「シベール (同人誌)」の版間の差分

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;ミャアちゃん官能写真集(1981年8月発行/コミックマーケット18)
:[[吾妻ひでお]](あじましでお)が[[20世紀]]に発行した最後の同人誌。1981年8月発行<ref name='fus3_p93'> 『[[ふゅーじょんぷろだくと (雑誌)|ふゅーじょんぷろだくと]]』1981年10月号「特集 ロリータあるいは如何にして私は正常な恋愛を放棄し美少女を愛するに至ったか」 P93</ref>。吾妻の漫画『[[スクラップ学園]]』の主人公・猫山美亜(ミャアちゃん)のイラスト等を収録。巻末には[[沖由佳雄]]、[[孤ノ間和歩|このま和歩]]、[[森野うさぎ]]、[[早坂未紀]]、[[豊島ゆーさく]]、[[三鷹公一]]らがイラストを寄稿した。C18(81年夏のコミケ)にて1,600冊を6時間かけて頒布<ref name='comike30_p265'>コミックマーケット準備会『[コミックマーケット30’sファイル』青林工藝舎 2005年7月,P265</ref>。なお当時のコミケ参加者は1万人規模であったが、1日の頒布部数は未だ破られていない<ref>[https://twitter.com/Syozit/status/954858713579364352 虎馬書房のツイート] 2018年1月21日</ref>。続編として『ミャアちゃんラブワールド―吾妻ひでおイラスト集』([[秋田書店]]・1983年7月)に描き下ろされたPart.3がある(Part.1のあとがきでPart.2は出さないと明言したため、いきなりPart.3に飛んでいる){{Efn|『ミャアちゃん官能写真集 Part.3』は[[復刊ドットコム]]版『[[スクラップ学園]]』下巻にも再収録されている(Part.1は上巻に再録)。}}。また[[二次創作物|二次創作]]として[[沖由佳雄]]、[[孤ノ間和歩|このま和歩]]、[[三鷹公一]]、[[計奈恵]]、[[高屋良樹|ちみもりを]]らによるPart.2(24頁のB5判コピー合同誌)がC24(83年夏のコミケ)で頒布されている<ref>[https://twitter.com/kazunakei/status/934044361037266944 計奈恵のツイート] 2017年11月24日</ref>。
<small>
<blockquote>
本誌4号で予告したとおり、あの「ミャアちゃん官能写真集」がついに出てしまった! この情報、[[リュウ (雑誌)|リュウ]]9月号でも引用されたこともあってか、8月15・16日のコミケットでは、朝早くからならんでいた人間([[♂]])が開場と同時に売場へ殺到、一人一冊の制限にもかかわらず、大混乱のうちにたった一時間で売り切れるという前代未聞の記録になりました。三千部つくったのですが、もはや一冊の在庫もないそうで、買いそびれて悲嘆の涙にくれている人も多いとか。
 
先生にお聞きしたら、実は前々から、いつ出そうかと機会をねらっておられたそーで、決してヒョウタンからコマではなかったと言うから恐れ入りました。さすがに、[[同人誌]]の乄切があるからと、[[商業誌]]の仕事を断わるという吾妻ひでおだけのことはある! こんなとこが根強い人気の秘密なんでしょーね!
 
このぶんだと「出ません」と言う「ミャア官」第2巻とか、ポルノ編とかも、かるーく出てしまうかもしれませんなあ。恐ろしや、恐ろしや…。
<br>──漫画の手帖事務局『[[漫画の手帖]]』6号(1981年12月)5頁「吾妻ひでおする人のぺえじ」<br />
</blockquote>
</small>
 
;同人誌『シベール』『ロリータ』に掲載された吾妻ひでお作品
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しかし、その一方でロリコン漫画から派生した'''美少女コミック'''が80年代後半以降、急速に大衆化・商業化・肥大化して行く過程で[[山本直樹|森山塔]]など[[性行為|セックス]]に特化した次世代のエロ漫画が人気を博すようになり{{sfn|高月|2009|pp=158-159}}{{Sfn|稀見|2017|p=362}}、美少女漫画の始祖的存在であった[[吾妻ひでお]]は読者からの[[プレッシャー]]{{Sfn|大塚|吾妻|2005|p=11}}<ref>{{cite news|title=「おたく文化」の祖、体験ギャグで復活 漫画「[[失踪日記]]」の吾妻ひでおさん|newspaper=[[読売新聞]]・東京夕刊|date=2005-3-30|author=[[石田汗太]]}}</ref><ref>[[蛭児神建]](元)『出家日記―ある「おたく」の生涯』の中「『蛭児神建』を殺す」[[角川書店]] 2005年11月 pp.116-117</ref>に耐えきれず、二度の[[失踪日記|失踪事件や自殺未遂を私生活で起こす]]など初期のロリコン漫画を支えた先駆的作家の多くは世代交代の波に揉まれるなどして消えていくことを余儀なくされた。ロリコン漫画界では最古参の[[谷口敬]]も「まあ、これで谷口敬の役目は終わったのでありましょう。もはや初期のロリコン漫画の実験的な雰囲気は薄れ、マイナーなものがメジャーへと躍り出るとき、どうしても数の多い方へと移行せざるを得ないのは自然なことであります。『ロリコン漫画』がエロ主体の『美少女コミック』に変質していった、そんな時代でありました…」と行き場を失った当時の状況を述懐している<ref>{{Wayback |url=http://mizunotawamure.sa-kon.net/tanko-bon1.html|title=谷口敬のホームページ「水の戯れ」から単行本『フリップ・フロップ3』解説|date=20131128081311}} - [[谷口敬]]の旧サイトのアーカイブ</ref>。
 
* [[美少女コミック]] - とは、[[1980年代]]にロリコン漫画から派生した漫画の[[ジャンル]]。美少女コミック研究家の[[稀見理都]]は「時代と共に変化する不定系の言葉」と前置きをしたうえで「美少女キャラクターをストーリーの中心に据え、彼女たちの美しさ、愛らしさ、健気さ、たくましさ、などの活躍を描くマンガの総称」と定義している{{Sfn|稀見|2017|p=360}}。ちなみに「美少女コミック」という名称の名付け親は[[吾妻ひでお]]とされ、日本初の美少女コミック誌『[[レモンピープル]]』([[あまとりあ社]])1982年6月号から用いられるようになった。なお同誌は創刊当初「ロリコン・コミック」を自称していたが、この名称が気に入らなかった吾妻が「美少女コミック」と言う名称を提案し、採用されたと言われている{{Sfn|稀見|2017|p=361}}。}}
 
