「玉勝間」の版間の差分

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葬礼婚礼と民俗学について
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'''玉勝間'''(たまがつま<ref>{{Refnest|group="注"|草稿本の内題に、宣長の自筆で「玉賀都万」とある<ref>{{Cite web|title=公益財団法人鈴屋遺蹟保存会 本居宣長記念館|url=http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/omoshiroi.html|website=www.norinagakinenkan.com|accessdate=2019/03/11|publisher=}}</ref>。}}/たまかつま<ref name="Nikkoku">『[[日本国語大苑 岩波書店 1992典]]』精選版、[[小学館]]、2006年</ref>)は[[江戸時代]]の[[国学者]]、[[本居宣長]]の[[随筆]]。14巻で目録が1巻。[[1795年]]([[寛政]]7年) - [[1812年]]([[文化 (元号)|文化]]9年)の間に、3巻ずつ刊行された。1005段よりなる。
 
 
== 概要 ==
14巻で目録が1巻。[[1793年]]([[寛政]]5年)より起稿し、[[1801年]]([[享和]]元年)までの記事を載せ、[[推敲]]を重ねて完成した後、[[1795年]](寛政7年)から[[1812年]]([[文化 (元号)|文化]]9年)の間に、3巻ずつ刊行された。なお、「たまがつま」の「たま」は[[接頭辞|接頭語]]で、目の細かい[[竹]]の[[籠]]を表す古語、あるいは[[竹細工|竹籠]]の実と蓋が合うことから、「あへ」「あふ」「しま」「し」にかかる[[枕詞]]でもある<ref name="Nikkoku"/>。
「たまがつま」の「たま」は接頭語で、目の細かい竹のかごを表す古語、あるいは竹籠の実と蓋が合うことから、「あへ」「あふ」「しま」「し」にかかる[[枕詞]]でもある。宣長が古典研究で得た知識を収録し、[[有職故実]]や語源の考証、談話・聞書抄録など多様の分野にわたる学問・思想についての見解を述べたもので、[[1793年]]より起稿し、[[1801年]]([[享和]]元年)までの記事を載せ、その後推敲を重ねて完成したものである。「[[冠婚葬祭|葬礼婚礼]]など、ことに田舎には古く面白き事多し」とあり、[[民俗学|民俗的]]視点をもそなえている。宣長の生活・学問への傾注が記述されており、晩年の思想を知る上でも重要な書である。
 
「たまがつま」の「たま」は接頭語で、目の細かい竹のかごを表す古語、あるいは竹籠の実と蓋が合うことから、「あへ」「あふ」「しま」「し」にかかる[[枕詞]]でもある。宣長が古典研究で得た[[知識]]を収録し、[[有職故実]]や語源の考証、談話・聞書抄録など多様の分野にわたる[[学問]][[思想]]についての見解を述べたもので、[[1793年]]より起稿し、[[1801年]]([[享和]]元年)までの記事を載せ、その後推敲を重ねて完成したものである。「[[冠婚葬祭|葬礼婚礼]]など、ことに田舎には古く面白き事多し」とあり、[[民俗学|民俗的]]視点をもそなえている。宣長の生活・学問への傾注が記述されており、晩年の思想を知る上でも重要な書である。
 
== 注解刊行本 ==
*松井博信『〈中等國文解釋叢書・第3篇〉玉勝間・鈴屋集抄』立川文明堂、1932年
*小林爲三郎『全譯玉勝間詳解:全』[[大修館書店]]、1934年
*[[村岡典嗣]]校訂『玉勝間』上下、[[岩波書店]]〈[[岩波文庫]]〉、1934年
*平木四三二『玉勝間抄精義』修文館、1942年
*久曾神昇編『正解玉勝間』[[弘文社]]、1944年
*田口庸一『〈文法解明叢書34〉玉勝間・源氏物語玉の小櫛要解』有精堂、1957年
*[[大野晋]]・[[大久保正]]編『本居宣長全集1』[[筑摩書房]]、1968年
*[[吉川幸次郎]]ほか校注『〈[[日本思想大系]]40〉本居宣長』岩波書店、1978年
*神道大系編纂会『[[神道大系]] 論説編25:復古神道』(梅澤伊勢三・高橋美由紀校注)1982年
 
=== 現代語訳 ===
20世紀以降の活字による翻刻版として、本居宣長全集のほかに[[岩波文庫]]と[[日本思想大系|、日本思想大系]]とがあり日本思想大系は注釈もついている。
*吉田健一訳「玉勝間」『〈日本の古典21〉新井白石・本居宣長』(杉浦明平ほか訳)[[河出書房新社]]、1972年
 
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* 『角川第二版日本史辞典』p610、[[高柳光寿]]・[[竹内理三]]:編、[[角川書店]]、1966年
* 『岩波日本史辞典』p740、監修:[[永原慶二]]、[[岩波書店]]、1999年
 
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