ケンタウルス座ケンタウルスざ、ラテン語: Centaurusは、現代の88星座の1つで、プトレマイオスの48星座の1つ[4]古代ギリシアローマの伝承に登場する半人半馬の獣人ケンタウロスをモチーフとしている[1]。南天の大きな星座で、全天21個の1等星に数えられるα星β星ω星団など、明るい天体が多い。日本など北半球の中緯度地域からは星座の南側の領域を見ることができない。

ケンタウルス座
Centaurus
Centaurus
属格 Centauri
略符 Cen
発音 英語発音: [sɛnˈtɔrəs]、属格:/sɛnˈtɔraɪ/
象徴 ケンタウロス[1]
概略位置:赤経  11h 05m 20.9s -  15h 03m 11.1s[2]
概略位置:赤緯 −29.99° - −64.68°[2]
正中 5月20日
広さ 1060.422平方度[3]9位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
69
3.0等より明るい恒星数 9
最輝星 α Cen(-0.1
メシエ天体 0
隣接する星座 ポンプ座
りゅうこつ座
コンパス座
みなみじゅうじ座
うみへび座
てんびん座(角で接する)
おおかみ座
はえ座
ほ座
テンプレートを表示

主な天体 編集

恒星 編集

α星とβ星の2つの1等星のほか、γ星[5]、ε星[6]、η星[7]、θ星[8]の4つの2等星がある。α星とβ星の2星を結んだ線分をβ星方向に延長すると南十字星にたどり着くため、英語ではこの2星のペアを the pointer stars と呼んでいる[9]

2023年6月現在、国際天文学連合 (IAU) によって9個の恒星に固有名が認証されている[10]

  • α星:全天21の1等星の1つ。三重星系で、G型主系列星のA星とK型主系列星のB星の連星系の周囲を赤色矮星のC星が周回している。A・B星のペアを合成した見かけの明るさは、シリウスカノープスに次いで全天で3番目に明るく見える[11]太陽系の最も近くにある恒星系であり、中でもC星は、太陽系から最も近い位置にある[12]リギル・ケンタウルス (Rigil Kentaurus) やトリマン (Toliman) という通称が知られていたが、2016年11月にIAUの恒星の命名に関するワーキンググループによって、リギル・ケンタウルスはA星の、トリマンはB星の固有名として認証された[10]
  • β星:全天21の1等星の1つ。太陽系から約390 光年の距離にある三重星系[27]で、ともにB型星のAaとAbの連星の周囲を、これもB型のB星が周回している[28]。A星系は分光連星で、Aa星(1.29 等)とAb星(1.44 等)を合わせた見かけの明るさは0.58 等となる[29]。2016年の研究では、Aa星は太陽の約12倍、Ab星は約10.6倍の質量を持ち、互いを約357日の周期で周回しているとされた[28]。2016年にIAUの恒星の命名に関するワーキンググループ (WGSN) によって、Aa星にアラビア語由来の「ハダル[14](Hadar[10])」という固有名が認証された。これとは別に、「ひざ」を意味するラテン語に由来する「アジェナ (Agena)[30]」という名称で呼ばれたこともあった。
  • θ星:太陽系から約59 光年の距離にある、見かけの明るさ2.05 等、スペクトル型K0-IIIbの巨星で、2等星[8]。「メンケント[14](Menkent[10])」という固有名を持つ。
  • HD 102117:太陽系から約129 光年の距離にある、見かけの明るさ7.45 等、スペクトル型G6VのG型主系列星で、7等星[31]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でピトケアン諸島に命名権が与えられ、主星は Uklun、太陽系外惑星は Leklsullun と命名された[32]
  • HD 117618:太陽系から約123 光年の距離にある、見かけの明るさ7.17 等、スペクトル型G0VのG型主系列星で、7等星[33]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でインドネシア共和国に命名権が与えられ、主星は Dofida、太陽系外惑星は Noifasui と命名された[32]
  • WASP-15:太陽系から約935 光年の距離にある、見かけの明るさ10.910 等、スペクトル型F7の恒星で、11等星[34]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でコートジボワール共和国に命名権が与えられ、主星は Nyamien、太陽系外惑星は Asye と命名された[32]
  • HIP 65426:太陽系から約351 光年の距離にある、見かけの明るさ6.98 等、スペクトル型A2VのA型主系列星で、7等星[35]2022年から2023年にかけてIAUが実施したキャンペーン「NameExoWorlds 2022」でメキシコ合衆国の先住民族ソケ族の言語ソケ語スペイン語版由来の提案が採用され、主星は Matza、太陽系外惑星は Najsakopajk とそれぞれ命名された[36]

