エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ

エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズEdie Brickell & New Bohemians)は、1980年代半ばにテキサス州ダラスで生まれたオルタナティヴ・ロックジャム・バンド。アルバム『星に輪ゴムを』からの、1988年のヒット曲「ホワット・アイ・アム」で広く知られている。彼らの音楽はロックフォークブルース、そしてジャズの要素を含んでいる。1990年のセカンド・アルバム『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』のリリース後、リード・シンガーであるエディ・ブリケルがバンドを脱退し、シンガーソングライターポール・サイモンと結婚した。2006年、彼女とバンドは新しいウェブサイトを立ち上げ、ニュー・アルバム『Stranger Things』をリリースした。

エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ
Edie Brickell & New Bohemians
別名 New Bohemians
The Slip
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
テキサス州ダラス
ジャンル オルタナティヴ・ロックフォークロック、ジャングル・ポップ、ネオ・サイケデリア、サザン・ロックジャム・ロック
活動期間 1985年 - 1991年1997年 -
レーベル ゲフィン・レコード
公式サイト www.ebnewbos.com
メンバー ブランドン・アリー
エディ・ブリケル
ジョン・ブッシュ
ブラッド・ハウザー
ケニー・ウィズロウ
旧メンバー エリック・プレスウッド
ウェス・バート・マーティン
マット・チェンバレン
カーター・アルブレヒト

略歴 編集

初期の歴史 編集

ニュー・ボヘミアンズは、1980年代初頭にスリーピースバンドとしてスタートし、ダラスの新しいダウンタウンであったディープエルム地区で経験を積んだ。オリジナルのラインナップは、ヴィブラスラップ担当のブラッド・ハウザー、ギター担当のエリック・プレスウッド、ドラム担当のブランドン・アリーをフィーチャーしていた。

ドラマーのアリー、ギタリストのケニー・ウィズロウ、そしてパーカッショニストのジョン・ブッシュは、テキサス州ダラスにある同じ芸術のマグネット・スクール、「舞台芸術とビジュアルアートのためのブッカーT.ワシントン高校」に通っていた。歌手のエディ・ブリケルもこの学校に行っていたが、他のメンバーたちは後々まで彼女を知らなかった。ハウザーによると、エディはアートを学ぶために在籍していた[1]。ハウザーはヒルクレスト高校に通っていて、他のメンバーと同じ近所に住んでいた。ハウザーは、Munch Puppiesに在籍するほか、ケニーを含むThe Knobsのようなさまざまな近所の仲間で組んだバンドで演奏した。

バンドの核となる追加メンバーは1985年に加わった。エディはライブ中にステージ上のバンドに加わるよう促され、ボーカルとして参加することとなった。その最初のライブ・ショーの直後に、Rick's Casablancaでバンドをブッキングしていた地元エージェントが、バンドを観るために連れて来られた。バンドは彼と6ヵ月契約の署名を交わした。半年が過ぎたとき、彼らはディープエルムで定期的なギグを開始した[2]。プレスウッドが脱退し、ケニー・ウィズロウがギタリストとして参加することとなり、1985年7月にダラスのStarck Clubでの初ライブを行った。ジョン・ブッシュはその年の9月にパーカッションとして参加することになった。彼が加わったバンドの最初のライブは、ボ・ディドリーのバック・バンドを務めたダラスのPoor David's Pubで、1985年9月12日のことだった。

「New Bos (ニュー・ボヘミアンズの略称)」は、地元のお気に入りとなり、Theatre Gallery、500 Cafe、Club Dadaなど、現在でも有名なディープエルムのライブ会場にファンが集まるようになった。ボヘミアンズはまた、テキサス州デントンにあるノーステキサス大学のキャンパスで毎年開催される「Fry Street Fair」に定期的に出演した。バンド史において、この期間中、エディの名前はバンド名に使われていなかった。

デビュー・アルバム『星に輪ゴムを』は、商業的成功を収め、アメリカでのトップ10ヒット・シングル「ホワット・アイ・アム」を世に送り出した[3]。続くアルバム『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』はそれほど成功しなかった。アルバムのリリース後まもなくニュー・ボヘミアンズは解散した[4]

