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エイブラハム・トロ

ベネズエラ系カナダ人の野球選手 (1996 - )
（アブラーム・トロから転送）
この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓（父方の姓）はトロ、第二姓（母方の姓）はヘルナンデスです。

エイブラハム・ジョズエ・トロ＝エルナンデス（Abraham Josue Toro-Hernandez,[注 2] 1996年12月20日 - ）は、カナダのケベック州ロンゲール出身のプロ野球選手（三塁手）。右投両打。MLBのオークランド・アスレチックス所属。

エイブラハム・トロ
Abraham Toro
オークランド・アスレチックス
2014年9月20日
基本情報
国籍 カナダの旗 カナダ
出身地 ケベック州ロンゲール
生年月日 (1996-12-20) 1996年12月20日（27歳）
身長
体重		 6' 1" ＝約185.4 cm
190 lb ＝約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 三塁手、二塁手、一塁手[注 1]
プロ入り 2016年 MLBドラフト5巡目
初出場 2019年8月22日
年俸 $1,500,000（2023年）[1]
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
国際大会
代表チーム カナダの旗 カナダ
WBC 2023年
この表について

経歴 編集

プロ入り前 編集

モントリオールのエドゥアール＝モンプティ高等学校（フランス語版）とバニエー大学（英語版）に進学後[5]、2015年にオクラホマ州のセミノール州立大学（英語版）へ転校した。同校で大学野球に参加し、55試合に出場。打率.439・20本塁打・86打点を記録した[6][7]。

プロ入りとアストロズ時代 編集

2016年のMLBドラフト5巡目（全体157位）でヒューストン・アストロズから指名され、6月20日に契約金25万ドルでアストロズと契約を結んでプロ入り[8][注 3]。7月8日にアストロズ傘下マイナーチームであるR級グリーンビル・アストロズ（英語版）でプロデビュー。2016年シーズンは同チームで44試合に出場して打率.254、OPS.623を記録した[9]。

2017年はA-級トライシティ・バレーキャッツ（英語版）に昇格してシーズンを迎えた[10]。7月27日にA級クアッドシティーズ・リバーバンディッツ（英語版）に昇格[11][12]。シーズン成績は2チーム合計で69試合に出場し[注 4]、打率.246、OPS.859、15本塁打を記録した[13]。

2018年3月に登録名のラストネームをトロ＝エルナンデス(Toro-Hernandez)からトロ(Toro)に変更した。シーズンはA+級ファイエットビル・ウッドペッカーズに昇格して迎えた。6月19日に行われたカロライナリーグオールスターでウッドペッカーズ代表として選出[14]。7月6日にAA級コーパスクリスティ・フックスに昇格した。このシーズンは2チーム合計で133試合に出場して打率.247、OPS.779、16本塁打を記録した[15]。シーズン後にアリゾナ・フォールリーグのスコッツデール・スコーピオンズに所属し、19試合に出場した[16][17]。

2019年の開幕前に発表されたMLB.comのプロスペクトランキングで、トロはチーム6位の評価を受けた[18]。シーズンはAA級コーパスクリスティ迎えた[19]。6月29日に行われたテキサスリーグオールスターでフックス代表として選出[20][21]。8月1日にAAA級ラウンドロック・エクスプレスに昇格[22]。8月までにマイナーの2チーム合計で114試合に出場し、打率.324・OPS.938・17本塁打を記録した。8月22日にブレイディ・ロジャースがDFAになった入れ替わりで40人枠に追加されると同時に、ジャック・メイフィールドとの入れ替わりでメジャー昇格した[23]。同日行われたデトロイト・タイガース戦で「7番・三塁手」としてスタメン入りしメジャーデビュー[24]。8月23日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャー初安打を記録[25]、29日のタンパベイ・レイズ戦でメジャー初本塁打を記録した[26]。メジャーでのシーズン成績は25試合に出場して打率.218、OPS.688、2本塁打を記録した。アストロズは地区優勝してポストシーズンに進んだが、トロはロースターには選ばれなかった。

2020年は33試合に出場して打率.149、3本塁打、9打点、1盗塁を記録した[9]。

マリナーズ時代 編集

2021年7月27日にケンドール・グレーブマン、ラファエル・モンテロとのトレードで、ジョー・スミスと共にシアトル・マリナーズへ移籍した[27]。

ブルワーズ時代 編集

2022年12月2日にコルテン・ウォンと金銭とのトレードで、ジェシー・ウィンカーと共にミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[28]。