他にも、以下のような恒星が知られている。

  • γ星:太陽系から約130 光年の距離にある連星系[5]で、A型のスペクトルを持つ準巨星2つが約84.5年の周期で互いに周回している[37]。A星(2.82 等)とB星(2.88 等)を合わせた見かけの明るさは2.17 等で[5][38]、ケンタウルス座で3番目に明るく見える。Muhlifain[30]という名称が知られていたが、これはおおいぬ座γ星の固有名が誤って転用されたもの[30]であり、IAUのWGSNからも認証されていない[10]
  • δ星:太陽系から約532 光年の距離にある、見かけの明るさ2.52 等、スペクトル型B2VneのB型主系列星で、3等星[39]。スペクトル中に顕著な水素の輝線が見られる「Be星」で、約1.923日の周期で2.51 等から2.65 等の範囲で変光する[40]。2008年の研究では、2.50 等の主星と5.40 等の伴星からなる連星系であるとされた[41]
  • ε星:太陽系から約427 光年の距離にある、見かけの明るさ2.30 等、スペクトル型B1IIIの青色巨星で、2等星[6]変光星としては、脈動変光星の分類の1つ「ケフェウス座β型変光星 (BCEP)」に分類されており、2.29 等から2.31 等の範囲を0.1694日の周期で変光している[42]
  • ζ星:見かけの明るさ2.55 等、スペクトル型B2.5IVの青色準巨星で、3等星[43]。連星であるとされるが、伴星に関しては8.02日という公転周期以外の情報が得られていない[44]
  • η星:見かけの明るさ2.31 等、スペクトル型B2Ve のB型主系列星で、2等星[7]。太陽系に最も近いOBアソシエーションである「さそり–ケンタウルス座アソシエーション」に属するとされる。
  • ι星:太陽系から約58.2 光年の距離にある、見かけの明るさ2.73 等、スペクトル型kA1.5hA3mA3VaのA型主系列星で、3等星[45]
  • κ星:太陽系から約437 光年の距離にある、見かけの明るさ3.11 等、スペクトル型B2IVの青色準巨星で、3等星[46]。太陽系に最も近いOBアソシエーションである「さそり–ケンタウルス座アソシエーション」のサブグループ「Upper Centaurus–Lupus」に属するとされる[47]
  • λ星:太陽系から約394 光年の距離にある、見かけの明るさ3.14 等、スペクトル型B9IIIの青色巨星[48]。17世紀後半にイギリスの天文学者エドモンド・ハリーが考案した星座「Robur Carolinum(チャールズの樫)」に組み込まれたことがあった[49]
  • μ星:太陽系から約387 光年の距離にある、見かけの明るさ3.43 等、スペクトル型B2VnpeのBe星で、3等星[50]。「さそり–ケンタウルス座アソシエーション」のサブグループ「Upper Centaurus–Lupus」に属するとされる[47]
  • ν星:太陽系から約325 光年の距離にある、見かけの明るさ3.386 等、スペクトル型B2VのB型主系列星で、3等星[51]。「さそり–ケンタウルス座アソシエーション」のサブグループ「Upper Centaurus–Lupus」に属するとされる[47]
  • WG 22:太陽系から約48.4 光年の距離にある白色矮星で、14等星[52]トリプルアルファ反応で生成された炭素酸素で構成されていると考えられている。白色矮星は冷却が進むと内部から結晶化すると予想されており、1995年に結晶化理論を検証するための観測対象候補とされた[53]。研究者からは、ビートルズの楽曲『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』にちなんで「ルーシー (Lucy)」とも呼ばれている[54]