最近の動向 編集

その後、ニュー・ボヘミアンズはコンピレーション・アルバムとライブ・アルバムをリリースし、新しいマテリアルを録音した。1990年代半ばに、ブリケル、ブッシュ、ウィズロウは、ザ・スリップ (The Slip)として再会を果たした[5]。1997年にニュー・ボヘミアンズとしての再結成が実現。2006年、アルバム『Stranger Things』のリリースのために現在のメンバーがレコーディングとツアーで再会することとなった。

2007年9月3日、ダラスで当時のメンバーであったカーター・アルブレヒトが殺害された[6]

バンドの曲「Circle」が、ドラマ『コールドケース 迷宮事件簿』と『アグリー・ベティ』のエピソードに使用され、2013年にはポップ・パンク・バンド、ボウリング・フォー・スープによってアルバム『Lunch. Drunk. Love.』でカバーされた。

2014年10月に開催されたノース・オーククリフ・ミュージック・フェスティバルでは、現在のラインナップで、キーボード奏者にしてマルチインストゥルメンタリストのマット・ハバードと共演した。

2017年4月、オーククリフにあるケスラー・シアターでのライブに招聘されて再結成。3夜のライブは完売となった[7]。これらのショーは、学校以外では芸術に触れる機会を持てない才能ある学生たちに、ワールドクラスの音楽教育を提供するオーククリフの学校「La Rondalla」にとって有意義なものとなった。ケニー・ウィズロウは学校の先生となり、生徒たちにステージに上がって歌を歌うよう招き入れた。

2018年、アルバム『Rocket』を伴い再始動。2021年にはアルバム『Hunter and the Dog Star』をリリースした[8]

メンバー 編集

現在のラインナップ 編集

  • ブランドン・アリー (Brandon Aly) – ドラム
  • エディ・ブリケル (Edie Brickell) – ボーカル
  • ジョン・ブッシュ (John Bush) – パーカッション
  • ブラッド・ハウザー (Brad Houser) – ベース、管楽器
  • ケニー・ウィズロウ (Kenny Withrow) – ギター

旧メンバー 編集

  • カーター・アルブレヒト (Carter Albrecht) – キーボード、ギター、ハーモニカ、バック・ボーカル (2007年死去)
  • ウェス・バート・マーティン (Wes Burt-Martin) – ギター
  • マット・チェンバレン (Matt Chamberlain) – ドラム
  • エリック・プレスウッド (Eric Presswood) – ギター
  • クリス・ウィートリー (Chris Wheatley) – キーボード
  • クリス・ウィットン (Chris Whitten) – ドラム
  • ポール・ウィッケンズ (Paul Wickens) – キーボード

ディスコグラフィ 編集

アルバム 編集

  • 星に輪ゴムを』 - Shooting Rubberbands at the Stars (1988年)
  • 『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』 - Ghost of a Dog (1990年)
  • The Live Montauk Sessions (1999年) ※ライブ・アルバム
  • The Ultimate Collection (2002年) ※コンピレーション・アルバム(エディのソロ、ザ・スリップの楽曲を含む)
  • Stranger Things (2006年)
  • Rocket (2018年)
  • Hunter and the Dog Star (2021年)

シングル 編集

脚注 編集

  1. ^ Spin magazine, March 1989, Vol 4, Number 12
  2. ^ D Magazine January 1989
  3. ^ Billboard > Edie Brickell & New Bohemians > Chart History > The Hot 100”. Billboard. 2018年12月6日閲覧。
  4. ^ Edie Brickell & New Bohemians: Biography and History”. AllMusic. 2015年12月25日閲覧。
  5. ^ What It Is Edie Brickell Andy Langer, June 2, 2000, The Austin Chronicle, Retrieved February 8, 2008
  6. ^ “New Bohemian shot dead by girlfriend's neighbor”. Brooklyn Vegan. (2007年9月4日). https://www.brooklynvegan.com/new-bohemian-sh/ 2021年3月16日閲覧。 
  7. ^ http://www.dallasobserver.com/slideshow/edie-brickell-and-the-new-bohemians-pack-the-kessler-9378282
  8. ^ Edie Brickell & New Bohemians Master Mood with 'Hunter and the Dog Star' (Album Review)”. glidemagazine.com. Glide Magazine (2021年2月18日). 2021年2月22日閲覧。

外部リンク 編集