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'''奥野 健男'''(おくの たけお、[[1926年]][[7月25日]]-[[1997年]][[11月26日]])は、[[文芸評論家]]・化学技術者。[[多摩美術大学]]名誉教授。父は最高裁判事の[[奧野健一]]。
 
== 経歴 ==
[[東京]]に生まれる。旧制[[麻布中学校]]で[[吉行淳之介]]や[[北杜夫]]を知る。[[1952年]]、[[東京工業大学]]化学科入学。在学中の1952年に『[[大岡山文学]]』に『[[太宰治]]論』を発表し、注目される。卒業後、[[東芝]]に入社し、[[トランジスタ]]の開発に取り組む。[[1959年]]に大河内記念技術賞を、[[1963年]]に[[科学技術庁]]長官奨励賞、[[1964年]]に[[特許庁]]長官賞受賞を受賞する。
 
[[1954年]]に[[服部達]]らと『[[現代評論]]』を、[[1958年]]に[[吉本隆明]]らと『[[現代批評]]』とを創刊し批評活動を行なう。[[1960年代]]前半に、「政治と文学」という[[プロレタリア文学]]以来の観念を厳しく批判し、[[民主主義文学]]を否定したことで、文学論争の主役となった。
 
[[1961年]][[多摩美術大学]]、[[日本大学]]芸術学部の講師、[[1962年]]に多摩美術大学助教授、[[1970年]]に教授となる。多摩美大では当初自然科学の講座を担当していたが、やがて文学の講座に集中する。作家[[三島由紀夫]]との親交があったため、彼の自決の翌日の授業には、教室からあふれんばかりの学生が押し寄せたという。奥野ゼミは、ゼミ生による創作集『葡萄弾』を毎年発行していた。
 
文学における「[[原風景]]」という概念を打ち出した。
 
[[1991年]]に多摩美術大学理事。[[1997年]]退職。同大学名誉教授。
 
== 受賞歴など ==
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*平成6年  [[芸術選奨]]文部大臣賞(『三島由紀夫伝説』)
*平成7年  [[紫綬褒章]]
*没後   [[勲四等]]旭日小綬章
 
==著==
 
===単独での著書===
 
==著作==
*太宰治論(1956年、[[近代生活社]])
*現代作家論(1956年、近代生活社)
*太宰治 <現代作家論全集第十巻>(1958年、[[五月書房]]) 
*日本文学の病状(1959年、五月書房)
*太宰治論(1960年、[[角川文庫]]/[[角川書店]])
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*二刀流文明論(1964年、[[冬樹社]])
*太宰治論 決定版(1966年、春秋社)
*恍惚と不安 -- 太宰治昭和11年―(1966 -- (1966年、養神書院)
*現代文学の基軸(1967年、[[徳間書店]])
*文壇博物誌(1967年、[[読売新聞社]])
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*文学風土記(1968年、筑摩書房)
*新編 文学は可能か(1970年、冬樹社)
*日本文学史 -- 近代から現代へ―(1970 -- (1970年、中公新書/[[中央公論社]])
*文学における原風景 ― -- 原っぱ・洞窟の幻想―(1972 -- (1972年、集英社)
*[[坂口安吾]](1972年、文藝春秋)
*戦後文学の青春(1972年、レグルス文庫/[[第三文明社]])
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*無頼と異端(1973年、国文社)
*文学の原像を求めて(1973年、潮出版社)
*科学の眼・文学の眼 ― -- 私の原風景(1973年、冬樹社)
*[[高見順]](1973年、国文社)
*女流作家論 ― -- 小説は本質的に女性のものか―(1974 -- (1974年、第三文明社)
*現代文学風土記(1976年、集英社)
*[[山本周五郎]](1977年、創樹社)
*[[島尾敏雄]](1978年、[[泰流社]]
*北杜夫の文学世界(1978年、中央公論社)
*深層日本紀行 -- ヤポネシア史観の形成へ―  -- (1978年、毎日新聞社)
*素顔の作家達 -- 現代作家132人―(1978 -- (1978年、集英社)
*[[伊藤整]](1980年、潮出版社)
*小説のなかの人間たち -- 関係性の文学―(1981 -- (1981年、集英社)
*北杜夫の文学世界(1982年、中公文庫/中央公論社)
*小説のなかの銀座(1983年、砂小屋書房)
*間の構造 -- 文学における関係素―(1983 -- (1983年、集英社)
*太宰治論(1984年 新潮社・新潮文庫)
*歴史の斜面に立つ女たち -- 文学のなかに女性像を追う―(1985 -- (1985年、毎日新聞社)
*文学における原風景 増補版(1989年、集英社)
*文学は死滅するか -- 奥野健男自選評論集 (1990年、学藝書林)ISBN 4905640679
*芸術の辺際(評論集上巻)(1990年、阿部出版)ISBN 4872420039
*往相還相(評論集下巻)(1990年、阿部出版) ISBN 4872420071
*ねえやが消えて -- 演劇的家庭論―(1991 -- (1991年、河出書房新社) ISBN 4309006698
*三島由紀夫伝説(1993年、新潮社) ISBN 4103908017
*奥野健男 文芸時評 1976年~1992 - 1992年(1990年、河出書房新社)
*越境する文芸批評(1995年、平凡社) ISBN 4582364128
*坂口安吾(1996年、文春文庫/文藝春秋) ISBN 4167149028                 
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*三島由紀夫伝説(2000年、新潮文庫/新潮社) ISBN 4101356025
 
===共同での書===
*([[尾崎秀樹]])作家の表象 -- 現代作家116―(1977116 -- (1977年、時事通信社)
 
===編書===
 
*太宰治 <人生論読本第4巻>(1960年、角川書店)
==共著==
*太宰治研究 I その文学(1978年、筑摩書房)
*([[尾崎秀樹]])作家の表象 ―現代作家116―(1977年、時事通信社)
*[[室生犀星]]評価の変遷 ― -- その文学と時代―(1985 -- (1985年、三弥井書店) ISBN 4838290136
 
 
 
==編著==
*太宰治<人生論読本第4巻>(1960年、角川書店)
*太宰治研究I その文学(1978年、筑摩書房)
*[[室生犀星]]評価の変遷 ―その文学と時代―(1985年、三弥井書店) ISBN 4838290136
*太平洋戦争 兵士と市民の記録(1995年、集英社/集英社文庫)奥野健男監修 ISBN 4087483568
*この一冊で 日本の作家がわかる!(1997! (1997年、 知的生きかた文庫/三笠書房)奥野健男監修 ISBN 4837909035
 
 
==関連人物==
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[[Category:日本の文芸評論家|おくのたけお]]
 
[[Category:東京都出身の人物|おくのたけお]]
[[Category:日本の文芸評論家|おくの たけお]]
[[Category:東京都出身の人物|おくの たけお]]
{{生没年|おくのたけお|1926年|1997年}}