アカシタビラメ

カレイ目ウシノシタ科の魚

アカシタビラメ(赤舌鮃、学名:Cynoglossus joyneri) は、カレイ目ウシノシタ科に属する海水魚である。

アカシタビラメ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: カレイ目 Pleuronectiformes
亜目 : カレイ亜目 Pleuronectoidei
: ウシノシタ科 Cynoglossidae
: イヌノシタ属 Cynoglossus
: アカシタビラメ C. joyneri
学名
Cynoglossus joyneri
Günther, 1878
英名
red tonguesole

概要 編集

南日本黄海南シナ海の、水深20-70m程度の沿岸部の砂泥底に生息する[1]。4齢での体長は25cm程度。体色は、目がある上側はオレンジ色から赤味がかった茶色の斑点がびっしりとあり、紫色の横線がうろこに沿って1本走っている。目のない下側は白い。目は小さく、左側に2つ並んでついている。背びれ、腹びれが尾びれと繋がっており、胸びれはない。ゴカイ類貝類甲殻類、小魚などを餌にする[1]。産卵期は6~7月頃。

地方名 編集

有明海地方ではの底に似ていることから、「くつぞこ」が次第に訛り、「クチゾコ」、「クッゾコ」と呼ばれている。

岡山県などの瀬戸内地方東部では「ゲタ」と呼ばれ、煮付けの定番魚の一つとなっている。

山口県ではアカシタビラメを「レンチョウ」と呼び煮付けなどにする。

大分県中津市ではアカシタビラメを「ベタ」と呼び干物などにする。

近縁種 編集

コウライアカシタビラメカラアカシタビラメイヌノシタなどの種類があり、それぞれ色や産卵時期も異なるが、混称としてアカシタビラメクチゾコなどと呼ばれる。

利用 編集

食用魚として重要で、トロール漁などにより捕獲されている。シタビラメ(ウシノシタ)類の中では最も美味とされ、ムニエルや煮付けなどに利用される。旬は春から夏[2]

中華料理では渤海湾のカラアカシタビラメの方が多く利用されるが、「目魚」(ムーユー)、「鰨目」(タームー)、「方板魚」(ファンバンユー)、「牛舌頭」(ニウショートウ。牛の舌)、「龍脷」(広東語 ロンレイ。竜の舌)などの名で、蒸し魚、唐揚げ、天ぷらの甘酢あんかけなどにされる。

朝鮮料理ではコウライアカシタビラメを「용서대」(ヨンソデ)、アカシタビラメを「참서대」(チャムソデ)と称するが、「서대」(ソデ)と総称され、辛い煮物、鍋料理、唐揚げなどにされる。

脚注 編集

  1. ^ a b 福井篤監修『講談社の動く図鑑move 魚』、講談社2012年、142頁
  2. ^ アカシタビラメ”. 2019年1月23日閲覧。