[[大塚英志]]は「[[吾妻ひでお]]が忘れられた理由」について[[1992年]]に[[太田出版]]から刊行された『[[夜の魚]]』の解説で以下のように述べている{{Sfn|大塚|1992}}。
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== 参考文献 ==
=== 単行本・ムック ===
** [[蛭児神建]]責任編集・監修『[https://www.cyzo.com/2012/11/post_11850_entry.html ロリコン大全集]』編集発行:[[群雄社出版|群雄社出版株式会社]]/発売:都市と生活社 1982年5月31日{{Efn|[[吾妻ひでお]]、[[内山亜紀]]、[[米澤嘉博|米沢嘉博]]、[[蛭児神建]]、[[高取英]]、[[谷口敬]]、[[杉浦日向子]]、[[さべあのま]]、[[早坂未紀]]、[[青山正明]]、[[近藤昌良]]、[[孤ノ間和歩]]、[[千之ナイフ]]、[[赤井孝美]]、[[女子高生]]など多彩な人材が集った[[ロリコンブーム]]の集大成本。初版2万3千部は完売し、1982年末までに4万部を発行した{{Sfn|高取|1982|p=140}}。本書は蛭児神建が責任編集・監修という名目だが、実質的には[[群雄社]]の[[川本耕次]]と[[小形克宏|緒方源次郎(小形克宏)]]によって編集された<ref name="kawamoto 182"/>{{Sfn|高取|1982|p=146}}{{Sfn|高取|1982|p=141}}。主に少女写真やコミックのほか、ロリコン用語の基礎知識(米沢嘉博)、[[女子高生]][[座談会]]、[[少女愛]]の[[社会学]]・[[考現学]]を多角的に分析した評論などが掲載されている。付録にロリーポップ[[着せ替え人形]]、ろりろりシール、ロリコンカセットレーベル、蛭児神の同人誌『幼女嗜好』出張版付き。吾妻が寄稿した『仁義なき黒い太陽 ロリコン篇』は美少女が一切登場せず<ref>[http://www.kurata-wataru.com/ruin/ruinb15c.html#110521 川本耕次(&竹熊健太郎)トークイベント(2011年05月21日)] - 倉田わたるの廃墟通信</ref>、1982年当時のロリコン漫画界の諸相を[[ヤクザ映画|任侠映画]]風の[[パスティーシュ]]という形で描き出した作品である([[河出書房新社]]刊『ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお』に再録)<ref name="kawamoto 182"/>。}}
* [[蛭児神建]]責任編集・監修『[https://www.cyzo.com/2012/11/post_11850_entry.html ロリコン大全集]』編集発行:[[群雄社出版|群雄社出版株式会社]]/発売:都市と生活社 1982年5月31日
* [[高桑常寿]]+[[ふゅーじょんぷろだくと (雑誌)|ふゅーじょんぷろだくと]]編『ロリコン白書―ロリコン同人誌ベスト集成』編集発行:エンドレス企画/発売:[[白夜書房]] 1982年7月{{Efn|ふゅーじょんぷろだくと編集部「パワーの時代」(協力:[[志水一夫]])}}
** [[吾妻ひでお]]、[[内山亜紀]]、[[米澤嘉博|米沢嘉博]]、[[蛭児神建]]、[[高取英]]、[[谷口敬]]、[[杉浦日向子]]、[[さべあのま]]、[[早坂未紀]]、[[青山正明]]、[[近藤昌良]]、[[孤ノ間和歩]]、[[千之ナイフ]]、[[赤井孝美]]、[[女子高生]]など多彩な人材が集った[[ロリコンブーム]]の集大成本。初版2万3千部は完売し、1982年末までに4万部を発行した{{Sfn|高取|1982|p=140}}。本書は蛭児神建が責任編集・監修という名目だが、実質的には[[群雄社]]の[[川本耕次]]と[[小形克宏|緒方源次郎(小形克宏)]]によって編集された<ref name="kawamoto 182"/>{{Sfn|高取|1982|p=146}}{{Sfn|高取|1982|p=141}}。主に少女写真やコミックのほか、ロリコン用語の基礎知識(米沢嘉博)、[[女子高生]][[座談会]]、[[少女愛]]の[[社会学]]・[[考現学]]を多角的に分析した評論などが掲載されている。付録にロリーポップ[[着せ替え人形]]、ろりろりシール、ロリコンカセットレーベル、蛭児神の同人誌『幼女嗜好』出張版付き。吾妻が寄稿した『仁義なき黒い太陽 ロリコン篇』は美少女が一切登場せず<ref>[http://www.kurata-wataru.com/ruin/ruinb15c.html#110521 川本耕次(&竹熊健太郎)トークイベント(2011年05月21日)] - 倉田わたるの廃墟通信</ref>、1982年当時のロリコン漫画界の諸相を[[ヤクザ映画|任侠映画]]風の[[パスティーシュ]]という形で描き出した作品である([[河出書房新社]]刊『ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお』に再録)<ref name="kawamoto 182"/>。
* [[高桑常寿]]+[[ふゅーじょんぷろだくと (雑誌)|ふゅーじょんぷろだくと]]編『ロリコン白書―ロリコン同人誌ベスト集成』編集発行:エンドレス企画/発売:[[白夜書房]] 1982年7月
** ふゅーじょんぷろだくと編集部「パワーの時代」(協力:[[志水一夫]])
* [[別冊宝島]]104『おたくの本』[[宝島社|JICC出版局]] 1989年12月
