「野焼き」の版間の差分

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田畑などで行われる作物残渣の野焼きは、[[廃棄物の処理及び清掃に関する法律]](廃掃法)において、焼却禁止の例外とされるが、生活環境への影響のいかんにより、[[直罰]]規定(行為を罰する規定)と[[間接罰]]規定(命令違反を罰する規定)の2段階で規制される。このほか[[青森県]]や[[秋田県]]など一部の[[地方公共団体]]では、[[条例]]によって別途に規制を加えている<ref name="MOE-notice-air-1803273" />。
 
* 直罰規定 :廃掃法では、原則的に法定基準外の焼却は不法焼却として処罰の対象となるが、例外として「農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却」や「震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却」にあたる野焼きは罰則になじまない行為として除外される(法16条の2、施行令14条)。例外にあたるには、周辺の生活環境への影響が軽微であることが要件とされるが、具体的な線引きはない<ref name="MAFF-GAP">{{Cite web|title=これから始めるGAP|url=http://gap.maff.go.jp/files/starting_gap.pdf|publisher=農林水産省|date=2018-4-1|page=23|accessdate=2019-10-21}}</ref>。「やむを得ない」の要件も、個別具体的な事情で判断されるが、[[煙害]]を伴うため他の方法より公益上有効であることが求められることがある<ref name="hashimoto" />。廃ビニール<ref name="H12-9-28-Eikan78">{{Citation|和書|url=https://www.env.go.jp/hourei/11/000398.html|title=平成12年9月28日衛環78号 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行について|publisher=厚生省|date=2000-9-28}}</ref>や家庭ごみ<ref>{{Cite journal|和書|date=2019-6|title=違法な焼却はやめましょう 2. 違法焼却の事例(※罰金刑が科せられた事例)|url=http://www.city.shobara.hiroshima.jp/main/government/koho/pr/files/koho171_15.pdf|journal=広報しょうばら|issue=171|page=15|publisher=庄原市|quote=家庭などから排出された廃棄物(事例としては「紙類」「段ボール」「雑誌」「弁当ガラ」「ポリ袋」「包装箱」「板切れ」「杭」「丸太」「木片」「稲木」「棚」「机」「じゅうたん」「その他のごみ」など)を、空地や田畑で焼却した行為が、罰則の対象となります。}}</ref>の野焼きは不法焼却にあたる。家庭菜園やレジャー農園はここでの農林業に含まれず、造園業や植木屋などの園芸サービス業は条例により明文的に規制されることがある。
* 間接罰規定 :焼却禁止の例外にあたる野焼きも、法定基準外の焼却であるため、生活環境保全上の支障を生じうる行為として、措置命令(法19条の4)などの対象となり、命令違反は処罰の対象となる<ref>{{Cite web|author=長岡文明|url=http://www.revacs.com/biz/web/column/writer1/c014/|title=「環境省の通知の背景と内容解説」シリーズ 第14回 野焼きについて|publisher=リヴァックス|date=2015-5-20|accessdate=2019-9-3}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.pref.gunma.jp/04/e0910022.html|title=群馬県の生活環境を保全する条例のQ&A|publisher=群馬県|date=2011-3-1|accessdate=2019-9-3|quote=廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2では、廃棄物処理基準に従わない廃棄物の焼却を禁止していますが、「災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な焼却」及び「農業、林業又は漁業を営むためやむを得ないものとして行われる焼却」については、焼却禁止の例外(同法第16条の2、同法施行令第14条)とされています。しかし、これらの行為であっても処理基準を遵守しない焼却として、同法第19条の3の改善命令、第19条の4第1項の措置命令や行政指導の対象となります(平成12年9月28日付衛環第78号厚生省環境整備課長通知)。}}</ref><ref name="H12-9-28-Eikan78" /><ref>{{Citation|和書|url=https://www.env.go.jp/press/101974.html|title=平成28年1月21日環境省告示第7号 廃掃法基本方針|publisher=環境省|date=2016-1-21|page=20|quote=廃棄物の処理基準に適合しない処理に対しては、一般廃棄物については市町村、産業廃棄物については都道府県において、生活環境の保全上の支障が生じることを未然に防止するため、行政命令を適正かつ迅速に行うとともに、行政命令違反、不法投棄、焼却禁止違反等の行為については、都道府県警察との連携を強化し、厳正に対処しなければならない。}}</ref>。ここでの「[[生活環境]]」とは[[環境基本法]]での定義に準じて「社会通念に従って一般的に理解される生活環境」などをいい、措置命令の発出は「高度の蓋然性や切迫性までは要求されておらず、通常人をして支障の生ずるおそれがあると思わせるに相当な状態をもって足りる」とされる<ref>{{Citation|和書|url=https://www.env.go.jp/hourei/add/k068.pdf|title=平成30年3月30日環循規発第18033028号 行政処分の指針について(通知)|work=[https://www.env.go.jp/recycle/waste/laws/kaisei2017/index.html 平成29年改正廃棄物処理法について]|publisher=環境省|date=2018-3-30|page=29}}</ref>。
* 罰則:平成以降、不法焼却の厳罰化が進められており<ref>{{Cite web|url=http://www.city.oita.oita.jp/o144/shigotosangyo/jigyokegomi/1085025711456.html|title=野外焼却は禁止です!|publisher=大分市|date=2014-9-12|accessdate=2019-11-6}}</ref>、未遂罪<ref>{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 25条第2項</ref>(点火など<ref>{{Citation|和書|url=https://www.env.go.jp/recycle/waste/laws/kaisei2017/index.html|title=平成30年3月30日環循規発第18033028号 行政処分の指針について(通知)|publisher=環境省|date=2018-3-30|page=44|quote=行為者が廃棄物を燃焼させるべく、焼却行為に着手した時点で、不法焼却の実行の着手があったものとして、不法焼却未遂罪に該当するものと考えられること。具体的な行為類型としては、直接廃棄物に点火したが廃棄物が独立して燃焼するに至らなかった場合、廃棄物を燃焼する目的で媒介物に着火した場合、焼却する目的で廃棄物にガソリンを散布した場合等が考えられること。}}</ref>)や、目的罪(収集・運搬)<ref name="haisouhou-26-1-6">{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 26条第1項第6号</ref>も定められる。不法焼却(未遂を含む)や措置命令違反の罰則は、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方であり<ref>{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 25条</ref>、不法焼却に法人がかかわる場合は3億円以下の罰金が法人に併せて科される<ref name="Haisouhou-32">{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 32条</ref>。不法焼却の目的罪の罰則は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方であり<ref name="haisouhou-26-1-6" />、法人がかかわる場合は300万円以下の罰金が法人に併せて科される<ref name="Haisouhou-32" />。
 
