「重力ターン方式」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
76行目:
 
ここで、その時刻における推力重量比 <math>n = F/mg</math> および速度ベクトルと鉛直線との成す角度 <math>\beta = \arccos{(\vec{\tau_1} \cdot \hat{k})}</math> とを用いた。この連立方程式を解けば軌道が得られる。ただし、<math>n</math> が全行程にわたって定数となる最も単純な場合を除いて、この連立方程式は解析的には解けず、[[数値積分]]を用いる必要がある。
 
== 無誘導重力ターン ==
[[L-4Sロケット]]による[[おおすみ]]の打ち上げにおいては、政治的な問題から誘導装置の開発が遅れたために無誘導での打ち上げが行われることになった。これはロケット本体をランチャーによって傾けて発射することでピッチオーバーマニューバを省略、さらに第3段燃焼終了後の慣性飛行中に姿勢制御を行い、遠地点において地上からの制御で第4段に点火、軌道投入するもので、動力飛行中の誘導制御を一切行わない<ref>{{Cite web |url=https://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter03/02/01.shtml |title=無誘導打上げ方式とは |website=日本の宇宙開発の歴史 宇宙研物語 |publisher=[[宇宙科学研究所]] |accessdate=2021-10-07}}</ref><ref>{{Cite |和書 |title=内之浦宇宙空間観測所の50年 |publisher=[[宇宙航空研究開発機構]] |year=2012 |page=30 }}</ref>。
 
この方式では高度な技術を要する誘導装置が不要な代わりに、ロケットが風で流されたりロケットモーターの燃焼時間誤差で投入軌道に誤差が生じる、設計段階で想定した軌道にしか投入できない、といった欠点があり、後の[[M-3Cロケット]]から各段に順次設定した軌道とのズレを補正する誘導装置が搭載されてゆき、[[M-Vロケット]]ではピッチオーバーマニューバを含めた積極的な誘導制御が行われるまでになった<ref>{{Cite web |url=https://www.isas.jaxa.jp/j/japan_s_history/chapter04/01/03.shtml |title=4段式から3段式へ──M-3C |website=日本の宇宙開発の歴史 宇宙研物語 |publisher=[[宇宙科学研究所]] |accessdate=2021-10-07}}</ref><ref>{{Cite |和書 |title=内之浦宇宙空間観測所の50年 |publisher=[[宇宙航空研究開発機構]] |year=2012 |page=32-36 }}</ref>。
 
== 参考文献 ==