「同人誌」の版間の差分

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1999年(平成11年)には[[ポケットモンスター|ポケモン]]のパロディ同人誌を発行した作者が著作権の侵害により逮捕される[[ポケモン同人誌事件]]が起こった<ref>[[米沢嘉博]]監修『マンガと著作権 - パロディと引用と同人誌と』青林工藝舎、2001年、8頁</ref>。
 
2006年(平成18年)には[[ドラえもん]]の最終話を称する同人誌を販売していた男性が著作権侵害として警告される[[ドラえもん最終話同人誌問題]]が起こった<ref>[https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/30/15880.html ドラえもん「最終話」同人誌制作の男性、小学館と藤子プロに謝罪]. INTERNET Watch(2007年5月30日). 2022年1月21日閲覧</ref>
 
なお、企業、同人作家問わず、パロディなどとは異なり、[[著作権法]]で容認されている批評などのための[[引用]]についても、著作権者の許可が必要という認識は強い。しかし、漫画の引用については[[小林よしのり]]と[[上杉聰]]らの間で争われた「『脱ゴー宣』裁判」で絵の引用が争点となったが、[[2002年]](平成14年)[[4月26日]]に「絵の引用は合法」とする[[最高裁判所 (日本)|最高裁]]判決が出ている(ただし、「レイアウトの改変は違法」とされた。詳細は[[脱ゴーマニズム宣言事件]]を参照)。この判決は、コミックマーケットが[[シンポジウム]]で取り上げるなど、同人誌にもある程度の影響を及ぼした。
 
==== 著作権紛争の発生事例 ====
{{see also|ドラえもん最終話同人誌問題#概要}}
 
ことの発端は2005年(平成17年)のことで、[[田嶋安恵]]が「田嶋・T・安恵」名義で事実無根の[[都市伝説]]をベースにして制作した同人誌「[[ドラえもんの最終回]]」を発表したことである。当初は注目を集めなかった同作であるが、これがしばらく間をおいてから各メディアから注目を集め出し、同作について問い合わせを受けるなど反響の大きさや悪影響を懸念した[[版元|出版元]]の[[小学館]]と[[著作権者|著作権元]]の[[藤子・F・不二雄プロ|藤子プロ]]が2007年(平成19年)に[[著作権侵害]]を通告し、田嶋は在庫の廃棄処分と同作の著作権侵害によって得た利益の返還を命じられた。この一件に限れば、原作者が故人という状況下における事例である上、また、原作に酷似させた製本デザインや、[[ブログ]]の無断転載などで有名化したことにより、「公式・公認の作品」「原作そのもの」「正規の権利関係者が制作した作品」などの誤解を多くの一般人に招いたことなど特徴的なこともあり、この一件の事例による影響がただちに他へ波及するとは考えにくい状況ではあったものの、同人誌における二次創作物への各出版社の今後の対応が注目される契機となった。
 
また、[[2014年]](平成26年)には[[ブロッコリー (企業)|ブロッコリー]]が無許可で同人グッズを製作・販売しているサークルに警告を出したり<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1405/20/news092.html 「うたプリ」同人グッズ販売に警告 公式「ブロッコリー管理本部」がTwitterで],ITmedia,2014年5月20日</ref>、[[ニトロプラス]]が二次創作についてのガイドラインを改定し頒布個数や売り上げに制限を盛り込んだ(後日見直され同人誌は範疇から外されている)ことで論議を呼んだ<ref>[http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1407/05/news015.html ニトロプラスが二次創作のガイドラインを改定 「委託禁止」「200個以内・10万円未満」に賛否両論],ITmedia,2014年7月5日</ref>。このような行動が起きた背景として、同人グッズを作っているサークルの中には、ファン活動の域を超えた営利目的のものが増えているという認識であり、一定の線引きが必要と言う意図がある<ref>[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1407/09/news055.html 物議かもしたニトロプラスの2次創作ガイドライン改定へ 「意図と異なる表現になっていた」と社長],ITmedia,2014年7月9日</ref>。こうした同人の範疇を超えたグッズの製作・頒布については、著作権者からは公式商品と混同される[[海賊版]]であると見なすことができるため、同人誌即売会主催者側からも注意喚起が出されており、特にコミックマーケットでは同年末の87のコミケットアピールにおいて、共同代表からの挨拶で注意がなされ、著作権に関する注意の記述についてもより明確に記載されている<ref>「コミケットアピール87」P2・P12,コミックマーケット準備会,2014年11月1日発行</ref>。