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この他にメタン酸化アーキア(ANME-1、ANME-2。おそらくメタノミクロビウム綱に近縁)を代表とした未培養系統が多数残されている。
 
== 特徴 ==
 
* [[アルカエオグロブス綱]]/Archaeoglobi - 海洋熱水鉱床、油田などから分離される嫌気性の超好熱菌。硫酸還元菌である[[アルカエオグロブス属|''Archaeoglobus'']]、鉄を酸化する''Ferroglobus''、[[第二鉄]]を還元する''Geoglobus''の3属がある。
* [[テルモプラズマ綱]]/Thermoplasmata - ユーリ古細菌の中では唯一[[ヒストン]]を欠く。
** [[テルモプラズマ目]]/Thermoplasmatales - 陸上の硫気孔、温泉など。クレン古細菌の[[スルフォロバス目]]と同じく好熱好酸菌だが、それよりも低pHに適応し(好熱性は低い)、大半の種はpH1以下でも増殖できる。[[ピクロフィルス属|''Picrophilus'']]を除いて細胞壁を欠損する。偏性好気性の従属栄養生物が多い。
** メタノマッシリイコックス目/Methanomassiliicoccales - メタン菌。外膜を持つ。2018年現在[[メタノマッシリイコックス・ルミニュエンシス|''Methanomassiliicoccus luminyensis'']]のみが記載。この種はヒト大腸内で[[メチルアミン]]を分解していると考えられる。
* [[テルモコックス綱]]/Thermococci - 有機物を発酵する嫌気性の従属栄養生物で、海洋熱水系に広くみられる。全種が超好熱性。[[ピュロコックス・フリオスス|''Pyrococcus furiosus'']]は研究の進んでいる古細菌種である。
* [[メタノバクテリウム綱]]/Methanobacteria - [[動物]]の[[消化器官]]、[[熱水泉]]、[[下水]]、[[湖沼]]、その他広い[[淡水]]系に分布する[[メタン菌]]。人体からも[[メタノブレウィバクテル属|''Methanobrevibacter'']]が比較的よく検出される。細胞壁にシュードムレインという構造を持つ。
* [[メタノコックス綱]]/Methanococci - 海底熱水鉱床や海底沈殿物など主に海洋系に分布する[[メタン菌]]。[[メタノカルドコックス・ヤンナスキイ|''Methanocaldococcus jannaschii'']]は最初にゲノムが解析された古細菌である。主に水素+二酸化炭素系でメタンを生成する。
* "[[メタノミクロビウム綱]]"/"Methanomicrobia" - 主に[[水田]]や[[湖沼]]、[[シロアリ]]、[[反芻動物]]の[[消化器官]]などに分布するメタン菌。[[酢酸]]を利用する種が多いが代謝形態は多様性に富む。
** [[メタノミクロビウム目]]/Methanomicrobiales - 水素+二酸化炭素系のほかに、ギ酸、アルコール+二酸化炭素系でメタンを生成する。
** [[メタノサルキナ目]]/Methanosarcinales - 酢酸をメタン生成の基質に用いることのできる種が多く、硫化ジメチルを利用できる種もいる。[[バイオガス]]の生産に[[メタノサエタ属|''Methanosaeta'']]、[[メタノサルキナ属|''Methanosarcina'']]が重要。
** [[メタノケッラ目]]/Methanocellales - 以前Rice Claster Iと呼ばれていたもの。水田や湖水、泥炭地に生息するメタン菌。
* メタノピュルス綱/Methanopyri - 超好熱性のメタン菌。[[メタノピュルス・カンドレリ|''Methanopyrus kandleri'']]1種のみが分離されている。生物の生育限界温度である122℃で増殖するStrain 116を含む。細胞壁はメタノバクテリウム綱と同様シュードムレインであるが、その外側を更に[[S層]]が覆う。
* [[メタノナトロナルカエウム綱]]/Methanonatronarchaeia - シベリアの超塩水ソーダ湖の嫌気性沈殿物より分離された、好塩・好アルカリ・好熱性のメタン菌[[メタノナトロナルカエウム・テルモピルム|''Methanonatronarchaeum thermophilum'']]1種のみ。
* [[高度好塩菌|ハロバクテリウム綱]]/Halobacteria - いわゆる高度好塩菌。2018年現在約250種を含み、記載されている古細菌の約半数を占める。好気従属栄養性で、[[バクテリオロドプシン]]により光エネルギーも利用する。
** [[ハロバクテリウム目]]/Halobacteriales - よく研究された古細菌である''Halobacterium salinarum'' NRC-1などを含む。
** [[ハロフェラクス目]]/Haloferacales
** [[ナトリアルバ目]]/Natrialbales - 比較的好アルカリ性の高度好塩菌が多い<ref>{{cite journal|author=Gupta, R. S., ''et al.''|date=2015|title=Phylogenomic analyses and molecular signatures for the class ''Halobacteria'' and its two major clades: a proposal for division of the class ''Halobacteria'' into an emended order ''Halobacteriales'' and two new orders, ''Haloferacales'' ord. nov. and ''Natrialbales'' ord. nov., containing the novel families ''Haloferacaceae'' fam. nov. and ''Natrialbaceae'' fam. nov.|journal=Int. J. Syst. Evol. Microbiol.|volume=65|issue=|pages=1050-69|doi=10.1099/ijs.0.070136-0|id=PMID 25428416}}</ref>。
 
== 脚注 ==