ギミック!』(Gimmick!)はサン電子(サンソフト)が制作・発売したテレビゲームソフト。原典(オリジナルプラットフォーム)は ファミリーコンピュータ用ソフトとして、日本では1992年1月31日にリリースされた。日本国外では『Mr.Gimmick!』のタイトルで発売された。

[FC]ギミック!
[AC]ギミック!EXACT★MIX
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 [FC]サンソフト
[AC]exA-Arcadia TEAM EXA-AM1
発売元 [FC]サンソフト
[AC]exA-Arcadia
ディレクター 酒井智巳
デザイナー 酒井智巳
プログラマー 酒井智巳
諸田直久(サウンド)
音楽 [FC]影山雅司
[AC]並木学
美術 酒井智巳
駕屋ひろゆき
人数 1人
メディア 3メガビットロムカセット
発売日 [FC]日本 199201311992年1月31日
ヨーロッパ 199305191993年5月19日

[AC]2020年12月28日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
その他 型式:ヨーロッパ NES-G8-SCN
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後年、他のテレビゲーム機用ソフトおよびパソコン用ゲームとして何度か移植された(詳細は#他機種版を参照)

2020年12月28日からは、いわゆる「アーケードゲーム」版として、『ギミック!EXACT★MIX』のタイトルで日本のアミューズメント施設を始めとした各国の商業施設にて稼働を開始。(基板exA-Arcadiaを使用)

概要 編集

タイトルの「ギミック」は「仕掛け」という意味で、そのタイトル通りプレイヤーの心理を読んだ様々な仕掛けが登場する。説明書ではその開発意図が掲載されている。

横スクロールタイプのアクションゲームで、プレイヤーは主人公「ゆめたろー」を操作し、ゲームを進めていく。Aボタンでのジャンプの他、Bボタンの長押しでエネルギーをためて星を放つことができる。この星は放物線を描きながら地形にバウンドするようになっており、そのまま敵にぶつけて攻撃したり、上に乗って高速で移動する足場にしたりなど様々なことに利用可能(加速度(後述)が0になると消失)。また、3つまでアイテムをストックして、任意に使用(上+B。下で選択)することができる。

各キャラクターには動きの加速度が設定されており、坂道や星を駆使することで加速することができる。攻撃に使用する星も同様で、ゆめたろーの移動やジャンプでの加速度に応じて速度やバウンドの高さが変化する。

体力制と残機制を併用した形となっており、残機は獲得スコアによるエクステンド方式。体力の最大値は増加式となっており、最大4つまで増える。

アイテム 編集

前述のようにアイテムは3つまでストックする事ができ、下ボタンで選択、上+Bで使用する事ができる。また、アイテムを3つ所持している状態だとアイテムの入ったビンを押すことができるようになり、更にビンを2つ重ねると1UPアイテムへと変化する。

  • (ピンク) - 体力を全回復させる。
  • 爆弾 - 投げると爆発して広範囲にダメージを与える。
  • 貫通弾 - 敵を貫通する弾を発射する。
  • 薬(オレンジ) - 体力の最大値が1つアップし、更に体力を全回復させる。体力の最大値は4つまで増えるが、ステージをクリアするとまた最大値は2へと戻る。ストックする事はできない。
  • 1UP - 残機が1つ増える。

設定 編集

ストーリー 編集

とある人間の女の子の誕生日。家族が一緒にそろえる楽しい日にプレゼントの箱を開けた女の子は、出てきた愛らしい姿をしたぬいぐるみをとても気に入った。そのぬいぐるみの様な生き物「ゆめたろー」は、ふらりと立ち寄ったぬいぐるみのお店の中で思わずぬいぐるみの山へと隠れたところ、似た姿のぬいぐるみと間違われてそのまま連れてこられたのであった。