**{{Cite journal|和書|author=[[土本亜理子]]|title=ロリコン、二次コン、人形愛―架空の美少女に託された共同幻想|publisher=JICC出版局|journal=別冊宝島|volume=104|pages=102 - 115|ref={{SfnRef|土本|1989}}}}
* [[吾妻ひでお]]『[[夜の魚]]』[[太田出版]](太田COMICS 芸術漫画叢書)1992年9月(担当者:[[大塚英志]])<ref>[https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1186425886779686912 大塚英志のツイート] 2019年10月22日</ref>{{Efn|吾妻ひでおの[[私小説]]的作品集。伝説的[[自販機本]]『少女アリス』や『[[マンガ奇想天外]]』掲載作品を収録。あとがき漫画『夜を歩く』(後に『[[失踪日記]]』の「夜の1」となる)は本書のための[[書き下ろし|描き下ろし]]([[大塚英志]]に『夜を歩く』の原稿を[[宅配便]]で送ったその足で再び[[失踪]]した)<ref>大塚英志+ササキバラ・ゴウ『教養としての〈まんが・アニメ〉』講談社〈講談社現代新書〉2001年、106-107頁。ISBN 978-4061495531</ref>。巻末解説は大塚英志、[[いしかわじゅん]]、[[飯田耕一郎]]。本書出版当時の顛末については『[[新現実|Comic新現実]]』Vol.3で大塚が2005年に行った吾妻ひでおインタビューを参照されたい{{Sfn|大塚|吾妻|2005|p=11}}。}}
** 吾妻ひでおの[[私小説]]的作品集。伝説的[[自販機本]]『少女アリス』や『[[マンガ奇想天外]]』掲載作品を収録。あとがき漫画『夜を歩く』(後に『[[失踪日記]]』の「夜の1」となる)は本書のための[[書き下ろし|描き下ろし]]([[大塚英志]]に『夜を歩く』の原稿を[[宅配便]]で送ったその足で再び[[失踪]]した)<ref>大塚英志+ササキバラ・ゴウ『教養としての〈まんが・アニメ〉』講談社〈講談社現代新書〉2001年、106-107頁。ISBN 978-4061495531</ref>。巻末解説は大塚英志、[[いしかわじゅん]]、[[飯田耕一郎]]。本書出版当時の顛末については『[[新現実|Comic新現実]]』Vol.3で大塚が2005年に行った吾妻ひでおインタビューを参照されたい{{Sfn|大塚|吾妻|2005|p=11}}。
* [[辰巳出版]]『同人漫画大百科』1992年10月
**{{Cite journal|和書|author=米沢嘉博|author2=森野うさぎ|title=同人漫画家インタビュー [[森野うさぎ]]|journal=同人漫画大百科|pages=114 - 117|ref={{SfnRef|米沢|森野|1992}}}}
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* ササキバラ・ゴウ『〈美少女〉の現代史―「萌え」とキャラクター』講談社〈講談社現代新書〉2004年5月
* [[吉田正高]]『二次元美少女論―オタクの女神創造史』[[二見書房]] 2004年9月
** [[米澤嘉博|阿島俊]]『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 状況論とレビューで読むおたく史』[[久保書店]] 2004年9月{{Efn|[[米澤嘉博|米沢嘉博]]が阿島俊名義で『[[レモンピープル]]』創刊号(1982年2月号)から休刊号(1998年11月号)まで18年間にわたり計187回連載していた同人誌紹介記事に[[書き下ろし]]を加えて単行本化したもの。創刊当初のタイトルは「ロリコン同人誌ピックアップ」。1982年12月号のリニューアルから「同人誌エトセトラ」に改題。雑誌の性格上男性向け作品を中心としながら全ジャンルを対象とし、時には漫画同人誌の歴史にまでも言及した。休刊6年後の2004年9月、[[久保書店]]から350頁超の大著として刊行。記念すべき連載第1回目には『シベール』が取り上げられている。}}
* [[米澤嘉博|阿島俊]]『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 状況論とレビューで読むおたく史』[[久保書店]] 2004年9月
** [[コミックマーケット準備会]]『[https://www.comiket.co.jp/archives/30th/ コミックマーケット30’sファイル]』[[青林工藝舎]] 2005年7月{{Efn|2005年3月21日に[[東京ビッグサイト]]で開催された「30周年記念24耐(!?)コミケットスペシャル4」の際に刊行されたコミックマーケットの30周年史。現在はコミケット公式サイトにおいて[[Portable Document Format|PDFファイル]]が無料公開されている。}}
** [[米澤嘉博|米沢嘉博]]が阿島俊名義で『[[レモンピープル]]』創刊号(1982年2月号)から休刊号(1998年11月号)まで18年間にわたり計187回連載していた同人誌紹介記事に[[書き下ろし]]を加えて単行本化したもの。創刊当初のタイトルは「ロリコン同人誌ピックアップ」。1982年12月号のリニューアルから「同人誌エトセトラ」に改題。雑誌の性格上男性向け作品を中心としながら全ジャンルを対象とし、時には漫画同人誌の歴史にまでも言及した。休刊6年後の2004年9月、[[久保書店]]から350頁超の大著として刊行。記念すべき連載第1回目には『シベール』が取り上げられている。
* [[コミックマーケット準備会]]『[https://www.comiket.co.jp/archives/30th/ コミックマーケット30’sファイル]』[[青林工藝舎]] 2005年7月
** 2005年3月21日に[[東京ビッグサイト]]で開催された「30周年記念24耐(!?)コミケットスペシャル4」の際に刊行されたコミックマーケットの30周年史。現在はコミケット公式サイトにおいて[[Portable Document Format|PDFファイル]]が無料公開されている。
* [[蛭児神建|蛭児神建(元)]]『出家日記―ある「おたく」の生涯』角川書店 2005年11月
*{{Cite book|和書|date=2006-07-15|author=[[ヨコタ村上孝之]]|title=マンガは欲望する|publisher=[[筑摩書房]]|location=[[東京]]|isbn=978-4480873514|ref={{sfnref|ヨコタ村上|2006}}}}
* 吾妻ひでお『逃亡日記』[[日本文芸社]] 2007年1月
* [[難波功士]]『族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史』[[青弓社]] 2007年6月
* [[斎藤学 (精神科医)|家族機能研究所]]『アディクションと家族 第25巻2号―日本嗜癖行動学会誌』2008年8月 pp.107-112{{Efn|[[斎藤環]]「メディアとペドフィリア―ロリコン文化はいかに消費されたか―」(後に『博士の奇妙な成熟 サブカルチャーと社会精神病理』に再録)}}