2023年はシーズン開幕前の3月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のカナダ代表に選出された。シーズンでは3月27日にオプションでAAA級ナッシュビル・サウンズに配属され[9]、3月31日に開幕ロースター入りが発表された[29]。

人物 編集

フランス語を主に使用するモントリオール周辺で生まれ育ち、両親はベネズエラ出身でスペイン語を母語としていた。そのため、学校ではフランス語を、家庭内ではスペイン語を話し、また15歳までに英語を覚えて、トライリンガルとなった。アストロズ傘下時代では、スペイン語話者と英語話者間の通訳もこなしている[5][20][30]。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

年

度		 球

団		 試

合		 打

席		 打

数		 得

点		 安

打		 二
塁
打		 三
塁
打		 本
塁
打		 塁

打		 打

点		 盗

塁		 盗
塁
死		 犠

打		 犠

飛		 四

球		 敬

遠		 死

球		 三

振		 併
殺
打		 打

率		 出
塁
率		 長
打
率		 O
P
S
2019 HOU 25 89 78 13 17 3 2 2 30 9 1 1 0 1 9 0 1 19 2 .218 .303 .385 .688
2020 33 97 87 13 13 2 0 3 24 9 1 1 0 0 3 0 7 23 1 .149 .237 .276 .513
2021 35 122 109 17 23 1 0 6 42 20 3 1 0 1 9 0 3 21 1 .211 .287 .385 .672
SEA 60 253 226 28 57 11 0 5 83 26 3 2 0 1 22 0 4 33 4 .252 .328 .367 .695
'21計 95 375 335 45 80 12 0 11 125 46 6 3 0 2 31 0 7 54 5 .239 .315 .373 .688
2022 109 352 324 36 60 13 1 10 105 35 2 0 0 4 22 1 2 65 4 .185 .239 .324 .563
2023 MIL 9 21 18 4 8 0 0 2 14 9 0 0 0 0 2 0 1 5 0 .444 .524 .778 1.302
MLB：5年 271 934 842 111 178 30 3 28 298 108 10 5 0 7 67 1 18 166 12 .211 .282 .354 .636
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集

内野守備
年
度		 球
団		 一塁（1B） 二塁（2B） 三塁（3B）
試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率		 試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率		 試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率
2019 HOU 1 4 0 0 1 1.000 - 24 14 37 2 4 .962
2020 4 18 3 0 2 1.000 1 1 1 0 0 1.000 14 9 22 0 3 1.000
2021 2 15 1 0 1 1.000 - 30 15 62 3 7 .963
SEA - 58 76 123 5 27 .975 2 0 2 0 0 1.000
'21計 2 15 1 0 1 1.000 58 76 123 5 27 .975 32 15 64 3 7 .963
2022 1 5 1 0 1 1.000 55 59 112 2 23 .988 31 23 40 4 3 .940
2023 MIL 2 11 0 0 3 1.000 - 4 0 5 1 0 .833
MLB 10 53 5 0 8 1.000 114 136 236 7 50 .982 105 61 168 10 17 .958
右翼守備
年
度		 球
団		 右翼（RF）
試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率
2022 SEA 1 0 0 0 0 ----
MLB 1 0 0 0 0 ----
  • 2023年度シーズン終了時

背番号 編集

  • 13（2019年、2021年 - ）
  • 31（2020年）

代表歴 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2019年シーズンのマイナーデータ
  2. ^ フランス語発音: [abʁaam ʒozɥe tɔʁo eʁnɑ̃dɛz][2], スペイン語発音: [a.βɾa.ˈãm xo.ˈswe ˈto.ɾo ɛɾ.ˈnãn̪.des][3], 英語発音: [ˈeɪbrəˌhæm ˈd͡ʒɑzʊɛ ˈtɔroʊ hɚˈnændɛz][4]
  3. ^ プロ入り当初の登録名はAbraham Toro-Hernandez
  4. ^ 2017年シーズンは三塁手として42試合に出場したほか、捕手としても15試合に出場した