ゆめたろーをめいいっぱい可愛がる女の子を見て、過去の誕生日に毎回贈られたぬいぐるみ達はやきもちと不安を抱いてしまう。とある日の夜、ぬいぐるみ達が動き出し、眠っている女の子を別の空間に連れて行ってしまう。その光景を家具の上から目の当たりにしたゆめたろーは、自身もぬいぐるみ達と女の子を探しに異世界へ向かうのであった。

ステージ構成 編集

ステージ ボス ステージBGM
STAGE1 巨大おはぎ HAPPY BIRTHDAY
STAGE2 カイゾク GOOD WEATHER
STAGE3 やどカマ 前半 - SLOW ILLUSION
後半 - PARADOX
STAGE4 ひよこ PARADIGM
STAGE5 レーザー砲台おはぎ&多足歩行メカ LION HEART
STAGE6 大魔法使いおはぎ 前半 - INNOCENT
後半 - CADBURY
STAGE7 ??? SOPHIA (TAKE 2)

各ステージには特殊な工程で進める隠しエリアが存在しており、全てのステージの隠しエリアにある隠しアイテムを入手することでステージ7に進むことが可能となる。

他機種版 編集

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 メモリアル☆シリーズ
SUNSOFT Vol.6
  200211212002年11月21日
PlayStation サンソフト サンソフト CD-ROM SLPS-03486 - バトルフォーミュラ』とのカップリング
2 ギミック!   201006082010年6月8日
Windows サンソフト D4エンタープライズ ダウンロード
プロジェクトEGG
- -
3 メモリアル☆シリーズ
SUNSOFT Vol.6
  201012222010年12月22日
PlayStation 3
PlayStation Portable
PlayStation Vita
PlayStation Network
サンソフト サンソフト ダウンロード
ゲームアーカイブス
- - PS版をPS3・PSVでプレイ可能にしたDL専売版
4 ギミック!EXACT★MIX   202012282020年12月28日
exA-Arcadia exA-Arcadia exA-Arcadia カートリッジ EXA-019 - アーケード専用のリメイク
5 ギミック!SPECIAL EDITION
memory clip 003
ダウンロード版
  2023年7月6日[1][2]
パッケージ版
  202312072023年12月7日
Nintendo Switch
PlayStation 4
Xbox One
Steam
シティコネクション
Bitwave Games
シティコネクション
SUPERDELUXE GAMES
(パッケージ版 日本販売)
Limited Run Games
(パッケージ版 海外販売)
ダウンロード
Switch専用ゲームカード,BD-ROM
(パッケージ版)
- - ファミコン版の移植
『ギミック!EXACT★MIX』について
基板exA-Arcadiaを使用。純粋な移植版ではなく映像比率が16:9に調整されグラフィックやゲーム内BGMがグレードアップされているほか、ファミコン版の取扱説明書に文章と簡単なイラストで掲載されていた序盤のストーリーを基にビジュアル化したオープニングデモおよびエンディングデモが追加されている。
本編はオリジナルを踏襲しつつゲームバランスを調整したモードと、「タイムアタックモード」が二つ搭載。プレイ開始時に選択する。
SPECIAL EDITIONについて
DL版販売を担当する「シティコネクション」社が展開する8bit系レトロゲーム移植シリーズ「memoly clip」第3作目。ゲームプレイ中いつでも「クイックセーブ&ロード」およびプレイを数秒前の状態に戻してプレイし直せる「巻き戻し」機能がついた「ノーマルモード」を搭載している。
これらの便利機能が封印され当時そのままの状態でプレイする「シリアスモード」や一刻も早いゲームクリアに挑戦する「スピードランモード」もあり。「シリアスモード」には「実績」 が後付けで全25ポイント実装されており、これを解除する事も目的の一つとなる。「スピードランモード」ではインターネットを利用したワールドランキングも随時確認出来る。

