エイシンプレストン(欧字名:Eishin Preston :榮進寶蹄1997年4月9日 - )は、アメリカ合衆国生産、日本調教の競走馬種牡馬

エイシンプレストン
2001年6月3日 東京競馬場
欧字表記 Eishin Preston
香港表記 榮進寶蹄
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1997年4月9日
登録日 1999年9月30日
抹消日 2003年12月22日
Green Dancer
Warranty Applied
母の父 Monteverdi
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 ジョセフ E. ゲール
馬主 平井豊光
調教師 北橋修二
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牡馬(1999年)
生涯成績 32戦10勝
中央:27戦7勝
海外:5戦3勝
獲得賞金 8億7789万7700円[1]
中央:4億9106万7000円
香港:2460万香港ドル
IC M123 / 2001年[2]
I118 / 2002年・2003年[3][4]
勝ち鞍
GI 朝日杯3歳S 1999年
GI 香港マイル 2001年
GI QEII世C 2002年・2003年
GII NZT4歳S 2000年
GII 毎日王冠 2001年
GIII アーリントンC 2000年
GIII 北九州記念 2001年
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朝日杯3歳ステークス(1999年12月12日)

香港で国際G1を3勝したほか、1999年朝日杯3歳ステークスを制し、JRA賞最優秀3歳牡馬に選出されている。鞍上はデビューから引退まですべての競走で福永祐一が務めた。馬名の由来は冠名+アメリカの地名。

*日本では馬齢表記が2001年で変更されたので、競走名をのぞき現在の表記で統一する。

現役時代 編集

2歳 編集

1999年11月6日京都競馬場でデビューした。この時は2着だったが、2戦目の折り返しの新馬戦に勝利、1勝馬の身で朝日杯3歳ステークスに出走した。レースでは2番手から抜け出した1番人気の公営・笠松所属馬のレジェンドハンターを中団から差し切り、1分34秒7のタイムで優勝、同年のJRA賞最優秀3歳牡馬(旧称。現在のJRA賞最優秀2歳牡馬)を受賞した。

3歳 編集

2000年は初距離となる芝1800mのきさらぎ賞で始動、1番人気に支持されるが、8着に敗れた。しかし、マイル戦に戻ったアーリントンカップニュージーランドトロフィー4歳ステークスを連勝し、目標としていたNHKマイルカップに出走する予定であったが、レース前に骨折が判明し、半年の休養を余儀なくされた。

骨折が完治し、秋のスワンステークスで復帰、ほぼ最後方からのレースで上がり最速を出して6着に追い込み、得意のマイル戦となるマイルチャンピオンシップで4番人気に支持されるが、5着に終わった。

4歳 編集

2001年京都金杯から始動するが、14着に惨敗。ここで、陣営はダートを試してみることにし、根岸ステークスに出走した。しかし、ここでも12着と再び惨敗、11着馬からも6馬身離される大敗であった。その後も中山記念5着、ダービー卿チャレンジトロフィー2着、京王杯スプリングカップ6着、安田記念10着と苦戦するが、そのまま続戦し、米子ステークスで1年2ヶ月ぶりに勝利を挙げた。その後も北九州記念で1年3ヶ月ぶりの重賞制覇、関屋記念では3着、毎日王冠ではゴール前5頭の接戦を制して勝利し、マイルチャンピオンシップもゼンノエルシドから0.1秒差の2着と堅実な走りを続けた。

その後、年末の香港で行われる香港マイルに出走し、同馬は6番人気であったが、中団から鋭く伸びて2着に0.5秒差をつけて優勝、海外G1初制覇となった。香港マイルでの同馬の走りは高く評価され、国際クラシフィケーションのマイル部門では、サイレンススズカタイキシャトルが受けた122ポンドを超えて、日本調教馬として最高値となる123ポンドのレートが与えられた。この年の香港国際競走では、同日の香港ヴァーズステイゴールドが、香港カップアグネスデジタルが勝っており、日本調教馬が1日で3勝する活躍であった。

