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'''偏角'''(へんかく)とは、[[複素数]]を[[複素平面|複素数平面]]上の点として表したときに、その点と原点を結ぶ[[線分]]が実軸の正の部分との間になす角のことである。
 
==定義==
複素数平面上に複素数 ''z'' を表す方法には、平面に座標を[[直交座標]]、[[極座標]]の二通りに入れるのに応じて、それぞれ
 
:<math>
z = x + y\,i,
</math>
:<math>
z = r(\cos\theta +i\,\sin\theta) = r\,\exp(i\theta)
</math>
 
(''x'', ''y'', ''r'', &theta; はそれぞれ実数)の二通りがあり、特に後者の形を[[極形式]]と言う。このとき、''z'' の極形式における <math>\theta</math> のことを、複素数 ''z'' の'''偏角'''とよび、これを arg ''z'' と表現する。''z'' が 0 のときには偏角を定めない。
 
==注意==
&theta; がある複素数の偏角であった場合、&theta; + 2''n''&pi;(''n'' は任意の[[整数]])もすべてその複素数の偏角となるため、偏角は実数としては一意に決まらない。
 
このためふつう偏角と言ったときには、上の形の数をすべて同一視し、互いに等号で結ばれるものを考えている。この同一視を明示的に表す場合、等号を用いて ''a'' = ''b'' と書く代わりに ''a'' &equiv; ''b'' ([[同値関係|mod]] 2&pi;) と書くこともある(以下ではその記法を用いている)。
 
複素数の演算と偏角の間には次のような関係がある;
*<math> \arg z_1 z_2 \equiv \arg z_1 + \arg z_2 \pmod{2\pi} </math>
*<math> \arg z^{-1} \equiv -\arg z \pmod{2\pi} </math>
 
あるいは、複素数 ''z'' の[[絶対値]]を |''z''| とすれば、''z'' の極形式は複素変数の[[指数関数]] exp を使って、''z'' = |''z''|exp(i arg z) のように書くことができるから、''z'' &ne; 0 のとき、これを arg ''z'' について解けば
:<math>\arg z = -i\,\ln(z/|z|)</math>
と書くことができる。したがって、arg を複素変数の[[自然対数|対数関数]] ln の[[リーマン面]]上で定義された実数値の[[関数 (数学)|関数]]であると見ることもできる。特に、''z'' が連続的に ''z' '' まで変化するならば、arg ''z'' は連続的に arg ''z' '' まで変化する。
 
==関連項目==
* [[複素数]]
* [[複素平面|複素数平面]]
* [[絶対値]]
* [[極形式]]
 
[[en:Complex number]]