「タイミングチェーン」の版間の差分

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ローラーチェーンやサイレントチェーンの開発によって、これらによるカムシャフトの駆動が一般化し、OHC自体も徐々に市販車へ浸透していった。<!--しかしなおタイミングチェーンは量産車に使用するには乗り越えなければならない課題があった。-->かつてはゴムベルトの耐久性が弱く、とても実用にならなかったため、[[ピッチ]]精度に多少問題があってもタイミングチェーンを用いるのが一般的であった。しかしその後技術の進歩により、ゴム製のベルトでも十分な同期精度と耐久性を確保することが出来るようになったため、コストがケタ違いに低く、静粛性に優れる[[タイミングベルト]]に取って代わられた。小型の[[ディーゼルエンジン]]では[[噴射ポンプ]]の駆動にもタイミングベルトを用いるものが現れた。
 
しかし、タイミングベルトは定期的な交換を要し、推奨交換時期以前でも運転中に切れてバルブクラッシュを起こしてエンジンを壊すこともある。また、必要な強度を確保するためベルトの幅が広く、無理な屈曲にも弱いため[[プーリー]]径もやや大きくなるなどの欠点も併せ持っていた。そこで[[1990年代]]以降、エンジンの小型化と[[メンテナンス]]フリー不要化をより推し進めるため、一部の機種から従来のタイミングチェーンに比べて低騒音で格段に細いタイミングチェーンの採用が始まり、その後着実に採用機種を拡大している。2007年に世界で生産された自動車のうち約50%にタイミングチェーンが使用されているが、日本生産車ではタイミングベルトはごく一部の旧型エンジンなどに残るのみで、ほとんどがタイミングチェーンに移行しつつある。ディーゼルエンジンでは油中へのススの混入の関係でチェーンへの移行はガソリンエンジンに比べ遅れていたがタイミングチェーンの材質、表面処理の改良により移行が進んでいる。
 
これらは、前述したように金属製のためゴムに比べて伸びが小さく耐久性に優れるほか、工作精度の向上によって[[ピッチ]]精度が実用十分な程度まで上がったこと、および動作音が従来のチェーンと比べて騒音の少ないサイレントチェーンが作られたこと、[[横置きエンジン]]式[[前輪駆動]]が大きく普及しエンジン全長の短縮が求められたことなどがその要因である。