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2006年12月26日 (火) 01:10時点における版

シュロモ・ミンツ(Shlomo Mintz)は1957年モスクワ生まれの、イスラエルのヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者、指揮者。

経歴

2歳の時にイスラエルに移住し、その後アイザック・スターンや、ニューヨークのジュリアード音楽院ドロシー・ディレイに学ぶ。11歳でイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団のソリストとしてデビューし、その後、イツァーク・パールマンの代役としてパガニーニの協奏曲を演奏するなど、早くからその才能を知られた。1980年代にはドイツ・グラモフォンの専属アーティストとして膨大な数の録音を残し、中でもパガニーニ24のカプリースでは、難所を完璧な技巧で弾きこなすだけでなく、持ち前のボウイング技術によって、低音から最高音部まで独特のぬめりのある美音を鳴らし、現在でも同曲の最高の演奏の一つとされている。

しかし1990年代に入ると、まだ30代前半であるにもかかわらずドイツ・グラモフォンとの契約を打ち切り、1990年代初頭にショスタコーヴィチのヴァイオリンソナタとヴィオラソナタをエラートからリリースした他は、録音活動は休止状態に入った。皮肉にもこの時期から演奏は円熟味を見せ始め、クルト・ザンデルリングとの共演によるベートーヴェンの協奏曲や、セルジュ・チェリビダッケとの共演によるブラームスの協奏曲が、コンサートのライヴ録音の海賊版音源で出回った。2000年を超えて、新たにマイナー・レーベルからモーツァルトの協奏曲全集、およびブラームスのヴァイオリンソナタ・ヴィオラソナタ全集をリリースした。

近年は来日公演が稀になっているが、2005年の5月に秋山和慶指揮の東京交響楽団に客演し、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番とヴィオラ協奏曲を続けて演奏し、名演として話題になった。さらにこの時のアンコールではパガニーニ24のカプリースの第5曲をかつての録音よりもいっそう磨きのかかった美音で、完璧に演奏した。