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{{出典の明記|date=2014年6月26日 (木) 09:44 (UTC)}}
'''光合成細菌'''(こうごうせいさいきん、{{lang-en|photosynthetic bacteria}})は、[[光合成]]を行う[[細菌]]の総称である。光合成生物のうち、[[真核生物]]を除いたものに相当する。酸素発生型[[光合成]]をする行う[[藍色細菌|シアノバクテリア]]および[[紅色細菌]]や[[紅色非硫黄細菌]]などの酸素非発生型光合成を行う[[紅色細菌]]と緑色細菌を含む。単に光エネルギーを利用する栄養性の細菌という意で[[光栄養生物|光栄養細菌]](phototrophic bacteria)と呼ばれる。従来記載総称されてきたるが、このうち[[炭素固定]]能力をもつもの([[独立栄養細菌生物]])が狭義多くは光合成能(光エネルギーを利用細菌と呼ばれる。ただ炭素同化する固定能力持つので、慣習的にもたない光[[従属栄養生物]]を光合成細菌と総称されに含めこと場合多いある([[ヘリオバクテリウム科|ヘリオバクテリア]]など)
 
紅色細菌および緑色細菌は、栄養学的分類から、さらに[[紅色硫黄細菌]]([[ガンマプロテオバクテリア綱|ガンマプロテオバクテリア]])・紅色非硫黄細菌([[アルファプロテオバクテリア綱|アルファプロテオバクテリア]])、および[[緑色硫黄細菌]]([[クロロビウム門|クロロビウム]])・[[緑色非硫黄細菌]]([[クロロフレクサス門|クロロフレクサス]])に分けられる。シアノバクテリアを含めて各細菌グループは進化的に直接の関係はなく、互いに別個に光合成能を獲得したと考えられている。
[[16S_rRNA系統解析]]に基づく原核生物の分類群のうち、光合成細菌の範疇に入れられてきたものは、[[藍色細菌]]、[[紅色細菌]]、[[緑色硫黄細菌]]、[[緑色滑走性細菌]](クロロフレクサス)、[[ヘリオバクテリア]]である。緑色滑走性細菌は緑色糸状性細菌、緑色非硫黄細菌と呼ばれることもある。紅色細菌は[[栄養・生理的分類]]から[[紅色硫黄細菌]]と紅色非硫黄細菌に分けられる。しかし、ヘリオバクテリアは、光エネルギーを利用して炭素固定を行なうという本来の光合成の性質がゲノム上でも表現型上でも認められておらず、厳密には光栄養細菌と呼ばれるべきである。
 
上にあげた光合成細菌がすべて[[バクテリオクロロフィル|バクテリアクロロフィル]]または[[クロロフィル]]を用いた受光システムをもつのに対して、[[バクテリオロドプシン]]に内包された[[レチナール|レティナル]]を用いた受光システムを利用するものが、[[原核生物]](細菌および[[古細菌]])に広く分布している。古細菌である[[高度好塩菌]]がもつロドプシンはよく知られた例である。ただし、レティナル型の受光システムで炭素固定を行う生物は知られておらず、そのため光合成細菌には通常含めない。
光栄養(phototrophy)という点からは、[[高度好塩菌]]は[[バクテリオロドプシン]]を使って光従属栄養的に増殖する。光エネルギーを使用する点で光合成細菌と同じであるが、[[クロロフィル]]類を持たず、[[アーキア]]であることから、光合成細菌には含めない。近年は、海洋性の細菌の中にもロドプシンをもつ種が見つかっており、一部に光栄養能が証明されているが、光合成をするかどうか確定していない。
 
==概要==
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光栄養細菌としては、2007年にアシドバクテリア(Acidobacteria)門に新しい菌群が見つかった。これはChloracidobacterium thermophilumという好熱性の生物で、バクテリオクロロフィル''a''と''c''をもち、光従属栄養で増殖する。光化学系は鉄硫黄クラスター型である。さらに、ゲマティモナス(Gematimonadetes)門に光栄養細菌Gematimonas phototrophicaが見つかっている。
 
== 関連項目 ==
 
{{DEFAULTSORT:こうこうせいさいきん}}