「ヴァイオリン属」の版間の差分

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ヴァイオリンとチェロが[[独奏]]にも[[合奏]]にも使われるのに比べ、ヴィオラとコントラバスはどちらかといえば合奏向きの楽器である。ヴァイオリン属の楽器の特徴は、複数の同じ楽器で同じ[[旋律]]を弾いたときに、ひとりで弾いたときと別の魅力が生じることである。このため、[[オーケストラ]]などでは、ヴァイオリン属の楽器の各部に、複数の楽器が用いられる。
 
[[オーケストラ]]ではこの4種がほぼ欠かさず使われ、ヴァイオリンは2部に分かれることが多い。コントラバスはチェロと同じ[[楽譜]]を用いて[[オクターブ]]低く奏することもある。一般に「[[弦五部]]」といえば、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1部のことを言う。
 
大規模なオーケストラでは、弦五部の各部がおおむね8:7:6:5:48:7:6:5:4の割合で人数編成される。現代のオーケストラや[[弦楽合奏]]では、弦楽器の各パートの人数を、隣同士に位置して譜面台を共有する2人を組にした「[[プルト]]」(ドイツ語:Pult[机、譜面台〔Notenpult〕]より)という単位で表現することが一般的で、上のような割合は、基本的には各パートのプルト数として理解される。
 
ただし8:7:6:5:48:7:6:5:4というプルト数はあくまで大規模なオーケストラ曲を演奏する際の一般的な目安であり、管楽器・打楽器や独奏楽器などとのバランス、作曲された、また演奏される時代の流行、各地域や団体の習慣、さらには[[作曲家]]、演奏者、[[指揮者]]の意図や好みなどで編成はさまざまに変えられる。現在では、木管楽器奏者を各3人とする三管編成の曲でも、やや弦楽器奏者の人数を減らした7:6:5:4:37:6:5:4:3のプルト編成で対応することも多い。また[[ドイツ]][[オーストリア]]では低弦を増強した編成がとられることが多いと言われる。
 
==2種以上のヴァイオリン属の楽器による[[アンサンブル]]==
===[[合奏]]===
*著名な[[弦楽合奏曲(弦五部)]]
**[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]:ディヴェルティメント[[ケッヘル|K.]]136(125a)、137(125b)、138(125c)
**モーツァルト:[[アイネ・クライネ・ナハトムジーク]]
**[[エドヴァルド・グリーグ|グリーグ]]:組曲「[[ホルベアの時代から]]」
**グリーグ:2つの悲しき旋律
**[[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]:[[弦楽セレナーデ (チャイコフスキー)|弦楽セレナード]]
**[[アントニン・ドヴォルザーク|ドヴォルザーク]]:[[弦楽セレナード (ドヴォルザーク)|弦楽セレナード]]
**[[エドワード・エルガー]]:[[弦楽セレナード (エルガー)|弦楽セレナード]]
**[[グスターヴ・ホルスト|ホルスト]]:セント・ポール組曲
**[[レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ|ヴォーン・ウィリアムズ]]:タリスの主題による幻想曲
**[[オットリーノ・レスピーギ|レスピーギ]]:「[[リュートのための古風な舞曲とアリア]]」第3組曲
**[[イーゴリ・ストラヴィンスキー|ストラヴィンスキー]]:バレエ音楽「ミューズを導くアポロ」
**ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲(バーゼル協奏曲)
**[[ヨハン・シュトラウス2世]]と[[ヨーゼフ・シュトラウス]](共作):ピチカート・ポルカ
**[[リヒャルト・シュトラウス]]:[[メタモルフォーゼン]]
**[[アルノルト・シェーンベルク|シェーンベルク]]:[[浄められた夜]]
**[[アルバン・ベルク|ベルク]]:「抒情組曲」からの3楽章
**[[バルトーク・ベーラ|バルトーク]]:弦楽のためのディヴェルティメント Sz.113
**[[ジャン・シベリウス|シベリウス]]:組曲「恋する人」
**シベリウス:[[アンダンテ・フェスティーヴォ]]
**[[パウル・ヒンデミット|ヒンデミット]]:ヴィオラと弦楽合奏のための葬送音楽
**[[アルテュール・オネゲル|オネゲル]]:[[交響曲第2番 (オネゲル)|交響曲第2番]]
**[[サミュエル・バーバー|バーバー]]:[[弦楽のためのアダージョ]]
**[[ベンジャミン・ブリテン|ブリテン]]:[[シンプル・シンフォニー]]
**ブリテン:フランク・ブリッジの主題による変奏曲
**[[ルロイ・アンダーソン]]:プリンク・プランク・プルンク
**[[バーナード・ハーマン]]:映画「[[サイコ (映画)|サイコ]]」の音楽
**[[クシシュトフ・ペンデレツキ|ペンデレツキ]]:広島の犠牲者に寄せる哀歌
**[[芥川也寸志]]:弦楽のための3楽章(トリプティーク)
**[[武満徹]]:[[弦楽のためのレクイエム]]
 
===[[重奏]]===
*[[弦楽八重奏]](第一~四ヴァイオリン4第一・二ヴィオラ2第一・二チェロ2)
*[[弦楽六重奏]](第一・二ヴァイオリン2第一・二ヴィオラ2第一・二チェロ2)(ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ、コントラバス
*[[弦楽五重奏]](第一・二ヴァイオリン2第一・二ヴィオラ2、チェロ)または(第一・二)(ヴァイオリン2、ヴィオラ、第一・二チェロ2)(ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
*[[弦楽四重奏]](第一・二ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ)
*[[弦楽三重奏]](ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
*[[二重奏 (弦楽器)]] (ヴァイオリン、ヴィオラ)、()(ヴァイオリン、チェロ)など。
*:「弦楽二重奏」という用語は通常なく用いられず「ヴァイオリンとヴィオラの二重奏」などと呼ばれる。
 
== 関連項目 ==