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{{出典の明記|date=2011年11月}}
'''人文科学'''(じんぶんかがく、{{Lang-en|humanities}})あるいは'''人文学'''(じんぶんがく、中国語:'''人文学科''')とは、
多数ある[[学問]]の[[分類]]法のひとつで、以下の場合に人文科学という分類名が使われる。
「アメリカのハーバード大学で人文科学専攻の学生が急激に減っている。また、クーリエ・ジャポンの調査でどの学科専攻ならば大学4年間の学費と卒業後のリターンが得られるのか15位まで調査した。その1位が医学部卒業、2位がコンピュータシステム工学部卒、3位が薬学部卒。15位までをリストアップしたが、文系科学・社会科学系は13位の経済学のみである。この順位外の就職には役に立たないという枠外扱いがリベラルアーツ(学)だった。例えばアメリカのスタンフォード大学では、人文科学系の教員は全体の45%いるが、学生はわずか15%にまで下がっている。同国のハーバード大学でも1954年の36%から、2012年には20%まで人文科学系の学生割合が落ち込んだ。2010年には全米で人文科学系を卒業した人はわずか7%で、1966年から半減している。また、アメリカでは大学を卒業した学生の失業率は人文科学系の学生は自然科学系の2倍だった。志願者数の減少傾向から人文科学系学部の閉鎖や縮小が進んでいる。」</ref>。▼
*学問を人文科学と自然科学に二分する分類法を採用する場合。この場合、[[社会科学]]は人文科学に含まれる。
*学問を人文科学・社会科学・自然科学に三区分する場合。この場合、[[社会]]を人間と対比された形で別個の研究対象と見ている。
== 概要 ==
もともと humanitiesヒューマニティーズは、[[リベラルアーツ]]のひとつだった。
明治期以降の日本語では人文学と呼ばれていたが、人文科学はそれに新たにあたえられた[[訳語]]である。
なおhumanitiesという用語は、[[wikt:science|science]]という言葉は含まない。自然科学系の人の中には、自然科学だけが科学だと考え、人文学に「[[科学]]」という名称が与えられてしまうことに批判的な論者もいる。そういった論者は人文学と呼びたがる。
人文科学における、研究方法は多岐にわたる。たとえば[[考古学]]や[[民族学]]や[[文化人類学]]などでは[[現地調査]]、[[発掘調査]]、[[フィールドワーク]]など主となる。現在は話されていない言語について研究するような分野では、主に[[文献学]]的方法を採用する。
そして、人間の研究のうちでも特に人間行動にかかわる分野を[[行動科学]]と称し、別個に学問の分類に加える場合がある。この場合、[[教育学]]、[[心理学]]、[[社会学]]、[[宗教学]]などは人文科学でなく、実験・実証が可能であるために行動科学として別個に分類される。これは学問手法による分類でなく、学問の目的・対象による分類である。▼
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なお[[心理学]]の分類については議論が多く、自然科学としての性質を持つように変化してきた歴史があり、分類が一定しない。現在では心理学のほとんどの部門で[[実験]]、[[観察]]、[[統計]]などの手法が重視される。だが、心理学内の細かい分野ごとに事情は異なり、自然科学あるいは人文学どちらに分類したほうが良いのかはっきりしないこともある。統計や実験など自然科学的手法をもちいた学問分野はすべて自然科学である、人間をただの実験動物(モルモット)のように扱う大学の実験心理学は自然科学に分類される。だが現実の社会で悩んでいる人々の話を傾聴し、実際に人々の心を救っている[[臨床心理学]]は、人間をモルモットのようには扱っておらず、自然科学ではない。こちらの臨床心理学のほうは、現実世界で人々の役に立っている。
== 一般的な分野 ==
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[[基礎科学|基礎]]
* [[母語]]、各国の標準語([[英語圏]]なら[[英語]]、[[ドイツ語圏]]なら[[ドイツ語]]、[[フランス語圏]]なら[[フランス語]]、日本なら現代日本語(国語)など)
*[[国語]]▼
:: この言語が各学問を記述する基盤となっている。政治学であれ倫理学であれ、学問は言語で書かれる。各学習者の頭脳で基盤となる言語がしっかり確立していないと、そもそも学問が全く理解できないし、新たに記述することもできない。(なお古代ギリシアでは[[古代ギリシア語]]が使われ、中世ヨーロッパでは[[ラテン語]]が国境をまたいで共通の学問用言語として用いられた。)
*[[論理学]]
*[[倫理学]](道徳)
*[[哲学]]
*[[美学]]
*[[音楽学]](声帯音韻学または声音科学)
*[[
*[[教育学]]
*[[心理学]]
[[応用科学|応用]]
*[[言語学]]
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*[[文化人類学]]
*[[人間科学]]
*
== 他 ==
;アメリカにおける人文系学部の就職率低下と縮小傾向。学部ごとの向き不向き。
アメリカでは、大学の専攻分野と就職内容の一致が高く、工学系や自然科学系学部出身者の就職率が高くなってきているのに対して、人文科学・社会科学系の学部は就職率が悪化し、それに気付いた若者の間で人文系志望者・人文系専攻学生の減少が起きており、その結果、一部有名大学でも縮小や閉鎖が進んでいる<ref>『クーリエジャポン』2013年11月号p43「ハーバードの学生たちに広がる急激な文系離れの波紋」
▲2013年11月号の情報によると、「アメリカの[[ハーバード大学]]で人文科学専攻の学生が急激に減っている。また、クーリエ・ジャポンの調査でどの学科専攻ならば大学4年間の学費と卒業後のリターンが得られるのか15位まで調査した。その1位が医学部卒業、2位がコンピュータシステム工学部卒、3位が薬学部卒。15位までをリストアップしたが、文系科学・社会科学系は13位の経済学のみである。この順位外の「就職には役に立たない」という枠外扱いが[[リベラルアーツ]](学)だった。例えばアメリカの[[スタンフォード大学]]では、人文科学系の教員は全体の45%いるが、学生はわずか15%にまで下がっている。同国のハーバード大学でも[[1954年]]の36%から、2012年には20%まで人文科学系の学生割合が落ち込んだ。2010年には全米で人文科学系を卒業した人はわずか7%で、1966年から半減している。また、アメリカでは大学を卒業した学生の失業率は人文科学系の学生は自然科学系の2倍だった。志願者数の減少傾向から人文科学系学部の閉鎖や縮小が進んでいる。」</ref>。
ただしこの話には例外があり、どんな場合でも自然科学系の学部・学科のほうが就職に有利なわけではなく、自然科学系や工学系のほうがかえって不利になる場合がある。何になりたいか、によるのである。たとえば[[ジャーナリスト]]になる、[[報道]]関係の仕事につく、と目的がはっきりしている場合は、人文系の学部に進学したほうがよい。ジャーナリストになるには人文系学部のほうが圧倒的に有利である。また[[外交官]]になる、とか、世界を飛び回る[[商社]]社員(商社マン)になる、という目的がはっきりしている場合は、人文系の学部、特に外国語学部などに進学して外国語をみっちりトレーニングして流暢に話せるようになったほうがよい。自然科学系学部に進学して実験室に籠って実験ばかりしていたり数式ばかりいじくるようなことをしてしまうと、外交官になりたい場合や商社員になりたい場合は圧倒的に不利になり、外交官や商社員にはほぼなれない。
== 脚注 ==
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