「国際紛争の平和的解決」の版間の差分

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==== 司法裁判 ====
{{See also|国際司法裁判所|常設国際司法裁判所}}
国際社会において紛争当事国の意思からは独立した司法裁判所が初めて登場したのは、1907年に設立された[[中米司法裁判所]]であったが、これはわずか10件の事件を扱ったのみで1918年に廃止されることとなった<ref name="小寺422-430">[[#小寺(2010)|小寺(2010)]]、422-430頁。</ref>。その後1921年に[[国際連盟規約]]14条にもとづいて設立された[[常設国際司法裁判所]](PCIJ)が、国際社会に設立された初めての本格的な司法裁判所と評価されている<ref name="小寺422-430"/><ref name="杉原418-420">[[#杉原(2008)|杉原(2008)]]、418-420頁。</ref>。1945年の[[国際連合|国連]]創設とともに設立された現在の[[国際司法裁判所]](ICJ)は、PCIJを承継するものであり<ref name="小寺422-430"/>、PCIJにわずかな変更を加えて国連の機関として設立されたものである<ref name="国際法辞典104-105">「国際司法裁判所」[[#国際法辞典|『国際法辞典』]]、104-105頁。</ref>。[[判決 (国際司法裁判所)|ICJの判決]]には法的拘束力があり([[:s:国際連合憲章#第94条|国連憲章94条1項]])、一方の当事国がICJの判決に従わない場合には他方の当事国は[[国際連合安全保障理事会|国連安保理]]に提訴でき、安保理は判決の履行のための勧告をするか安保理自らが必要な措置をとることができると定められている([[:s:国際連合憲章#第94条|国連憲章94条2項]])<ref name="小寺428-429">[[#小寺(2010)|小寺(2010)]]、428-429頁。</ref>。しかし安保理の決定には[[国際連合安全保障理事会常任理事国|常任理事国]]の[[国際連合安全保障理事会における拒否権|拒否権]]が作用するため、常任理事国が判決に従わない場合には[[国際連合憲章第7章|国連憲章7章]]に基づく安保理の強制措置が発動する可能性は極めて低い<ref name="小寺428-429"/>。実際にはICJの判決は自発的に履行される場合がほとんどであり、そのような判決の履行拒否は例外的であるが、例えば1986年の[[ニカラグア事件]]ICJ判決の履行を拒否した[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の態度はそうした例外的事例に当たる<ref name="小寺428-429"/>。ニカラグア事件においては、ICJは裁判所としての任務である[[紛争解決機能]]を果たすことができなかったとする批判がある<ref name="小寺428-429"/>。しかし一方で、ニカラグア事件でICJは[[武力行使]]に関する[[法宣言機能]]を果たしたことや、もう一方の紛争当事国であった[[ニカラグア]]にとってはICJがアメリカの国際法違反を認定したことに意味があったことを理由に、肯定的にとらえる見解もある<ref name="小寺428-429"/>。
 
== 出典 ==