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[[Image:Indices miller plan definition.svg|thumb|300px|x,y,z軸との切片からミラー指数を決定する例。左は(111)、右は(221)]]
 
'''ミラー指数'''(ミラーしすう、{{lang-en|Miller index}})は[[結晶]]の格子中における[[結晶面]]や方向を記述するための指数である<ref name=Kittel>キッテル固体物理学入門上・下 / Charles Kittel著</ref><ref name=Kawai>表面科学・触媒科学への展開 / [[川合眞紀]]、堂免一成著 . -- 東京 : 岩波書店 , 2003.6 (岩波講座現代化学への入門 / 岡崎廉治 [ほか] 編 ; 14)</ref>。英国の鉱物学者[[ウィリアム・ハロウズ・ミラー]] ([[:en:William Hallowes Miller|William Hallowes Miller]]) によって考案された。
 
ミラー指数には、'''面指数'''と'''方向指数'''('''方位指数''')の2種類がある。面指数は結晶や格子をどのような平面で切るかを指定し、方向指数は結晶、格子内での方向を指定する。
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二次元結晶の結晶軸とは本来、基本並進ベクトルと称される2本のベクトルであるべきだが、実際には回転対称性などを考慮し、基本並進ベクトルとは限らない(2本の)格子ベクトルが取られることもある。ただ、代表的な表面についてはどのような格子ベクトルを結晶軸とするか決められている<ref name=Kittel/><ref name=Konno/>。
 
ある結晶の結晶軸として<math>\vec{{a}_{1}}</math>, <math>\vec{{a}_{2}}</math>, <math>\vec{{a}_{3}}</math>を取ったとする。このとき、格子点同士を結ぶ任意のベクトル<math>\vec{A}</math>は、整数の組 ''K'', ''L'', ''M'' を用いて
 
:<math>\vec{A}= K \vec{{a}_{1}} +L \vec{{a}_{2}} + M \vec{{a}_{3}}</math>
 
の形で書き表される。この事実により結晶学では『方向<math>\vec{A}</math>』のことを
『[''KLM'']方向』と呼ぶ<ref name=Kawai/><ref name=Konno>物質の対称性と群論/今野 豊彦 . -- 東京 : 共立出版, 2001.10</ref>。但し、[-1−1 0 0] のように(K(''K''=-1,L−1, ''L''=0, ''M''=0)負の成分を持つ方向は数字の上にバーをつけ、<math>[ \bar{1}00 ]</math>のように書く。また、[1,0,0]のような書き方、つまり成分の間にカンマを入れるような書き方はしない。
 
さらに、対称性([[空間群]][[対称性]])の観点から等価な方向指数は、そのうちもっともシンプルなもので代表させることが多い。例えば、[[立方晶系|単純立方晶]]においては<math>[100] , [010] , [001] , [\bar{1}00] , [0\bar{1}0] , [00\bar{1}]</math>は、点群対象性の観点から全て等価であるため、これらは<math>\langle 100 \rangle</math>で代表させる。
 
===面指数===
ある結晶の結晶軸として<math>\vec{{a}_{1}}</math>, <math>\vec{{a}_{2}}</math>, <math>\vec{{a}_{3}}</math>を取ったとする。このとき、各軸のそれぞれ 1/''k'', 1/''l'', 1/''m''
で交わる平面は、本質的に1つしか存在し得ない。このことを用いてこの平面を
(''klm'')面と書く<ref name=Kawai/><ref name=Konno/>。ここで、一般的には[''KLM'']方向は、(''klm'')面の法線とは限らない。
 
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