「細胞性粘菌」の版間の差分

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→‎アクラシス類: A. rosea 和名
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土壌中にはごくふつうに産する。
植物遺体や、動物の糞などを湿室培養すれば、出現することが珍しくない。
 
===分類===
これまでに100種近い種が知られており、現在の分類体系は子実体の柄に注目して2科4属に分類するものである。
*''Acytostelium''
*:子実体の柄に細胞がなく中空になっている。''A. leptosomum''など十種ほどが知られている。
*''Coenonia''
*:''Coenonia denticulata''のみが記載されているが、その後発見されたことがなく実在を疑われている。
*タマホコリカビ属 ''Dictyostelium''
*:子実体の柄は分岐しないか、または不規則に分岐して側生する。タマホコリカビ(''D. mucoroides'')、キイロタマホコリカビ(''D. discoideum'')、コタマホコリカビ(''D. lacteum'')など数多く知られている。
*ムラサキカビモドキ属 ''Polysphondylium''
*:子実体の柄が規則的に分岐して輪生する。ムラサキカビモドキ(''P. violaceum'')を始めとして十数種が知られている。
 
ところがSchaap ''et al.'' (2006)はタマホコリカビ類の大半を用いた分子系統解析を行い、子実体の柄はそれほどあてにならず、特にタマホコリカビ属が多系統的であることを示した。これによると、タマホコリカビ類は大きく4つのグループに別れている。
 
#Parvisporids(parvi- '小さい' + spora '胞子')
#:''Dictyostelium''属のうち小さい胞子をつけるものが多い。
#Heterostelids(hetero- '異なる' + steleon '柄')
#:''Acytostelium''属と''Polysphondylium''属を含み、それぞれ比較的まとまりがよい。ただし''Dictyostelium''属が割り込んできたり、ムラサキカビモドキ(''P. violaceum'')が含まれないなど不思議なグループ。
#Rhizostelids(rhizo- '根' + steleon)
#:''Dictyostelium''属のうち子実体が1ヶ所から群生するものが多い。コタマホコリカビ(''D. lacteum'')、コツノマタタマホコリカビ(''D. minutum'')などが含まれる。
#Dictyostelids
#:''Dictyostelium''属のうち比較的がっしりした子実体が単生するものが多い。タマホコリカビ(''D. mucoroides'')、キイロタマホコリカビ(''D. discoideum'')などの代表的なタマホコリカビ類が含まれる。ムラサキカビモドキ(''P. violaceum'')は比較的ここに近い。
 
おそらく今後''Dictyostelium''属の分割などを含めた分類体系の変革が必要になると考えられる。
 
==アクラシス類==