星団・星雲・銀河 編集

天の南極に近いためメシエ天体こそないものの、6つの天体がパトリック・ムーア英語版がアマチュア天文家の観測対象に相応しい星団・星雲・銀河を選んだ「コールドウェルカタログ」に選ばれている[55]

由来と歴史 編集

有史以前から古代ギリシア・ローマ期 編集

ケンタウルス座は非常に長い歴史を持つ星座で、その原型は紀元前5千年紀頃の古代メソポタミアで考えられた獣人 MUL.GUD.ALIM まで遡るとされる[79]。この獣人は人頭牛身の2腕4脚または直立した2腕2脚の姿で描かれたことから、「バイソンマン (: the Bison-Man)」や「ブルマン (: the Bull-Man)」と呼ばれている[79]。この獣人の星座は、紀元前3千年紀後半頃には姿を変えてイノシシの星座と見なされていた[79]。このメソポタミア地方の星座の意匠がいつ頃地中海地域に伝えられたのかは定かではないが、紀元前4世紀頃にアナトリア半島クニドスで活動した天文学者エウドクソスの著書『ファイノメナ (古希: Φαινόμενα)』には既にケンタウルス座についての言及があったとされる。エウドクソスの『ファイノメナ』は現存していないが、エウドクソスの著述を元に紀元前3世紀の詩人アラートスが詩作した詩編『ファイノメナ』には、ケンタウルス座の詩が詠われている[80]

古代ギリシア・ローマでは、みなみじゅうじ座の星々はケンタウロスの後ろ足の部分とされた[81]。また、現在のおおかみ座の星々もケンタウルス座の一部と考えられていた[82]。当時は「半人半馬のケンタウロス (古希: Κένταυρος」と「ケンタウロスに槍で突かれようとしている野獣 (古希: Θηρίον)」の2つの描像をまとめて1つの星座としており[82]紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースの『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμοί)』や、1世紀初頭頃の著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (: De Astronomica)』では、ケンタウロスの部分には24個、野獣の部分には10個の星があるとしていた[81]。これに対して、2世紀頃にアレクサンドリアで活躍したクラウディオス・プトレマイオスは、天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』の中で、ケンタウロスと野獣を2つの星座に分割した[82]上で、より暗い星もケンタウルス座に加えて星の数を37個まで増やした[81]

地球の歳差運動によって起こる地軸の移動のため、ケンタウルス座の天上での位置は時代を経るごとに南へと移動している。そのため、プトレマイオスが活動した2世紀頃のアレクサンドリアからはその全域を見ることができた[4][14]が、次第に欧州や地中海沿岸の領域では地平線下から上がってこない星が増えていった。

16世紀以降 編集

大航海時代を迎え、それまで観測できなかった南天の星々についての情報が西洋にもたらされるようになると、それを天球儀星図に反映させようとする気運が生まれた。1595年から1597年にかけて行われたオランダの第1次東インド遠征英語版に帯同したオランダの航海士ペーテル・ケイセルは、南天を観測してその詳細な記録を残した[83][84]。ケイセルは航海途中の1596年バンテンで客死したが、彼が遺した観測記録はフレデリック・デ・ハウトマンによってオランダの地図製作者ペトルス・プランシウスの元に届けられた[84]。プランシウスはデ・ハウトマンから受け取った観測記録を元に、オランダの地図製作者ヨドクス・ホンディウス英語版と共同で1598年天球儀を製作した。この1598年の天球儀は現存していないが、1600年にホンディウスが製作した天球儀ではケンタウルス座は『アルマゲスト』に記されたものから南西に拡張されたこと、またみなみじゅうじ座が Cruzero として独立した星座とされたことが確認できる[85]