** [[斎藤環]]「メディアとペドフィリア―ロリコン文化はいかに消費されたか―」(後に『博士の奇妙な成熟 サブカルチャーと社会精神病理』に再録)
* [[霜月たかなか]]『コミックマーケット創世記』[[朝日新聞出版]]〈[[朝日新書]]〉2008年12月/[[Kindle]]版 2013年6月
*{{Cite book|和書|date=2009-02-09|author=吉本たいまつ|title=おたくの起源|publisher=[[NTT出版]]|location=[[東京]]|isbn= 978-4-75714-209-1|ref={{sfnref|吉本|2009}}}}
*{{Cite book|和書|date=2009-10-07|author=高月靖|title=ロリコン―日本の少女嗜好者たちとその世界|publisher=[[バジリコ (出版社)|バジリコ]]|location=[[東京]]|isbn=978-4-86238-151-4|ref={{sfnref|高月|2009}}}}極めて広範な知見より考察された、密度の濃い研究書。 
** [[米澤嘉博|米沢嘉博]]『[[戦後エロマンガ史]]』青林工藝舎 2010年4月(担当者:[[浅川満寛]]){{Efn|漫画誌『[[ガロ (雑誌)|ガロ]]』の後継誌『[[アックス (雑誌)|アックス]]』(青林工藝舎)で長期連載された[[成人向け漫画|エロマンガ]]通史(未完)。戦後の[[カストリ雑誌]]から[[貸本漫画]]、[[エロ劇画誌|官能劇画]]、ロリコン漫画、[[レディースコミック]]を経て1990年代の美少女コミックと[[有害コミック騒動]]に至るまでの半世紀にわたる歴史をまとめあげた集大成にして決定版。}}
* [[米澤嘉博|米沢嘉博]]『[[戦後エロマンガ史]]』青林工藝舎 2010年4月(担当者:[[浅川満寛]])
** 漫画誌『[[ガロ (雑誌)|ガロ]]』の後継誌『[[アックス (雑誌)|アックス]]』(青林工藝舎)で長期連載された[[成人向け漫画|エロマンガ]]通史(未完)。戦後の[[カストリ雑誌]]から[[貸本漫画]]、[[エロ劇画誌|官能劇画]]、ロリコン漫画、[[レディースコミック]]を経て1990年代の美少女コミックと[[有害コミック騒動]]に至るまでの半世紀にわたる歴史をまとめあげた集大成にして決定版。
* [[KAWADE夢ムック]]『[[文藝]]別冊[総特集]吾妻ひでお 美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪』[[河出書房新社]] 2011年4月30日
**{{Cite journal|和書|author=[[吾妻ひでお]]|title=吾妻ひでお 2万5千字 ロングインタビュー 現代日本的美意識「かわいいエロ」の創造者|journal=文藝別冊[総特集]吾妻ひでお|pages=10 - 44|ref={{SfnRef|吾妻|2011}}}}
**{{Cite journal|和書|author=吾妻ひでお|author2=[[山本直樹]]|title=リスペクト対談:吾妻ひでお×山本直樹|journal=文藝別冊[総特集]吾妻ひでお|pages=138 - 154|ref={{SfnRef|吾妻|山本|2011}}}}
**{{Cite journal|和書|author=[[森川嘉一郎]]|title=吾妻ひでおはいかにして「おたく文化の祖」になったか|journal=文藝別冊[総特集]吾妻ひでお|pages=179 - 186|ref={{SfnRef|森川|2011}}}}{{Efn|本稿に引用された証言は、[[明治大学博物館]]における『[https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/pdf/2011azuma_p.pdf 吾妻ひでお美少女実験室]』展(2011年4月23日〜5月23日)に向けた調査のために、[[明治大学]][[准教授]]の[[森川嘉一郎]]が行った[[インタビュー]]に基づく。[[吾妻ひでお]]は2011年2月15日(同誌巻頭インタビューと併行して実施)、[[蛭児神建|蛭児神建(元)]]は同年2月25日、[[沖由佳雄]]は同年3月8日にそれぞれインタビューが行われた。}}
*** 本稿に引用された証言は、[[明治大学博物館]]における『[https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/pdf/2011azuma_p.pdf 吾妻ひでお美少女実験室]』展(2011年4月23日〜5月23日)に向けた調査のために、[[明治大学]][[准教授]]の[[森川嘉一郎]]が行った[[インタビュー]]に基づく。[[吾妻ひでお]]は2011年2月15日(同誌巻頭インタビューと併行して実施)、[[蛭児神建|蛭児神建(元)]]は同年2月25日、[[沖由佳雄]]は同年3月8日にそれぞれインタビューが行われた。
**{{Cite journal|和書|author=[[大塚英志]]|title=吾妻ひでおを再び「流通」させる理由|journal=文藝別冊[総特集]吾妻ひでお|pages=192 - 195|ref={{SfnRef|大塚|1992}}}}
* [[川本耕次]]『ポルノ雑誌の昭和史』[[ちくま新書]] 2011年10月{{Efn|[[三流劇画ブーム]]・[[ロリコンブーム]]の仕掛け人・[[川本耕次]]が書き下ろしたポルノ雑誌の昭和史。}}
* [[永山薫]]『[[エロマンガ・スタディーズ|増補 エロマンガ・スタディーズ「快楽装置」としての漫画入門]]』[[筑摩書房]]〈[[ちくま文庫]]〉2014年4月{{Efn|2006年11月に[[イースト・プレス]]より刊行された同名書籍に増補・加筆を加えて文庫化したもの。}}
** [[三流劇画ブーム]]・[[ロリコンブーム]]の仕掛け人・[[川本耕次]]が書き下ろしたポルノ雑誌の昭和史。
* [[永山薫]]『[[エロマンガ・スタディーズ|増補 エロマンガ・スタディーズ「快楽装置」としての漫画入門]]』[[筑摩書房]]〈[[ちくま文庫]]〉2014年4月
**{{Cite journal|和書|title=第一部 エロマンガ全史 第三章 美少女系エロ漫画の登場|pages=81 - 123|ref={{SfnRef|永山|2014}}}}
**{{Cite journal|和書|title=第二部 愛と性のさまざまなカタチ 第一章 ロリコン漫画|pages=128 - 159|ref={{SfnRef|永山|2014}}}}
** 2006年11月に[[イースト・プレス]]より刊行された同名書籍に増補・加筆を加えて文庫化したもの。
* [[おおこしたかのぶ]]『美少女マンガ創世記 ぼくたちの80年代』[[徳間書店]] 2014年9月
