戦国はもとより戦勝国もアメリカとソ連を除いて衰え、特に[[イギリス]]は著しく疲弊して戦前の超大国の座を降り、[[イギリス帝国]]も解体した。[[日本軍]]と[[イギリス軍]]が干戈を交えた[[東アジア]]・[[東南アジア]]ではイギリス・[[フランス]]・[[オランダ]]による植民地支配が日本軍により駆逐され、日本が新たな植民地での支配者となった。[[日本]]の敗戦と、戻ってきた[[ヨーロッパ]]の旧植民地諸国が大戦により国力が低下していたことと、ソビエト連邦の支援があったことで[[アジア]]諸国の独立が達成された。そしてアメリカとソ連を除く国々が国際社会において主導権を握る可能性は消滅し、国際政治は米ソ2国間による力の均衡の上に推移した。このような状況では米ソ間においては片方の有利が相手側の不利に直結するために、瑣末な出来事が2国間の摩擦を招いて国際社会全体に常に緊張をもたらすが、同時にそれ以上の緊迫化とそれに伴う変動を抑止する効果も生み出し、特に[[平和共存]]及び[[デタント]]期以後においては逆説的に一定の緊張状態を抱えた状況のままでの国際社会の安定化をもたらした。
 
===概要3===
ただしアメリカとソ連以外の国が主導権を取る可能性が失われたことが、その他の国々が国際社会への影響力を喪失したことと同一視は出来ない。米ソ両国ともお互いの同盟国の利害に対する配慮無くしては自らの陣営の安定を確立することは不可能であったし、また冷戦初期からいずれの同盟国になることも拒絶して[[中立主義]]を採る国も存在した。更に両極体制の確立によって軍事的な均衡状況が長期化すると、同盟国・中立国を問わず大規模な国際紛争に巻き込まれる危険性を減退させて一定の限度内での自立の余地を与えたのみならず、結果的に軍事力が威力を発揮する場面が失われて、経済・文化・宗教面から国際社会へ影響力を与える動きが強まった。