カンガルールート
カンガルールートとは、ヨーロッパとオーストラリアやニュージーランドを東半球経由で結ぶ航空路線の名称である。現在の飛行機の性能上の問題から、一般的にジェット燃料補給または乗り換えを必要とする。
概要 編集
旅客機の乗り継ぎ場所としては、主に東南アジアの空港が使われることが多いが、東アジア・中東・南アフリカ経由での旅行も可能である。北アメリカ・南アメリカ経由の場合は、「サザンクロス(南十字星)ルート」という。
カンガルーの名称が使われる理由としては、
- オーストラリアを代表する動物である点
- カンガルーのように次々と飛び跳ねるように飛行する点、が挙げられる。
この両地域はほぼ地球の真裏(ロンドン~シドニー間は約1万7000km)に位置し非常に遠いが、オーストラリアやニュージーランドには欧州系(特にイギリス系)の移民が多いことから、親族訪問などの定期的に発生する流動があるため。この区間の航空需要は非常に多く、また超長距離線となり高い運賃設定が可能であるため、ドル箱路線として長らく激しい競争が繰り広げられてきた。現在では乗り継ぎ空港としての使い勝手のよさなどからシンガポールのチャンギ国際空港を使うのが最も一般的である(実際、同空港をハブ空港とするシンガポール航空の他、ブリティッシュ・エアウェイズ、エミレーツ航空もこの空港を経由する航路を提供している)が、香港国際空港を利用する航空会社も出始めている(ヴァージン・アトランティック航空やニュージーランド航空)。また中東3社も本腰を入れ、特にカンタス航空がエミレーツ航空と提携したことにより、カンタスの経由地もドバイ国際空港に切り替わったことで、ドバイの比重が高くなっている。また、近年はカタール航空の需要が高まっているが、カタールの周辺諸国との断交によるカタール籍の飛行機の飛行制限によりカタール航空の運賃の値上げが見込まれるため利用者がエミレーツ航空などに流れると思われる。
カンタス航空が2016年パース~ロンドン(ヒースロー)線を2018年3月からボーイング787で運行することを発表したため初めての定期便によるイギリス~オーストラリアの直行便が運航される。
その他では、バンコクの「スワンナプーム国際空港」、クアラルンプールの「クアラルンプール国際空港」を経由するルートもある。