**{{Cite journal|和書|title=Column*02 新世代によるエロ漫画の躍進|pages=116 - 119|ref={{SfnRef|おおこし|2014}}}}
* 吾妻ひでお『ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド』[[復刊ドットコム]] 2015年2月{{Efn|『シベール』掲載作のうち単行本未収録となっていた『日ヘンの美子ちゃん 官能編』『赤ずきん・いん・わんだあらんど』を初収録。}}
** 『シベール』掲載作のうち単行本未収録となっていた『日ヘンの美子ちゃん 官能編』『赤ずきん・いん・わんだあらんど』を初収録。
* {{Cite book|和書|date=2015-12-30|author=[[藤脇邦夫]]|title=出版アナザーサイド ある始まりの終わり 1982-2015|publisher=[[本の雑誌社]]|location=[[東京]]|isbn=978-4-86011-280-6|ref={{sfnref|藤脇|2015}}}}
* 吾妻ひでお『ワンダー・AZUMA HIDEO・ランド2』復刊ドットコム 2016年3月{{Efn|無気力プロの頃を描いた『吾妻ひでお伝!』『絵日記』『無気力日記』『良いファン悪いファンとんでもないファン』『祝・ズッコケター御出版』ほか、同人誌『ALICE』『POCO』『シベール』『プチ・シベール』『はあどしゅ〜る』などのカットを収録<ref name="sano201603"/>。}}
** 無気力プロの頃を描いた『吾妻ひでお伝!』『絵日記』『無気力日記』『良いファン悪いファンとんでもないファン』『祝・ズッコケター御出版』ほか、同人誌『ALICE』『POCO』『シベール』『プチ・シベール』『はあどしゅ〜る』などのカットを収録<ref name="sano201603"/>。
* [[竹内オサム]]・[[西原麻里]]編著『世界文化シリーズ別巻2 マンガ文化55のキーワード』[[ミネルヴァ書房]] 2016年2月
* [[大塚英志]]『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』[[星海社文庫]] 2016年3月(装画:[[早坂未紀]]){{Efn|元『[[漫画ブリッコ]]』編集長の[[大塚英志]]による[[おたく]]論。『[[諸君!]]』([[文藝春秋]])で連載中断中だった「ぼくと宮崎勤の'80年代」を加筆・改稿して2004年2月に[[講談社現代新書]]から出版後、2007年3月に[[朝日新聞社]]より文庫化された同名書籍を底本とし、[[書き下ろし]]を加えて新書化したもの。}}
** 大塚英志『二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史』星海社文庫 2016年4月(装画:[[吾妻ひでお]]){{Efn|[[スタジオジブリ|スタジオジブリ出版部]]発行の広報誌『[[熱風 (スタジオジブリ)|熱風]]』2012年2月号から2014年6月号にかけて発表された同名連載を加筆修正のうえ新書化したもの。}}
** 元『[[漫画ブリッコ]]』編集長の[[大塚英志]]による[[おたく]]論。『[[諸君!]]』([[文藝春秋]])で連載中断中だった「ぼくと宮崎勤の'80年代」を加筆・改稿して2004年2月に[[講談社現代新書]]から出版後、2007年3月に[[朝日新聞社]]より文庫化された同名書籍を底本とし、[[書き下ろし]]を加えて新書化したもの。
* 大塚英志『二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史』星海社文庫 2016年4月(装画:[[吾妻ひでお]])
** [[スタジオジブリ|スタジオジブリ出版部]]発行の広報誌『[[熱風 (スタジオジブリ)|熱風]]』2012年2月号から2014年6月号にかけて発表された同名連載を加筆修正のうえ新書化したもの。
* [[稀見理都]]『エロマンガノゲンバ』[[三才ブックス]] 2016年12月
* [[北田暁大]]+[[解体研]]『社会にとって趣味とは何か 文化社会学の方法規準』[[河出書房新社]]〈[[河出ブックス]]〉2017年3月
* [[宮本直毅 (ライター)|宮本直毅]]『エロゲー文化研究概論 増補改訂版』総合科学出版 2017年5月
*{{Cite journal|和書|author=[[稀見理都]]|title=補遺2『美少女コミック』と『エロマンガ』の違い|date=2017-11|publisher=[[太田出版]]|journal=[[エロマンガ表現史]]|pages=360 - 362|ref={{SfnRef|稀見|2017}}}}
** 吾妻ひでお『陽射し -reissue-』復刊ドットコム 2017年11月{{Efn|[[奇想天外社]]版『陽射し』(1981年)を再構成した復刻愛蔵版。1979〜1984年頃にかけて吾妻ひでおが発表した美少女漫画群を「少女アリス篇」「コミケ篇」「一般誌篇」の三章に分けて収録<ref>[[奇想天外社]]版『陽射し』(1981年)に収録された「さまよえる魂」は諸般の事情により未収録となっている。</ref>。吾妻による「著者解題」は本書のための[[書き下ろし]]<ref>[http://azumahideosakuhin3arasuji.web.fc2.com/homepage2015/hizashi-reissue.html 陽射し -reissue-] - 吾妻ひでお作品のあらすじ2</ref>。}}
* 吾妻ひでお『陽射し -reissue-』復刊ドットコム 2017年11月
** [[奇想天外社]]版『陽射し』(1981年)を再構成した復刻愛蔵版。1979〜1984年頃にかけて吾妻ひでおが発表した美少女漫画群を「少女アリス篇」「コミケ篇」「一般誌篇」の三章に分けて収録<ref>[[奇想天外社]]版『陽射し』(1981年)に収録された「さまよえる魂」は諸般の事情により未収録となっている。</ref>。吾妻による「著者解題」は本書のための[[書き下ろし]]<ref>[http://azumahideosakuhin3arasuji.web.fc2.com/homepage2015/hizashi-reissue.html 陽射し -reissue-] - 吾妻ひでお作品のあらすじ2</ref>。
 
=== 雑誌 ===