5歳 編集

2002年は中山記念から始動。60キロを背負い5着に敗れるが、再びアグネスデジタルと共に香港に渡りクイーンエリザベス2世カップに出走、2番人気と3番人気であったが、アグネスデジタルを破り日本馬ワンツーを決めた。しかし安田記念では5着、秋に入って連覇を狙った毎日王冠では2着、天皇賞・秋では8着、マイルチャンピオンシップではトウカイポイントにクビ差およばずの2着と日本国内では結果が出ず、年末は香港に渡り、今度は香港カップに出走したが内で終始包まれて抜け出せず、脚を余して5着に敗れた。

6歳 編集

2003年は斤量などの問題で適鞍がなく、中山ダート1800mで行われたフェブラリーステークスから始動するが、勝ったゴールドアリュールから6秒2差、前の馬からも大差で離されるレースでシンガリ負け。その後、香港のクイーンエリザベス2世カップ連覇を目指すが、社会的に問題となっていたSARSの感染拡大により、香港にも渡航自粛勧告が出されるなど遠征が危ぶまれた。最終的には無事に遠征し出走、1番人気に推され連覇を達成した。

その後休養に入り、秋に復帰するも毎日王冠3着、天皇賞・秋4着と結果が出ず、香港カップに出走するも7着に敗れ、このレースを最後に引退となった。

種牡馬時代 編集

競走成績 編集

以下の内容は、netkeiba.com[5]およびJBISサーチ[6]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)



オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1999.11.06 京都 3歳新馬 芝1600m(良) 13 6 8 003.00(2人) 02着 R1:35.9(34.9) -0.7 0福永祐一 54 ダイタクリーヴァ 460
0000.11.20 京都 3歳新馬 芝1600m(良) 9 7 7 002.30(2人) 01着 R1:35.6(35.5) -0.9 0福永祐一 54 (アドマイヤサーベル) 460
0000.12.12 中山 朝日杯3歳S GI 芝1600m(良) 16 5 10 008.50(4人) 01着 R1:34.7(35.6) -0.1 0福永祐一 54 レジェンドハンター 458
2000.02.13 京都 きさらぎ賞 GIII 芝1800m(良) 12 5 5 002.40(1人) 09着 R1:48.6(35.1) -0.6 0福永祐一 56 シルヴァコクピット 460
0000.02.26 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m(良) 12 8 12 002.50(1人) 01着 R1:35.7(34.8) -0.1 0福永祐一 56 (パープルエビス) 458
0000.04.08 中山 NZT4歳S GII 芝1600m(良) 15 7 12 001.90(1人) 01着 R1:34.4(35.0) -0.0 0福永祐一 56 (マチカネホクシン) 464
0000.10.28 京都 スワンS GII 芝1400m(良) 17 8 17 009.60(5人) 06着 R1:21.0(33.7) -0.6 0福永祐一 56 ダイタクヤマト 470
0000.11.19 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 1 2 005.70(4人) 05着 R1:33.2(35.6) -0.6 0福永祐一 55 アグネスデジタル 466
2001.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 16 8 16 004.00(2人) 14着 R1:34.5(34.8) -1.1 0福永祐一 56 ダイタクリーヴァ 476
0000.01.29 東京 根岸S GIII ダ1400m(不) 13 2 2 026.00(9人) 12着 R1:24.5(37.3) -2.4 0福永祐一 57 ノボトゥルー 466
0000.02.25 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 13 6 9 023.70(6人) 05着 R1:48.8(36.8) -1.1 0福永祐一 56 アメリカンボス 468
0000.04.01 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(稍) 14 6 10 005.40(3人) 02着 R1:35.5(34.9) -0.3 0福永祐一 58 チェックメイト 468
0000.05.13 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 18 3 6 006.50(3人) 06着 R1:20.4(33.7) -0.3 0福永祐一 58 スティンガー 468
0000.06.03 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 7 022.9(10人) 10着 R1:34.1(36.0) -1.1 0福永祐一 58 ブラックホーク 472
0000.06.23 阪神 米子S OP 芝1600m(良) 12 2 2 003.50(2人) 01着 R1:34.8(35.1) -0.2 0福永祐一 57 (トッププロテクター) 472
0000.07.15 小倉 北九州記念 GIII 芝1800m(良) 9 2 2 004.60(2人) 01着 R1:48.3(35.1) -0.3 0福永祐一 57 ロサード 476
0000.08.05 新潟 関屋記念 GIII 芝1600m(良) 9 6 6 003.60(1人) 03着 R1:32.2(32.6) -0.4 0福永祐一 58 マグナーテン 478
0000.10.07 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 12 8 12 008.80(5人) 01着 R1:45.3(35.0) -0.1 0福永祐一 58 (ロサード) 474
0000.11.18 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 5 9 006.50(2人) 02着 R1:33.3(33.7) -0.1 0福永祐一 57 ゼンノエルシド 476
0000.12.16 沙田 香港マイル G1 芝1600m(良) 14 3 01着 R1:34.8 0福永祐一 57.1 (Electronic Unicorn) 463
2002.02.24 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 14 6 9 002.90(1人) 05着 R1:45.9(34.9) -0.5 0福永祐一 60 トウカイポイント 476
0000.04.21 沙田 QE2世C G1 芝2000m(良) 14 3 01着 R2:02.5 0福永祐一 57 (Agnes Digital) 468
0000.06.02 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 7 13 002.90(1人) 05着 R1:33.6(34.7) -0.3 0福永祐一 58 アドマイヤコジーン 470
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 9 2 2 004.20(3人) 02着 R1:46.4(34.2) -0.3 0福永祐一 59 マグナーテン 474
0000.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 3 6 007.60(5人) 08着 R1:59.2(35.0) -0.7 0福永祐一 58 シンボリクリスエス 476
0000.11.17 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 3 6 009.60(3人) 02着 R1:32.8(34.2) -0.0 0福永祐一 57 トウカイポイント 478
0000.12.15 沙田 香港C G1 芝2000m(良) 12 3 05着 R2:07.2 -0.1 0福永祐一 57 Precision 475
2003.02.23 中山 フェブラリーS GI ダ1800m(稍) 16 7 14 018.50(6人) 16着 R1:57.1(41.9) -6.2 0福永祐一 57 ゴールドアリュール 472
0000.04.27 沙田 QE2世C G1 芝2000m(良) 12 1 01着 R2:03.8 -0.3 0福永祐一 57 (Elegant Fashion) 470
0000.10.12 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(稍) 11 5 5 009.70(3人) 03着 R1:46.2(34.9) -0.5 0福永祐一 59 バランスオブゲーム 486
0000.11.02 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 1 2 007.50(3人) 04着 R1:58.5(34.4) -0.5 0福永祐一 58 シンボリクリスエス 480
0000.12.14 沙田 香港C G1 芝2000m(良) 14 4 07着 R2:02.2 -1.3 0福永祐一 57 Falbrav 480

