「内視現象」の版間の差分

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内視現象の例としては以下のものが挙げられる。 これらはいずれも健康な人でも現れる正常なものである。
 
;[[飛蚊症]]<!--floaters, muscae volitantes-->: 視野内でゆっくりと移動するさまざまな大きさの半透明の球体や糸くず状のものとして見えるもっともありふれた内視現象である。 特に明るい空を見上げたとき眼球を動かすと見えやすい。 硝子体内に漏れ出し浸透圧で膨らんだ血球などの混濁物が[[網膜]]に落とす影として説明される。 半透明であったり球状に見えるのは[[回折]]の効果である。 加齢とともに混濁物が増えるとともに硝子体が液状化するので飛蚊症は増加する。 半透明であったり球状飛蚊症そのものは通常は治療の対象とならないが、急見え増加す場合には[[回折網膜剥離]]など眼疾患効果前兆あることがある。
;<!--要日本語訳-->{{lang|en|[[:en:blue field entoptic phenomenon|Blue field entoptic phenomenon]]}} ({{lang|en|Scheerer's phenomenon}}): ギザギザの軌跡を描いてすばやく動く小さな明るい多数の光点として見える。 青空など均一な青い光の下でもっとも視認しやすい。 [[黄斑]]の周囲の網膜上の[[毛細血管]]を動く[[白血球]]によって起こる。 血管中にははるかに多数の[[赤血球]]によっが存在し多く生成されて光の下で筋状より暗い影を落としている神経系ずだが、これは視細胞の[[適応 (視細胞)|適応]]によって除去されている。 白血球が通過したとき急に光が透過するためにその部分が相対的に輝いて見える。 1920年代には[[神智学]]において、[[ヨガ]]のプラナ<!--prana-->の概念に関係した「生気粒子」<!--vitality globules-->と解釈されたこともあった。 <!--血圧が急に変化したときにも類似した光の点が現れることがある。-->
;[[ハイディンガーのブラシ]]<!--Haidinger's brush-->: 視野の中心部にみられる非常に淡い黄色と青のパターンであり、[[液晶モニタ]]や青空や偏光グラスをかけた時など[[偏光]]した光の下でのみみられる。 視野に対する偏光の方向が変化したとき視認しやすい。
;血管像: 自分自身の網膜の樹状に枝分かれした血管が適当な条件のもとで見えることがある。 暗い部屋でペンライトのような明るい光を視野の端から[[強膜]] (しろ目) に当てて動かすと見えやすい。 通常の状態でもこれらの血管は網膜に影を落としているはずだが、視細胞の[[適応 (視細胞)|適応]]によって普段は気づくことはない。 視野の端から差し込んだ強い光は通常からはずれた場所に影を作り出すので視認が可能となる。 光を動かさずにいると数秒で像は消えるが、およそ 1 秒周期で光を動かせば適応が働かなくなり常時視認可能となる。 しばしば血管像は[[眼科]]の検査中に医師が[[検眼鏡]]を用いているとき被験者によっても見られることがある。 これは、医師が瞳孔を通して血管を見ることができるように検眼鏡を調整する間に光が強膜にあたることによる。
;[[眼内閃光]]<!--phosphene-->: 眼を閉じたときに眼球を圧迫するなどして網膜を刺激することによって光が眼に差し込んでいないのに光の知覚が生まれる現象である。
;[[プルキニエの像]] ({{lang|en|[[:en:Purkinje images]]}}): 例えば、暗い部屋の中で小さな点光源を見るとき、それ自体のほかに視野の別の場所にも暗い光が現れる。 これは眼球内での光の反射が原因で起こるという説がある。 おそらくは[[レンズ水晶体]]の前面で反射した光が[[角膜]]の後面で再度反射し網膜に光を投げかけることによりおこる。 ときにはレンズ水晶体の後面で反射した光によると思われるさらに暗い反射光が見えることがある。
 
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