アッサンブラージュ(アセンブリッジ、英語:Assemblage)とは、コラージュパピエ・コレの立体版、すなわち、「立体的なもの」を寄せ集め、積み上げる、貼り付ける、結び付けるなどの方法により制作された美術作品(立体作品)およびその技法。「アサンブラージュ」と表記されることもある。一般の彫刻概念から逸脱するような立体作品である。全体として、ある種の統一性がある場合もあるが、統一性がなく、混沌としていることが特徴の場合もある。

歴史 編集

 
ヨハン・ディーター・ヴァスマン「Vorwarts!(前へ進め!)」1897年(2003)

このアート様式の起源は、ピカソのキュビスム[1]の立体作品(1912年-1914年)とも言われている[2]

ここで、アッサンブラージュを構成する「立体的なもの」とは、既製品でも、自然物でも、何でも構わない。ただ、材料費がほとんどかからないか安くすむということから、大きな作品の場合には、空き缶・空き瓶などの廃品が使われることがある。そのような場合には、「ジャンク・アート」(junk art、廃物美術、廃品美術)の作品ともとらえられる。

作品の外観は、一般の美醜感覚からは、美しいと言えるとは限らず、反芸術的・非芸術的な要素・素材があり、その点において、ダダイスムに連結する。また、シュルレアリスムにおける立体作品でも、彫刻のイメージからははずれており、アッサンブラージュと呼べるようなものがある。(第二次世界大戦前の)ダダやシュルレアリスムの場合には、むしろ、単に「オブジェ」と呼ばれることの方が多いかもしれない。

レディメイド[3]の作品は、すべてアッサンブラージュに含める考え方と、「アッサンブラージュ」という言葉の意味から考えて、既製品「単品」の場合には含めず(例えば、マルセル・デュシャンの「泉」。1917年)、既製品を2つ以上組み合わせた場合に限り含める[4]考え方がある。

主なアッサンブラージュのアーティスト 編集

脚注 編集

  1. ^ ピカソのほかにジョルジュ・ブラックらが運動の中心画家である
  2. ^ The Collection”. The Museum of Modern Art. 2023年8月3日閲覧。
  3. ^ レディメイドやプレタポルテは既製服、オートクチュールはオーダーメイドによる仕立服・注文服のことを指している
  4. ^ 例えば、マルセル・デュシャンの「自転車の車輪(スツールの上に自転車の車輪をさかさまに載せた作品)」。1913年

関連項目 編集

外部リンク 編集