血統表 編集

エイシンプレストン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ニジンスキー系
[§ 2]

Green Dancer
1972 鹿毛
父の父
Nijinsky
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
父の母
Green Valley
1967 黒鹿毛
Val de Loir Vieux Manoir
Vali
Sly Pola Spy Song
Ampola

Warranty Applied
1986 栗毛
Monteverdi
1977 栗毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Janina Match
Jennifer
母の母
Implied Warranty
1979 栗毛
Blood Royal Ribot
Natashka
Garden Fresh Better Self
Rosy Fingered
母系(F-No.) (FN:3) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer3×4=18.75% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ エイシンプレストン 5代血統表2017年9月11日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com エイシンプレストン 5代血統表2017年9月11日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ エイシンプレストン 5代血統表2017年9月11日閲覧。
  4. ^ netkeiba.com エイシンプレストン 5代血統表2017年9月11日閲覧。


脚注 編集

  1. ^ 競走馬情報 - エイシンプレストン”. 日本中央競馬会. 2023年4月10日閲覧。
  2. ^ 優駿』、日本中央競馬会、2002年2月、70頁。 
  3. ^ 優駿』、日本中央競馬会、2003年2月、77頁。 
  4. ^ THE 2003 INTERNATIONAL CLASSIFICATIONS” (PDF). IFHA. 2021年10月3日閲覧。
  5. ^ エイシンプレストンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年9月18日閲覧。
  6. ^ エイシンプレストン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年9月18日閲覧。

外部リンク 編集