* [[みのり書房]]『[[月刊OUT]]』1978年8月号「吾妻ひでおのメロウな世界」(担当者:[[川本耕次]]+[[米澤嘉博|米沢嘉博]])<ref>KAWADE夢ムック『文藝別冊[総特集]吾妻ひでお』 河出書房新社、2011年4月30日、16頁</ref>
* [[アリス出版]]『グルーピー』1980年頃([[自販機本]]のため発行年月日記載なし){{Efn|[[米澤嘉博|米沢嘉博]]が企画した[[アリス (不思議の国のアリス)|アリス]]特集(掲載号不明)で『シベール』を商業誌初紹介。}}
** [[米澤嘉博|米沢嘉博]]が企画した[[アリス (不思議の国のアリス)|アリス]]特集(掲載号不明)で『シベール』を商業誌初紹介
* みのり書房『月刊OUT』1980年12月号
** [[米澤嘉博|米沢嘉博]]「病気の人のためのマンガ考現学・第1回/ロリータコンプレックス」
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*{{Cite journal|和書|author=[[志水一夫|原丸太]]|title=ロリコン同人誌レビュー 幻の『シベール』伝説にはじまるロリコン同人誌の覚醒期を経て今日のブーム到来までをロリコン雑誌研究家・原丸太がドキュメント|pages=116 - 117|ref={{SfnRef|原|1982}}}}
* みのり書房『月刊OUT』1982年4月号
** 米沢嘉博「ロリコンブームに物もうす」{{Efn|[[二次元コンプレックス]]に警鐘を鳴らす記事。最下段にそれまでの流れも概説。}}
* 徳間書店『[[アニメージュ]]』1982年5月号
** アニメージュ編集部「ここまで来た『ロリコン』ブーム。その最前線を追う!」<ref>https://soorce.hatenablog.com/entry/20061110/p1</ref>
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=== 論文 ===
* 木下信一『[http://www.hp-alice.com/lcj/ronbun/article2004.pdf 日本のサブカルチャーにおける《ルイス・キャロル=ロリータ・コンプレックス》像の定着史]』[http://www.hp-alice.com/lcj/subculture.html 日本ルイス・キャロル協会]編『Mischmasch』Vol.7, pp.74-95, 2004年。{{Efn|キャロル論だが、貴重なロリコン史概説をふくむ。}}
* [http://renaissanceman.jp/clarissecrisis/ 一ノ瀬健太]『[http://renaissanceman.jp/iccchiiiiii/clarissecrisis.pdf クラリス・クライシス ─なぜ日本でロリコン文化が花開いたのか?─]』[[東京藝術大学]][[修士論文]] 2015年
* Mark McLelland編『The End of Cool Japan―Ethical, Legal, and Cultural Challenges to Japanese Popular Culture』[[ラウトレッジ|Routledge]] 2016年8月
** Patrick W. Galbraith「[https://www.academia.edu/28693090/The_Lolicon_Guy_Some_Observations_on_Researching_Unpopular_Topics_in_Japan “The Lolicon guy”―some observations on researching unpopular topics in Japan]」{{Efn|[[専修大学]]講師で[[文化人類学|文化人類学者]]のPatrick W. Galbraith([[パトリック・W・ガルブレイス]])による[[おたく]]文化論。[[日本]]における[[ロリコンブーム]]とその周辺の[[サブカルチャー]]が多角的に分析されている。}}
** [[専修大学]]講師で[[文化人類学|文化人類学者]]のPatrick W. Galbraith([[パトリック・W・ガルブレイス]])による[[おたく]]文化論。[[日本]]における[[ロリコンブーム]]とその周辺の[[サブカルチャー]]が多角的に分析されている。
 
=== 同人誌 ===
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* [[望月智充]]編『[http://www.burikko.net/people/anicom.html 別冊アニコム 少女愛好家のために]』早稲田大学アニメーション同好会 1981年10月
** 小俣誠+佐野邦彦「こうして私は同人誌した──吾妻ひでお・高橋葉介・高橋留美子・同人誌作品カタログ」
* [[緑沢みゆき]]・[[孤ノ間和歩|このま和歩]]ほか『[https://ekizo.mandarake.co.jp/auction/item/itemInfoJa.html?index=347235 でんでんむすめ]』このま和歩FC 1982年11月{{Efn|[[孤ノ間和歩]]の『シベール』時代の人気キャラなどを特集したファン同人誌。}}
** [[孤ノ間和歩]]の『シベール』時代の人気キャラなどを特集したファン同人誌
* [[米澤英子]]ほか『米澤嘉博に花束を』[[虎馬書房]] 2007年8月
* [https://web.archive.org/web/20081223173859/http://ameblo.jp/yeshouse/ Up-Beat Underground]『懐かしの同人誌:郷愁同人誌専門マガジン』VOLUME.1(70年代〜1985 収集記録)2008年5月
* みぐぞう『くりいむレモン毒本』華ディスコ 2017年11月
* 漫画の手帖事務局『漫画の手帖』79号(2020年4月)
* 降間『[https://ci-en.dlsite.com/creator/1503/article/347831 ロリコンブームの後を追って]』暗黒拠点月 2020年8月初版 / 2021年6月増補改訂{{Efn|『シベール』全号の各作品評ほか、当時の資料や[[ムック (出版)|ムック]]を手広く引用し、1980年代初頭までの[[ロリコンブーム]]を概観・整理・分析した一冊。}}
* [[白根こま]]『現代獣耳研究 VOL.1〜2』S猫出版部 2020年8月{{Efn|『シベール』における獣耳作品について詳述あり。}}
