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'''ヴィンランド'''(Vinland)は、かつて存在した[[北アメリカ]]の地名。[[ヴァイキング]]の[[レイフ・エリクソン]]が名付けたとされる。『[[赤毛のエイリークルのサガ]]<ref>「赤毛のエイリークルのサガ」清水育男訳、『アイスランドのサガ』所収、菅原邦城ほか訳、[[東海大学出版会]]、2001年</ref>』(Saga of Eric the Red)および『[[グリーンランド人のサガ]]<ref>「グリーンランド人のサガ」谷口幸男訳、『サガ選集』所収、日本アイスランド学会編訳、東海大学出版会、1991年</ref>』(Grœnlendinga saga)にその発見と入植の物語が記されている。[[Image:Vinland_Map_HiRes.jpg|thumb|{{仮リンク|ヴィンランド地図|en|Vinland map}}、ヴィンランドの入った中世の世界地図。13世紀のオリジナルを15世紀に模写したとされたが、19世紀末の北極探検でしか知り得なかったグリーンランド全体図が書かれているなどの不審な点が指摘され、科学的調査からほぼ後年の捏造とされる。]]
 
==概要==
[[Image:Vinland_Map_HiRes.jpg|thumb|{{仮リンク|ヴィンランド地図|en|Vinland map}}、ヴィンランドの入った中世の世界地図。13世紀のオリジナルを15世紀に模写したとされたが、19世紀末の北極探検でしか知り得なかったグリーンランド全体図が書かれているなどの不審な点が指摘され、科学的調査からほぼ後年の捏造とされる。]]
 
エリクソンは新たな[[植民地]]を求めて出航、[[1000年]]頃に[[北米]][[大陸]]に上陸し、その地をヴィンランドと名付けたとされている。名の由来について、『グリーンランド人のサガ』では「[[ブドウ]](vín)の地」と説明されているが<ref>「グリーンランド人のサガ」、『サガ選集』所収、119頁</ref>、近年は「草原(vin)の地」を意味するという説が唱えられている<ref>B・アルムグレン『図説 ヴァイキングの歴史』倉持不三也訳、[[原書房]]、1990年、157頁</ref>。正確な上陸場所は諸説あるが、現在の[[カナダ]]・[[ニューファンドランド島]]が有力である。その他、俗説として、アメリカの[[ニューヨーク州]]から、[[メイン州]]まで辿り着いたという説もある。当時の気象状況、ブドウの生産地を考証すると、エリクソンらはもっと南方まで辿り着いたのではないかとも言われている。また、正規には認められていない、北米における"[[ルーン文字]]"も出土しており、学者らの議論は続いている。