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{{特殊文字}}
{{アラビア文字 (語末形のみ)}}
歴史的には {{lang|ar|[[ه]]'''ة'''}} (ター・マルブータ, {{lang|ar|تاء مربوطة}})は[[تアラビア文字]]}}のひとつ。歴史的には ه と ت の点つけ融合させたものであり後代になってから創案されたので、28ないし29あるとされる独立したアルファベットの一文字に含められることはないのが普通である。一般に知られている文字名のター・マルブータは「結ばれた{{lang|ar|[[ت]]}}」を意味し、この文字の形状が {{lang|ar|ت}} を丸めたように見えることに由来する通称である。アラビア語文法の用語としては「女性化の{{lang|ar|[[ه]]}}」を意味するハー・アッ=タアニース({{lang|ar|هاء(هاء التأنيث}})التأنيث)と呼ばれる。
{{lang|ar|'''ة'''}} (ター・マルブータ, {{lang|ar|تاء مربوطة}})は[[アラビア文字]]のひとつ。
 
[[名詞]]、[[形容詞]]、能動分詞、受動分詞、[[数詞]]等(アラビア語ではこれらは全てاسم(ism,イスム)すなわち「名詞」として分類される)の語尾につくことでその語を[[女性形]]に変化させる(例:[[ムスリム]] {{lang|ar|مسلم}} → [[ムスリマ]] {{lang|ar|مسلمة}})などする。これ以外にも集合名詞の単数化、行為の1回分の回数表示、意味の強調(男性を強調しているこの用法ではター・マルブータがついていても男性扱いされる)にも用いられる。
 
ター・マルブータが語末に来る語では直前にある文字の母音価を a にすとなる。直前に長母音 ā が来る語もしばしば見られる。
 
古典的なアラビア語では女性語尾が ـَهْ(-ah)と ـَتْ(-at)の2種類があったがその後統合され ه の上に ت の弁別点2個をつけた ة(tā’ marbūṭa(h),ター・マルブータ)が作られた。初期のアラビア語では、後者を優先させて女性名詞の語尾を実際の発音にかかわらず {{lang|ar|ه}} で表すのが一種の正書法となっており、[[クルアーン]]の本文もこの方法で記されたが、後にクルアーンを正確に読む必要から、 t 音になることのある {{lang|ar|ه}} には {{lang|ar|ت}} と同じ点をつけて {{lang|ar|ة}} とするようになった。
音価は直後に息継ぎする休止の場合は -h 、息継ぎせず後続の語もつなげて読む場合は -t となる。しかし現代の会話アラビア語ではター・マルブータ部分を読み飛ばすことが行われており、t 音は属格構文(イダーファ構文)の時のみ読まれるのが普通になっている。ただし現代会話に関しては、ター・マルブータの直前に長母音 ā が来る語ではイダーファ構文でなく単体であっても t を発音することがしばしばある。また名詞対格の副詞的用法に関してはタンウィーンも含めて -tan と読むことが多い。
 
ター・マルブータは「結ばれたター」「縛られたター」という意味で ت を丸めた形状のことを指すが、現代でも古典的アラビア語の発音を継承している。音価は直後に息継ぎする休止(ワクフ)形の場合は -h 、息継ぎせず後続の語もつなげて読む(ワスル)場合は -t となる。
初期のアラビア語では、後者を優先させて女性名詞の語尾を実際の発音にかかわらず {{lang|ar|ه}} で表すのが一種の正書法となっており、[[クルアーン]]の本文もこの方法で記されたが、後にクルアーンを正確に読む必要から、 t 音になることのある {{lang|ar|ه}} には {{lang|ar|ت}} と同じ点をつけて {{lang|ar|ة}} とするようになった。
 
しかし現代の会話アラビア語ではター・マルブータ部分を読み飛ばすことが行われており、休止形でh音を発音せず直前の短母音aまでしか発音しない。t 音は属格構文(イダーファ構文)の時のみ読まれるのが普通になっている。
歴史的には {{lang|ar|[[ه]]}} に {{lang|ar|[[ت]]}} の点をつけたものであり、28ないし29あるとされる独立したアルファベットの一文字に含められないのが普通である。一般に知られている文字名のター・マルブータは「結ばれた{{lang|ar|[[ت]]}}」を意味し、この文字の形状が {{lang|ar|ت}} を丸めたように見えることに由来する通称である。アラビア語文法の用語としては「女性化の{{lang|ar|[[ه]]}}」を意味するハー・アッ=タアニース({{lang|ar|هاء التأنيث}})と呼ばれる。
 
音価は直後に息継ぎする休止の場合は -h 、息継ぎせず後続の語もつげて読む場合は -t となる。しかし現代の会話アラビア語ではター・マルブータ部分を読み飛ばすことが行われてり、t 音は属格構文(イダーファ構文)の時のみ読まれるのが普通になっている。ただし現代会話に関しては、ター・マルブータの直前に長母音 ā が来る語ではイダーファ構文でなく単体であっても t を発音することがしばしばある。また現代フスハー会話であっても名詞対格の副詞的用法に関してはタンウィーンも含めて -tan と読むことが多い一般的である
 
また[[アラビア書道]]など、[[カリグラフィー]]の[[書体]]によっては語頭および語中形の {{lang|ar|[[ت]]}} と似た字形で書かれることもある。アラビア語では元々ター・マルブータが来るべき語であってもオスマン語由来の人名(例:فرحت رفأت مدحت)では開いたターで表記する。