らくラクびわこ

西日本旅客鉄道の特別急行列車
びわこエクスプレスから転送)

らくラクびわこは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が米原駅 - 大阪駅間を東海道本線琵琶湖線JR京都線)経由で運行する特別急行列車(通勤特急)である。

らくラクびわこ
キハ189系「びわこエクスプレス」 (2016年12月18日 大阪駅)
キハ189系「びわこエクスプレス」
(2016年12月18日 大阪駅
概要
日本の旗 日本
種類 特別急行列車(通勤特急)
現況 運行中
地域 滋賀県京都府大阪府
前身 「びわこライナー」「びわこエクスプレス」
運行開始 2003年6月1日(「びわこエクスプレス」として)
運営者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
路線
起点 米原駅草津駅
終点 大阪駅
営業距離 110.5 km (68.7 mi)(米原 - 大阪間)
運行間隔 1.5往復
列車番号 1071M・1072M(1・2号)
1074D(4号)
使用路線 東海道本線琵琶湖線JR京都線
車内サービス
クラス グリーン車(2号除く)・普通車
座席 グリーン車指定席
普通車指定席
技術
車両 681系・683系電車
キハ189系気動車
(いずれも吹田総合車両所京都支所
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500V[注 1]
最高速度 130 km/h (81 mph)
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本項では、かつて運行されていた「びわこエクスプレス」や「びわこライナー」についても記述する。

概要 編集

本列車の前身は、座席定員制ホームライナーの「びわこライナー」である。これは、国鉄分割民営化からまもない1987年から2003年まで、北陸本線の特急車両の間合い運用で、通勤客向けに琵琶湖線JR京都線の米原駅 - 大阪駅間で運行していたものであった。

その後、2003年6月1日のダイヤ改正で北陸方面の新型車両が増備され、本列車も車両を置き換えるとともに特急列車として運行することとなり、列車名は「びわこエクスプレス」に改められた[1][2]。2024年からは、同じくアーバンネットワークを運行する通勤特急「らくラクはりま」「らくラクやまと」とサービス名を合わせる形で、列車名が「らくラクびわこ」となっている[3]

期間 種別 名称
1987年10月14日 - 2003年5月31日 普通 びわこライナー
2003年6月1日 - 2019年3月15日 特急 びわこエクスプレス
2019年3月16日 - 2024年3月15日 特急
(通勤特急)
2024年3月16日 - らくラクびわこ

運行概況 編集

2024年3月16日現在、朝に米原発大阪行きが1本、夕方に大阪発米原行きと大阪発草津行きが1本ずつの、計3本が設定されている。いずれも平日のみの運転である[4]。2014年3月15日のダイヤ改正[5]以降、一貫してこのダイヤで運転されている。

停車駅 編集

米原駅 - 彦根駅 - 近江八幡駅 - 野洲駅 - 守山駅 - 草津駅 - 南草津駅 - 石山駅 - 大津駅 - 山科駅 - 京都駅 - 新大阪駅 - 大阪駅

停車駅の変遷
期間 米原 彦根 近江八幡 野洲 守山 草津 南草津 石山 大津 山科 京都 新大阪 大阪
1987年10月 - 2004年9月30日
2004年10月1日 - 2014年3月14日
2014年3月15日 - 2021年3月12日 1・4号
2号
2021年3月13日 - 2024年3月15日 1・4号
2号
2024年3月18日 - 1・2号
4号

使用車両 編集

2024年3月16日現在の編成図
らくラクびわこ
← 米原
大阪 →
1・2号
1 2 3 4 5 6
G
← 大阪
草津 →
4号
1 2 3 (4) (5) (6)
  • 全車禁煙
  • 1・2号は9両編成、4号は6両編成になる日がある。
凡例
G=グリーン車指定席
指=普通車指定席

1号と2号には681系683系電車6両編成(特定日は9両編成)が、4号にはキハ189系気動車3両編成(特定日は6両編成)が使用されている(いずれも吹田総合車両所京都支所所属)。いずれも全車指定席で、グリーン車は1・2号にのみ設定されている[6]。かつては自由席も設定されていたが、2021年3月13日より全車指定席となった。

「びわこライナー」の時代は特急「雷鳥」用の485系が用いられていたが、1995年から1997年までの間は運用上の関係で東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両も使用されていた[1]

沿革 編集

  • 1987年昭和62年)10月14日:「びわこライナー」が運転開始[1]
  • 1988年(昭和63年)3月13日:「びわこライナー」が定期列車化[1]
  • 2003年平成15年)6月1日:ダイヤ改正により「びわこライナー」が廃止され、特急「びわこエクスプレス」を新設(同日は日曜日のため、実際の運行開始は6月2日[2]
  • 2004年(平成16年)10月16日:山科駅が停車駅に追加される[7]
  • 2009年(平成21年)6月1日:全車禁煙化[8]
  • 2014年(平成26年)3月15日:キハ189系を使用して[5]上り1本(草津行き)を増発。下り1本・上り2本体制(2号:草津行き、4号:米原行き)となる。
  • 2019年(平成31年)3月16日:列車の呼称として「通勤特急」の使用を開始[9]
  • 2020年令和2年)10月5日:1・4号の指定席を拡大。
  • 2021年(令和3年)3月13日南草津駅に停車を開始し[10]、全車指定席化[11]
  • 2024年(令和6年)3月16日:ダイヤ改正により、列車名を「らくラクびわこ」に改称(同日は土曜日のため、改称後の初運行は3月18日)。夜の米原行き4号の運行時刻を大幅に繰り上げ[3]、2号に変更。大阪駅 - 米原駅間で運転する列車の使用車両を「しらさぎ」用の681系・683系に変更。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 但し、一部列車では気動車を使用。

出典 編集

  1. ^ a b c d 「特集・通勤ライナー」『鉄道ピクトリアル』第747号、電気車研究会、2004年6月、20頁。 
  2. ^ a b 特急「びわこエクスプレス」の運転、特急「はるか」の米原延長運転の開始インターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年4月18日
  3. ^ a b 2024年春のダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道近畿統括本部、2023年12月15日。 オリジナルの2023年12月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218051527/https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231215_00_press_daiyakaisei_kinto.pdf2023年12月15日閲覧 
  4. ^ 『JR時刻表』2024年3月号、交通新聞社
  5. ^ a b 『JR時刻表』2014年3月号、交通新聞社
  6. ^ らくラクびわこ:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2024年3月17日閲覧。
  7. ^ 平成16年秋のダイヤ改正(別紙) (PDF) (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年7月23日
  8. ^ 在来線特急列車などの全席禁煙化ならびに在来線ホームの禁煙化の拡大について Archived 2009年3月29日, at the Wayback Machine. - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年3月26日
  9. ^ 2019年3月16日にダイヤ改正を実施します” (PDF). 西日本旅客鉄道 近畿統括本部. 2018年12月15日閲覧。
  10. ^ 2021年3月13日にダイヤ改正を実施します』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道近畿統括本部、2020年12月18日。 オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218051527/https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201218_00_keihanshin.pdf2020年12月22日閲覧 
  11. ^ 「e5489チケットレスサービス」(在来線)の拡充および特急列車指定席の拡大について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2020年12月18日。 オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218065616/https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201218_00_ticketless_keihanshin-kitakinki.pdf2020年12月22日閲覧 

参考文献 編集

  • 今尾恵介原武史『日本鉄道旅行歴史地図帳 - 全線・全駅・全優等列車』8号・近畿、新潮社、2010年。ISBN 978-4-10-790042-5

外部リンク 編集