出典 編集

  1. ^ Baseball-Reference 参照
  2. ^ “フランス語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2019年8月23日閲覧。
  3. ^ “スペイン語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2019年8月23日閲覧。
  4. ^ “英語のIPA発音記号変換（アメリカ英語）”. tophonetics.com. 2019年8月23日閲覧。
  5. ^ a b Jake Kaplan (2019年2月20日). “The French-Canadian-Venezuelan who’s become an under-the-radar Astros prospect”. en:The Athletic. 2019年8月22日閲覧。
  6. ^ Brad Kyle (2018年10月11日). “AFL Astros 2018: Abraham Toro-Hernandez, The Most Interesting Man On The Diamond”. The Runner Sports. 2019年7月10日閲覧。
  7. ^ Brian McTaggart (2016年6月10日). “Toro-Hernandez brings power, versatility to Astros”. en:MLB.com. 2019年7月10日閲覧。
  8. ^ Mark Berman (2016年6月12日). “Astros reach contract agreements with three top draft picks”. Fox 26 Houston. 2019年7月10日閲覧。
  9. ^ a b c MLB公式プロフィール参照
  10. ^ Mark Singelais (2017年6月16日). “Tri-City ValleyCats ready to begin path to majors”. Times Union. 2019年7月10日閲覧。
  11. ^ Steve Batterson (2017年8月16日). “Delayed arrival benefits Bandits' Toro-Hernandez”. en:Quad-City Times. 2019年7月10日閲覧。
  12. ^ Brian Achenbach (2017年8月10日). “Toro-Hernandez nabs Astros' Minor League honor”. The Dispatch–Argus. 2019年7月10日閲覧。
  13. ^ Marc-Antoine Gariepy (2018年5月15日). “Meet our Ambassadors: Abraham Toro”. b45baseball.com. 2019年7月10日閲覧。
  14. ^ Rodd Baxley (2018年6月11日). “Buies Creek Astros land 4 on Carolina League All-Star roster”. en:The Fayetteville Observer. 2019年7月10日閲覧。
  15. ^ Sonny Jones (2019年1月26日). “Woodpeckers: 68 days and counting - 15 from Creek in Astros’ camp”. en:The Fayetteville Observer. 2019年7月10日閲覧。
  16. ^ Bill Mitchell (2018年10月30日). “Abraham Toro Benefits From Arizona Fall League Stint”. ベースボール・アメリカ. 2019年7月10日閲覧。
  17. ^ William Boor (2018年11月10日). “Astros' Toro trending up after big day in AFL”. MLB.com. 2019年7月10日閲覧。
  18. ^ “Top 30 Prospects - MLB.com 2019 Prospect Watch”. MLB.com (2019年). 2019年8月24日閲覧。
  19. ^ Chandler Rome (2019年3月27日). “Astros set minor league rosters to begin 2019 season”. en:San Antonio Express-News. en:Houston Chronicle. 2019年7月10日閲覧。
  20. ^ a b Len Hayward (2019年7月6日). “Corpus Christi Hooks' infielder Abraham Toro back on track after rough June”. en:Corpus Christi Caller Times. 2019年7月10日閲覧。
  21. ^ Len Hayward (2019年6月14日). “Texas League All-Star Game: Four Hooks earn spots on South team”. Corpus Christi Caller Times. 2019年7月10日閲覧。
  22. ^ RotoWire Staff (2019年8月1日). “Astros' Abraham Toro: Promoted to Triple-A”. CBSスポーツ. 2019年7月10日閲覧。
  23. ^ Chandler Rome (2019年8月22日). “Astros call up utilityman Abraham Toro from Triple-A”. en:Houston Chronicle. 2019年8月22日閲覧。
  24. ^ “Detroit Tigers at Houston Astros Box Score, August 22, 2019”. en:Baseball-Reference.com. 2019年8月23日閲覧。
  25. ^ Zach Smith (2019年8月24日). “Express infielder Abraham Toro making the most of Triple-A promotion”. Hill Country News. 2019年8月24日閲覧。
  26. ^ Brian McTaggart (2018年8月29日). “Family, friends await Astros prospect in Canada”. MLB.com. 2019年9月2日閲覧。
  27. ^ “Mariners, Astros To Swap Kendall Graveman, Abraham Toro In Four-Player Trade” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月27日閲覧。
  28. ^ “Press release: Brewers acquire outfielder Jesse Winker and infielder Abraham Toro from Mariners”. www.mlb.com. 2022年12月3日閲覧。
  29. ^ “Sounds Release Tentative Opening Day Roster” (英語). MiLB.com (2023年3月31日). 2023年4月29日閲覧。
  30. ^ Garrett Brodeur (2019年4月11日). “Abraham Toro: Lesson learned? Only time will tell”. Diamond Digest. 2019年7月10日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

 

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