アメリカシロヒトリ

トモエガ科のガの一種

アメリカシロヒトリ(アメリカ白火取・亜米利加白火取、Hyphantria cunea)は、鱗翅目(チョウ目)ヒトリガ科の一種。

アメリカシロヒトリ
アメリカシロヒトリ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
上科 : ヤガ上科 Noctuoidea
: ヒトリガ科 Arctiidae
: Hyphantria
: アメリカシロヒトリ H. cunea
学名
Hyphantria cunea
Drury, 1773
和名
アメリカシロヒトリ
英名
Fall Webworm

分類 編集

本種の属するヒトリガ科は従来ヤガ上科に属する独立のとして扱われていたが、近年は Erebidae 科の亜科 Arctiinae として扱うことも多い。

分布 編集

北アメリカを原産地とする[1]

ヨーロッパ中国韓国日本北海道本州四国九州)に外来種として移入分布する[1]

日本では第二次世界大戦後、アメリカ軍の軍需物資に付いて渡来したとされる[2]1945年に東京で発見されたのを最初に山手線沿線、中央線沿線に広がり、その後関東地方を中心に分布を広げた。

 
アメリカシロヒトリの幼虫

特徴 編集

年2-3回の発生で卵で越冬する。卵は数百個単位で、3齢虫までは白い巣網の中で成長する。成虫は5月中旬から6月、7月下旬から9月頃に羽化する。食草は広く、サクラヤナギカキコナラリンゴなどおよそ100種類以上の樹木に害を及ぼす。成虫は長さ約1cm、翅を広げた大きさは約30mmで全体的に灰白色、体は赤味を帯びている。前翅には多数の小黒点があるが、2度目以降の発生種では黒点が消えかかる。

駆除 編集

刺されても人体への影響は少ないが、アレルギー反応を示す人には要注意。食害によりサクラやクルミ等の葉がすっかり無くなってしまう。用いられる殺虫剤は、スミチオンやオルトラン水和剤などが一般的。1970年代から80年代にかけ大発生したが、近年の猛暑で2023年現在、また大発生している地域もある。

参考文献 編集

  1. ^ a b アメリカシロヒトリ 国立環境研究所 侵入生物DB
  2. ^ 富岡多恵子『どこ吹く風』思潮社、1978年、222p頁。 

アメリカシロヒトリ 中公新書 伊藤嘉昭 編 1972

関連項目 編集