 
『ウラノメトリア』(1603年、ヨハン・バイエル)に描かれたケンタウルス座。

1603年ドイツの法律家ヨハン・バイエルは、プランシウスやホンディウスらの天球儀から南天の星の位置をコピーして全天星図『ウラノメトリア (Uranometria)』を出版した[83]。バイエルはこの星図の中で、右手にブドウの蔓が絡まった槍を、左手にワインの革袋を持つケンタウロスの姿を描いた。またバイエルはホンディウスらと異なり南十字をケンタウルス座の一部と見なしており、星図上ではケンタウロスの後ろ足に重ねて十字架を描いている[86]。バイエルは他の星座と同様に、星座の中で目立つ恒星に対してギリシア文字の小文字やラテン文字の符号、いわゆるバイエル符号を付した[86]が、18世紀中頃にラカイユによって符号が全て見直しされたため、現代の星名と一致するものはα・θ・ι・φ・g・h・kの7星とω星団だけである[87]

 
1678年にエドモンド・ハリーが刊行した星図に描かれた Robur Carolinum。ハリーが Robur Carolinum の星とした12個の星のうちの1つは、現在のケンタウルス座λ星である。

17世紀イギリスの天文学者エドモンド・ハリー1679年の天文書『Catalogus Stellarum Australium』の中で、アルゴ座とケンタウルス座の間にある「どの星座にも属していない」とされていた星を用いて「Robur Carolinum(チャールズの樫)」を設けた[49]。この星座には、バイエルらがケンタウロスの後ろ脚の蹄の部分とした現在のケンタウルス座λ星も含まれていた[49]

18世紀フランスの天文学者ニコラ=ルイ・ド・ラカイユは、1756年に出版されたフランス科学アカデミーの1752年版紀要に寄稿した星表と星図の中で、ハリーが設けた Robur Carolinum を廃し[49]、その星をアルゴ座、ケンタウルス座、はえ座に属する星とした[88][89]。また、バイエルがケンタウルス座に付したバイエル符号を全て廃して、新たにギリシア文字の小文字とラテン文字の符号を振り直した[90]。バイエルはギリシア文字の「α」との混同を避けるためにラテン文字の小文字「a」の代わりに大文字の「A」を使ったが、ラカイユは「a」をそのまま使用した。ラカイユは、ギリシア文字の24文字全てと、ラテン文字の J・U・W・j・vを除く47文字の計71文字を、ケンタウルス座の恒星と星団に使用した[91]

1879年コルドバ州に新設されたアルゼンチン国立天文台英語版の台長の職にあったアメリカ生まれの天文学者ベンジャミン・グールドは、自身の観測記録を元に編纂した南天の星表『Uranometria Argentina』を刊行した。グールドはこの星表の中でラカイユの付した符号に以下の変更を加えた[92][93]

  1. ラカイユが符号を付した星のうちラテン文字の大文字R以降の符号が付けられた星については、アルゲランダーが考案した変光星への符号と重なることから符号を取り消した。
  2. ラテン文字の小文字の w もギリシア文字のωとの混同を避けるために取り消した。
  3. ラカイユが使用しなかったラテン文字の大文字 J と小文字 j・v を新たに付した[注 2]

グールドはプトレマイオスの権威を尊重するがゆえに、アルゴ座とケンタウルス座が占めている広大な天空の領域に、ラカイユが新しい星座を導入しなかったことは非常に残念である[90]としていたが、彼自身がアルゴ座を分割したのと同じようにケンタウルス座を分割することはなかった。

1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Centaurus、略称は Cen と正式に定められた[94]

中国 編集

現在のケンタウルス座の領域のうち南側にある星の一部は、三垣二十八宿には含まれていなかった。これらの星は、明代末期1631年から1635年にかけてイエズス会士アダム・シャール徐光啓らにより編纂された天文書『崇禎暦書』で初めて取り入れられ、新たに設けられた領域「近南極星」の星官に配された[95]。この頃、明の首都北京の天文台にはバイエルの『ウラノメトリア』が2冊置かれていたとされ、これら南天の新たな星官は『ウラノメトリア』に描かれた新星座をほとんどそのまま取り入れたものが多い[95]。これらの星官は、清代1752年に編纂された天文書『欽定儀象考成』にも、いくつかの星が新たに加えて取り入れられた[95]