===== 罰則 =====
平成以降、不法焼却の厳罰化が進められており<ref>{{Cite web|url=http://www.city.oita.oita.jp/o144/shigotosangyo/jigyokegomi/1085025711456.html|title=野外焼却は禁止です!|publisher=大分市|date=2014-9-12|accessdate=2019-11-6}}</ref>、未遂罪<ref>{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 25条第2項</ref>(点火など<ref>{{Citation|和書|url=https://www.env.go.jp/recycle/waste/laws/kaisei2017/index.html|title=平成30年3月30日環循規発第18033028号 行政処分の指針について(通知)|publisher=環境省|date=2018-3-30|page=44|quote=行為者が廃棄物を燃焼させるべく、焼却行為に着手した時点で、不法焼却の実行の着手があったものとして、不法焼却未遂罪に該当するものと考えられること。具体的な行為類型としては、直接廃棄物に点火したが廃棄物が独立して燃焼するに至らなかった場合、廃棄物を燃焼する目的で媒介物に着火した場合、焼却する目的で廃棄物にガソリンを散布した場合等が考えられること。}}</ref>)や、目的罪(収集・運搬)<ref name="haisouhou-26-1-6">{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 26条第1項第6号</ref>も定められる。不法焼却(未遂を含む)や措置命令違反の罰則は、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方であり<ref>{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 25条</ref>、不法焼却に法人がかかわる場合は3億円以下の罰金が法人に併せて科される<ref name="Haisouhou-32">{{Egov law|345AC0000000137|廃掃法}} 32条</ref>。不法焼却の目的罪の罰則は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方であり<ref name="haisouhou-26-1-6" />、法人がかかわる場合は300万円以下の罰金が法人に併せて科される<ref name="Haisouhou-32" />。
 
==== 行政による対応 ====