スタッフ 編集

  • ゲーム・デザイナー:酒井智巳
  • プログラマー:酒井智巳
  • キャラクター・デザイナー:酒井智巳、駕屋ひろゆき
  • グラフィック・デザイナー:駕屋ひろゆき
  • サウンド・コンポーザー:影山雅司
  • サウンド・プログラマー:諸田直久
  • スペシャル・サンクス:浅田明弘、瀬谷辰宇、なりたとしひこ
  • ディレクター:酒井智巳

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー5/10点[3]
5/10[3]
4/10[3]
8/10[3]
ファミ通26/40点[4]
Official Nintendo Magazine91%[5]
ファミリーコンピュータMagazine18.5/30点[6]
Nintendomagasinet6/10点[7]
ハード末期に発売された名作ゲーム集肯定的[8]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは、7・8・5・6の合計26点(満40点)となっており[9][4]、レビュアーの意見としては、「細部まで凝ってるし、敵は敵らしく動いてくれるし、ひさびさによくできたアクションゲームを見たなあという思い。ただし、けっこー難しい。アクションが好きな人じゃないと駄目だと思う」などと評されている[9]
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.5点(満30点)となっている[6]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.4 3.1 3.0 3.0 3.1 2.9 18.5
  • 桜井政博[10]は本作を絶賛しており、自身がディレクションを手がけ本作と同年に発売された『星のカービィ』と比較して「パーフェクトに負けた」と舌を巻いている[11]
  • 宮本茂[12]は本作の出来を認め、「『ギミック!』は遊べますね」とコメントしていた事が明らかになっている[13]
  • ゲームムック『ハード末期に発売された名作ゲーム集』では「コミカルな世界観とは異なった硬派なアクションゲームとして存分にやり込むことができる」と評されている[8]

その他 編集

ファミコン末期の作品であり、かなり流通量が少なかったことから、販売品ソフトであるにもかかわらずカセットのみの中古品が3万円で取引された実績がある[14]

このゲームはコピーガードが存在し、ステージ7の城に書かれる黒い虫を描画するときに特定のメモリが正常に読み込まれないと「BLACK HOLE」のみ表示される状態になる[15]

脚注 編集

  1. ^ ばしょう (2023年7月6日). “ぬいぐるみに連れ去られた女の子を救え。ダウンロード版「ギミック! SPECIAL EDITION」が本日配信開始”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年7月11日閲覧。
  2. ^ 『ギミック! スペシャルエディション』ダウンロード版が本日(7/6)発売。“スピードランモード”の記録を競うTwitterキャンペーン開催”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年7月6日). 2023年7月11日閲覧。
  3. ^ a b c d “Mr. Gimmick”. Electronic Gaming Monthly (Sendai Publishing Group): p. 130. (1992年7月) 
  4. ^ a b ギミック! まとめ [ファミコン]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2016年7月10日閲覧。
  5. ^ Nintendo Magazine System May 1993. Issue #8. pp. 36–39.
  6. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、34頁、雑誌26556-4/15。 
  7. ^ “Mr. Gimmick”. Power Player (Sweden: Atlantic Förlags AB). (1993年5月) 
  8. ^ a b 『ハード末期に発売された名作ゲーム集』、マイウェイ出版、2021年8月15日、16頁。 
  9. ^ a b ファミコン通信』、アスキー、1992年2月7日。 
  10. ^ 星のカービィシリーズ』や『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』などを手がける。
  11. ^ 「週刊ファミ通2011年2月10日17日合併号(エンターブレイン)
  12. ^ マリオシリーズ』や『ゼルダの伝説シリーズ』などを手がける。
  13. ^ 世界のミヤモトが認めた名作ゲーム『ギミック!』を生んだプログラマー・酒井智巳インタビュー!” (日本語). 日刊サイゾー (2011年8月19日). 2020年10月29日閲覧。
  14. ^ 株式会社QBQ編 『懐かしファミコン パーフェクトガイドマガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784906735891 p105
  15. ^ [1]

外部リンク 編集

※ 下記は非公式のゲームデータベースサイトにおける本作の情報ページ(英語表記。海外版のパッケージ画像も閲覧できる)