『欽定儀象考成』では、ケンタウルス座の星は、二十八宿の東方青龍七宿の第一宿「角宿」、第二宿「亢宿」、第三宿「氐宿」と近南極星の星官に配された。角宿では、ζ・η・θ・2・d・f・γ・τ・HD 107931・σ と ω の10星と星団1つが「武器庫」を表す星官「庫楼」に、υ1・υ2・a・ψ・4・3・1・ι と不明の1星の計9星が庫楼を支える柱を表す星官「柱」に、ν・μ・φ・χの4星が兵士の訓練場所を表す星官「衡」に、ε・α・R の3星が庫楼の南門を表す星官「南門」に、それぞれ配された[96]。亢宿では、b・c1 の2星が要塞の城門を表す「陽門」に配された[96]。氐宿では、κ が侍衛を表す星官「騎官」に配された[96]。近南極星では、λと不明の1星が『ウラノメトリア』に描かれた大きな岩山にあたる「海山」に、G・ρ・δの3星がケンタウルスの尾にあたる「馬尾」に、β と不明の2星がケンタウルスの腹にあたる「馬腹」に、それぞれ配された[96]

神話 編集

 
1690年に出版されたヨハネス・ヘヴェリウスFirmamentum Sobiescianum, sive Uranographia に描かれたケンタウルス座

ケンタウルス座のモデルとされた人物は、ケイローンとされる[4]。紀元前3世紀のエラトステネースは詩編『カタステリスモイ』の中で、医神アスクレーピオスや勇将アキレウスの師で、ペーリオン山に住むケイローンの姿であるとした[81]。エラトステネースの伝えるところでは、「ケイローンに恋心を抱いたヘーラクレースが彼を洞窟に訪ね、彼と性交に及んだ。紀元前5世紀から紀元前4世紀頃の古代ギリシアの哲学者アンティステネースの伝える話では、ヘーラクレースが殺害せず会話を交わした唯一のケンタウロスがケイローンであった。ケイローンがヘーラクレースと語らっていた際に、ヘーラクレースの矢筒から落ちた矢が足に刺さったことでケイローンは命を落とした。彼の死を悼んだ大神ゼウスはケイローンの亡骸を天に上げ、祭壇に野獣を生贄として捧げようとしている敬虔なケンタウロスの姿とした」とされている[81]

このケンタウルス座のモデルについてのエラトステネースの見解は古代ギリシア・ローマ時代を通じて支配的なものとなり、1世紀のヒュギーヌスの『天文詩 (: Poeticon astronomicon)』、オウィディウスの『祭暦 (: Fasti)』『変身物語 (: Metamorphoses)』などの作品では、いずれもケイローンがモデルとなったとされている。また、アラートスの『ファイノメナ』では特にモデルとなった人物についての言及はないが[80]、西暦4年に古代ローマのゲルマニクスが一部改変・ラテン語訳した『ファイノメナ』では、神の子たちを立派に育て上げたケイローンがモデルであると説明している[97]

19世紀末アメリカのアマチュア博物家リチャード・ヒンクリー・アレンは、ケンタウルス座のモデルをケイローンとする説とともに、古代ローマの著作家偽アポロドーロスの著書『ビブリオテーケー (古希: Βιβλιοθήκη)』に書かれたケンタウロス族とヘーラクレースの争いに登場するポロス (Pholus) という別のケンタウロスを由来とする説を伝えている[98]

呼称と方言 編集

日本語の学術用語としては「ケンタウルス」と定められている[99]