** 『シベール』全号の各作品評ほか、当時の資料や[[ムック (出版)|ムック]]を手広く引用し、1980年代初頭までの[[ロリコンブーム]]を概観・整理・分析した一冊。
* [[白根こま]]『現代獣耳研究 VOL.1〜2』S猫出版部 2020年8月
** 『シベール』における獣耳作品について詳述あり
 
=== WEBサイト ===
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== 関連項目 ==
* [[機動戦士ガンダム]] - {{Efn|『シベール』創刊前日(1979年4月7日)に[[名古屋テレビ]]他で放送開始された[[テレビアニメ]]。[[沖由佳雄]]は「最初の号をコピーに持って行かなきゃというときに『ガンダム』の第1話が始まったのは覚えてますね」と回想している<ref name='comike30 242'/>。その後、折からのガンダムブームで『シベール』でもたびたび同作の[[パロディ]]が登場するようになる。また同誌から派生した[[蛭児神建]]の[[同人誌]]『幼女嗜好』や『シベール』臨時増刊号『[[#書誌情報|アニベール]]』の表紙にも[[キッカ・キタモト]]の[[ヌード]][[イラストレーション|イラスト]]が象徴的に描かれた。なお『ガンダム』の[[キャラクターデザイン]]および[[作画監督]]を務めた[[安彦良和]]は[[吾妻ひでお]]の[[ファン]]であり、文庫版『[[地を這う魚|地を這う魚 ひでおの青春日記]]』([[角川文庫]]・2011年)に「あとがき漫画」を寄稿しているほか、[[漫画雑誌]]『[[月刊COMICリュウ]]』([[徳間書店]])が主催する「[[龍神賞]]」の選考委員を、第1回から第13回まで吾妻と共に務めていた経験などがある。}}
* [[ニューウェーブ (漫画)|ニューウェーブ]] - {{Efn|[[1975年]]〜[[1978年]]頃<ref>阿島俊『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 状況論とレビュ-で読むおたく史』 P21</ref>に始まった[[コミックマーケット|コミケット]]周辺の[[同人誌]]ブーム、[[三流劇画ブーム]]、マニア誌ブーム([[ニューウェーブ (漫画)|マイナー漫画誌]]、[[漫画情報誌|まんが情報誌]]、[[アニメ雑誌]]、[[三流劇画誌]]、[[自販機本]]){{Sfn|米沢|1992|pp=124-125}}時に活躍した既成の枠に囚われない新しいスタイルの漫画家([[吾妻ひでお]]、[[いしかわじゅん]]、[[大友克洋]]、[[高野文子]]、[[ひさうちみちお]]、[[いしいひさいち]]、[[宮西計三]]、[[高橋葉介]]、[[さべあのま]]、[[柴門ふみ]]、[[近藤ようこ]]、[[高橋留美子]]、[[吉田秋生]]、[[森脇真末味]]、[[ますむらひろし]]、[[川崎ゆきお]]、[[諸星大二郎]]、[[蛭子能収]]ら)が一躍注目された非メジャー漫画界のオルタナティヴな潮流を指す。特にそれまで大手出版社の[[漫画雑誌]]で活動していた[[吾妻ひでお]]は1978年から三流SF少年誌『[[Peke]]』([[みのり書房]])や[[自販機本]]『[[劇画アリス]]』([[アリス出版]])などのマイナー誌にマニアックな不条理SF作品を次々と発表するようになり、SF専門誌『[[奇想天外 (SF雑誌) #第2期|別冊奇想天外・SFマンガ大全集PART2]]』([[奇想天外社]])に発表した『[[不条理日記]]』が第10回(1979年)[[星雲賞]]コミック部門を受賞、ニューウェーブ作家としての地位を確立することになる<ref>[[ササキバラ・ゴウ]]『〈美少女〉の現代史―「萌え」とキャラクター』講談社〈講談社現代新書〉2004年5月 pp.29-31</ref>。}}
* [[美少女コミック]] - [[1980年代]]にロリコン漫画から派生した漫画の[[ジャンル]]。美少女コミック研究家の[[稀見理都]]は「時代と共に変化する不定系の言葉」と前置きをしたうえで「美少女キャラクターをストーリーの中心に据え、彼女たちの美しさ、愛らしさ、健気さ、たくましさ、などの活躍を描くマンガの総称」と定義している{{Sfn|稀見|2017|p=360}}。ちなみに「美少女コミック」という名称の名付け親は[[吾妻ひでお]]とされ、日本初の美少女コミック誌『[[レモンピープル]]』([[あまとりあ社]])1982年6月号から用いられるようになった。なお同誌は創刊当初「ロリコン・コミック」を自称していたが、この名称が気に入らなかった吾妻が「美少女コミック」と言う名称を提案し、採用されたと言われている{{Sfn|稀見|2017|p=361}}。
* [[翔べ翔べドンキー]] - {{Efn|1979年に『[[月刊プリンセス]]』([[秋田書店]])で連載された[[吾妻ひでお]]の[[少女漫画]]。連載開始翌月に『シベール』が創刊されている。吾妻によれば本作は「男性向けに描いた[[少女漫画]]」とのこと<ref>[[吾妻ひでお]]『[[翔べ翔べドンキー]]』([[秋田書店]] 1980年)作者コメントより。</ref>。}}
* [[ニューウェーブ (漫画)|ニューウェーブ]] - [[1975年]]〜[[1978年]]頃<ref>阿島俊『漫画同人誌エトセトラ'82〜'98 状況論とレビュ-で読むおたく史』 P21</ref>に始まった[[コミックマーケット|コミケット]]周辺の[[同人誌]]ブーム、[[三流劇画ブーム]]、マニア誌ブーム([[ニューウェーブ (漫画)|マイナー漫画誌]]、[[漫画情報誌|まんが情報誌]]、[[アニメ雑誌]]、[[三流劇画誌]]、[[自販機本]]){{Sfn|米沢|1992|pp=124-125}}時に活躍した既成の枠に囚われない新しいスタイルの漫画家([[吾妻ひでお]]、[[いしかわじゅん]]、[[大友克洋]]、[[高野文子]]、[[ひさうちみちお]]、[[いしいひさいち]]、[[宮西計三]]、[[高橋葉介]]、[[さべあのま]]、[[柴門ふみ]]、[[近藤ようこ]]、[[高橋留美子]]、[[吉田秋生]]、[[森脇真末味]]、[[ますむらひろし]]、[[川崎ゆきお]]、[[諸星大二郎]]、[[蛭子能収]]ら)が一躍注目された非メジャー漫画界のオルタナティヴな潮流を指す。特にそれまで大手出版社の[[漫画雑誌]]で活動していた[[吾妻ひでお]]は1978年から三流SF少年誌『[[Peke]]』([[みのり書房]])や[[自販機本]]『[[劇画アリス]]』([[アリス出版]])などのマイナー誌にマニアックな不条理SF作品を次々と発表するようになり、SF専門誌『[[奇想天外 (SF雑誌) #第2期|別冊奇想天外・SFマンガ大全集PART2]]』([[奇想天外社]])に発表した『[[不条理日記]]』が第10回(1979年)[[星雲賞]]コミック部門を受賞、ニューウェーブ作家としての地位を確立することになる<ref>[[ササキバラ・ゴウ]]『〈美少女〉の現代史―「萌え」とキャラクター』講談社〈講談社現代新書〉2004年5月 pp.29-31</ref>。