日本では、1874年(明治7年)に文部省より出版された関藤成緒の天文書『星学捷径』では「センタウリュス[100]」として、1879年(明治12年)にノーマン・ロッキャーの著書『Elements of Astronomy』を翻訳して出版された天文書『洛氏天文学』で「センタウルス[101]」と紹介された。明治末期には「ケンタウルス」という訳語が充てられていたことが、1910年(明治43年)2月刊行の日本天文学会の会報『天文月報』第2巻11号に掲載された「星座名」という記事でうかがい知ることができる[102]。この訳名は、1925年(大正14年)に初版が刊行された『理科年表』にも引き継がれた[103]。戦後の1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[104]とした際に、Centaurus の日本語名は「ケンタウルス」と定められた[105]。これ以降は「ケンタウルス」という表記が継続して用いられている。

天文同好会[注 3]山本一清らは異なる訳語を充てていた。天文同好会の編集により1928年(昭和3年)4月に刊行された『天文年鑑』第1号では星座名 Centaurus に対して「ケンタウルス」の訳語を充てていたが[106]、1929年(昭和4年)に刊行された第2号以降は「センタウル」という訳を充てた[107][108]。これについて山本は、東亜天文学会の会誌『天界』1934年4月号の「天文用語に關する私見と主張 (2)」という記事の中で因みに,Centaurus や Cepheus や Perseus や,Taurus や,Pegasus 等の語尾のは,ラテン語の男性名詞を表はす語尾なのだから,此等を日本語に譯する場合には必ずしも性に囚はれる必要はない.(元々,日本語には性の區別は無いのだから.)只,「センタウル」,「セフェ」,「ペルセ」,「牛」,「ペガス」で好いのである.[109]と述べている。山本は、京都帝国大学退官後に設けた私設の「田上天文台」の名義で刊行した『天文年表』の中でも「センタウル」の訳名を用い続けた[110][111]

現代の中国では、半人马座[112](半人馬座[113])と呼ばれている。

方言 編集

八重山諸島に伝わる方言では、α星とβ星の2つの星のペアは、「南の星」を意味する「ハイカプス」「パイガプシ」「パイガプス」などと呼ばれる[114]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ オメガ星雲の名で知られるいて座の散光星雲M17は、その形状がギリシア文字の大文字の「Ω」に似て見えることから名称が付けられたものであり、この星団とは特に関係はない。
  2. ^ JはバイエルのZ星に、vはバイエルのY星に付けられた[91][93]
  3. ^ 現在の東亜天文学会