* [[川本耕次]] - {{Efn|[[吾妻ひでお]]の担当編集者。[[三流劇画ブーム]]・[[ロリコンブーム]]の仕掛け人といわれる<ref name="kawamoto112"/><ref name="fus zadankai"/>。[[コミックマーケット]]の創設母体となった「[[迷宮 (同人サークル)|迷宮]]」に学生時代から出入りし、[[米澤嘉博|米沢嘉博]]や[[青葉伊賀丸]]と共に[[三流劇画ブーム]]を牽引する<ref>[[米澤嘉博|米沢嘉博]]『戦後エロマンガ史』青林工藝舎 2010年4月 221-223頁</ref>。その後、大学在学中に入社した[[みのり書房]]で『[[月刊OUT]]』1978年8月号の特集「吾妻ひでおのメロウな世界」を担当し、先駆的な[[ニューウェーブ (漫画)|ニューウェーブ漫画誌]]『[[Peke]]』を創刊する。同誌では吾妻の『[[ななこSOS#概要|どーでもいんなーすぺーす]]』([[奇想天外社|奇想天外コミックス]]『パラレル狂室』ほか収録)を担当したほか<ref name="netgerila20181125"/>、[[内山亜紀]]と[[さべあのま]]をデビューさせ<ref name="fus zadankai"/>、大学時代からの知人であった[[日野日出志]]を復活させる<ref>川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書 2011年 37頁</ref>。同誌廃刊後は[[アリス出版]]に移籍してロリコンブームの火付け役となった[[自販機本]]『少女アリス』の2代目[[編集長]]に就任し、同誌で吾妻に美少女漫画を初依頼して「純文学シリーズ」(1980年)を描かせた<ref name="kawamoto112"/>。後に吾妻は『[[失踪日記]]』で「私の転機ともいえる作品を描く時に現れる幸運を運ぶ人」と川本について語っている<ref>[[吾妻ひでお]]『[[失踪日記]]』[[イースト・プレス]] 2005年3月 142頁</ref>。主な著書に『ポルノ雑誌の昭和史』([[ちくま新書]])ほか多数。}}
* [[翔べ翔べドンキー]] - 1979年に『[[月刊プリンセス]]』([[秋田書店]])で連載された[[吾妻ひでお]]の[[少女漫画]]。連載開始翌月に『シベール』が創刊されている。吾妻によれば本作は「男性向けに描いた[[少女漫画]]」とのこと<ref>[[吾妻ひでお]]『[[翔べ翔べドンキー]]』([[秋田書店]] 1980年)作者コメントより。</ref>。
* [[お色気漫画]] - {{Efn|1970〜80年代に流行した軽度の性的描写を含む[[少年漫画]]・[[青年漫画]]のこと([[エロ劇画誌|エロ劇画]]は含まない)。[[永井豪]]の『[[ハレンチ学園]]』を端緒とする。1970年代の代表作品に『[[あばしり一家]]』『[[やけっぱちのマリア]]』『[[モーレツ先生]]』『[[あらし!三匹]]』『[[ふたりと5人]]』『[[やけくそ天使]]』『[[ドッキリ仮面]]』『[[女だらけ]]』『[[スケ番あらし]]』『[[快感ぱあマント]]』『[[おじゃまユーレイくん]]』などがある。}}
* [[川本耕次]] - [[吾妻ひでお]]の担当編集者。[[三流劇画ブーム]]・[[ロリコンブーム]]の仕掛け人といわれる<ref name="kawamoto112"/><ref name="fus zadankai"/>。[[コミックマーケット]]の創設母体となった「[[迷宮 (同人サークル)|迷宮]]」に学生時代から出入りし、[[米澤嘉博|米沢嘉博]]や[[青葉伊賀丸]]と共に[[三流劇画ブーム]]を牽引する<ref>[[米澤嘉博|米沢嘉博]]『戦後エロマンガ史』青林工藝舎 2010年4月 221-223頁</ref>。その後、大学在学中に入社した[[みのり書房]]で『[[月刊OUT]]』1978年8月号の特集「吾妻ひでおのメロウな世界」を担当し、先駆的な[[ニューウェーブ (漫画)|ニューウェーブ漫画誌]]『[[Peke]]』を創刊する。同誌では吾妻の『[[ななこSOS#概要|どーでもいんなーすぺーす]]』([[奇想天外社|奇想天外コミックス]]『パラレル狂室』ほか収録)を担当したほか<ref name="netgerila20181125"/>、[[内山亜紀]]と[[さべあのま]]をデビューさせ<ref name="fus zadankai"/>、大学時代からの知人であった[[日野日出志]]を復活させる<ref>川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書 2011年 37頁</ref>。同誌廃刊後は[[アリス出版]]に移籍してロリコンブームの火付け役となった[[自販機本]]『少女アリス』の2代目[[編集長]]に就任し、同誌で吾妻に美少女漫画を初依頼して「純文学シリーズ」(1980年)を描かせた<ref name="kawamoto112"/>。後に吾妻は『[[失踪日記]]』で「私の転機ともいえる作品を描く時に現れる幸運を運ぶ人」と川本について語っている<ref>[[吾妻ひでお]]『[[失踪日記]]』[[イースト・プレス]] 2005年3月 142頁</ref>。主な著書に『ポルノ雑誌の昭和史』([[ちくま新書]])ほか多数。
* [[お色気漫画]] - 1970〜80年代に流行した軽度の性的描写を含む[[少年漫画]]・[[青年漫画]]のこと([[エロ劇画誌|エロ劇画]]は含まない)。[[永井豪]]の『[[ハレンチ学園]]』を端緒とする。1970年代の代表作品に『[[あばしり一家]]』『[[やけっぱちのマリア]]』『[[モーレツ先生]]』『[[あらし!三匹]]』『[[ふたりと5人]]』『[[やけくそ天使]]』『[[ドッキリ仮面]]』『[[女だらけ]]』『[[スケ番あらし]]』『[[快感ぱあマント]]』『[[おじゃまユーレイくん]]』などがある。
 
== 脚注 ==