出典 編集

  1. ^ a b The Constellations”. 国際天文学連合. 2023年6月15日閲覧。
  2. ^ a b Constellation boundary”. 国際天文学連合. 2023年6月15日閲覧。
  3. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  4. ^ a b c Ridpath, Ian. “Centaurus”. Star Tales. 2023年6月15日閲覧。
  5. ^ a b c "gam Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  6. ^ a b "eps Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  7. ^ a b "eta Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  8. ^ a b "tet Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  9. ^ Pointer Stars: Guides to Celestial Poles”. Constellation Guide (2021年10月22日). 2023年7月1日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h Mamajek, Eric E. (2022年4月4日). “IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2023年6月15日閲覧。
  11. ^ "alf Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  12. ^ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、124-127頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  13. ^ "alf Cen A". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  14. ^ a b c d e f 『ステラナビゲータ11』(11.0i)AstroArts。 
  15. ^ Pourbaix, Dimitri et al. (2016-01-28). “Parallax and masses ofαCentauri revisited”. Astronomy & Astrophysics (EDP Sciences) 586: A90. Bibcode2016A&A...586A..90P. doi:10.1051/0004-6361/201527859. ISSN 0004-6361. 
  16. ^ "alf Cen B". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  17. ^ Kameswara-Rao, N. ; Vagiswari, A. ; Louis, C.. “Father J. Richaud and Early Telescope Observations in India”. Bulletin of the Astronomical Society of India 12 (1): 81-85. Bibcode1984BASI...12...81K. ISSN 0304-9523. 
  18. ^ Dumusque, Xavier et al. (2012-10-17). “An Earth-mass planet orbiting α Centauri B”. Nature (Springer Science and Business Media LLC) 491 (7423): 207-211. Bibcode2012Natur.491..207D. doi:10.1038/nature11572. ISSN 0028-0836. 
  19. ^ “太陽系から最も近い太陽系外惑星が消えた!”. ナショナルジオグラフィック. (2015年11月4日). http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/110200307/ 2015年11月4日閲覧。 
  20. ^ Rajpaul, V. et al. (2015-11-21). “Ghost in the time series: no planet for Alpha Cen B”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters (Oxford University Press (OUP)) 456 (1): L6-L10. Bibcode2016MNRAS.456L...6R. doi:10.1093/mnrasl/slv164. ISSN 1745-3925. 
  21. ^ alf Cen B b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia (2018年8月13日). 2023年6月24日閲覧。
  22. ^ a b "alp Cen C". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  23. ^ Innes, Robert T.A.. “A Faint Star of Large Proper Motion”. Circular of the Union Observatory Johannesburg 30: 235-236. Bibcode1915CiUO...30..235I. 
  24. ^ Kervella, P. et al. (2017-01-30). “Proxima’s orbit around α Centauri”. Astronomy & Astrophysics (EDP Sciences) 598: L7. Bibcode2017A&A...598L...7K. doi:10.1051/0004-6361/201629930. ISSN 0004-6361. 
  25. ^ Anglada-Escudé, Guillem et al. (2016). “A terrestrial planet candidate in a temperate orbit around Proxima Centauri”. Nature (Springer Science and Business Media LLC) 536 (7617): 437-440. Bibcode2016Natur.536..437A. doi:10.1038/nature19106. ISSN 0028-0836. 
  26. ^ Catalog Listing”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. 2023年6月24日閲覧。"Proxima"での検索結果。
  27. ^ "bet Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月15日閲覧
  28. ^ a b Pigulski, A. et al. (2016-03-17). “Massive pulsating stars observed by BRITE-Constellation I. The triple system β Centauri (Agena)”. Astronomy & Astrophysics (EDP Sciences) 588: A55. Bibcode2016A&A...588A..55P. doi:10.1051/0004-6361/201527872. ISSN 0004-6361. 
  29. ^ Mason, Brian D.; Wycoff, Gary L.; Hartkopf, William I.; Douglass, Geoffrey G.; Worley, Charles E. (2001). “The 2001 US Naval Observatory Double Star CD-ROM. I. The Washington Double Star Catalog”. The Astronomical Journal (American Astronomical Society) 122 (6): 3466–3471. Bibcode2001AJ....122.3466M. doi:10.1086/323920. ISSN 0004-6256. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-S?WDS%20J14038-6022Aa%2cAb. 
  30. ^ a b c Kunitzsch, Paul; Smart, Tim (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. pp. 27-28. ISBN 978-1-931559-44-7 
  31. ^ "HD 102117". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月24日閲覧
  32. ^ a b c 2019 Approved Names”. Name ExoWorlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2023年6月15日閲覧。
  33. ^ "HD 117618". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月24日閲覧
  34. ^ "WASP-15". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月24日閲覧
  35. ^ "HIP 65426". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月24日閲覧
  36. ^ 2022 Approved Names”. Name ExoWorlds. 国際天文学連合 (2023年6月). 2023年6月15日閲覧。
  37. ^ Malkov, O. Yu. et al. (2012). “Dynamical masses of a selected sample of orbital binaries”. Astronomy & Astrophysics (EDP Sciences) 546: A69. Bibcode2012A&A...546A..69M. doi:10.1051/0004-6361/201219774. ISSN 0004-6361. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ6497d75f36c937&-out.add=.&-source=J/A%2bA/546/A69/table1&recno=1625. 
  38. ^ Mason, Brian D. et al. (2001). “The 2001 US Naval Observatory Double Star CD-ROM. I. The Washington Double Star Catalog”. The Astronomical Journal (American Astronomical Society) 122 (6): 3466–3471. Bibcode2001AJ....122.3466M. doi:10.1086/323920. ISSN 0004-6256. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-S?WDS%20J12415-4858AB. 
  39. ^ "del Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  40. ^ Samus’, N. N. et al. (2017). “General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. ISSN 1063-7729. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ64a0f7f82f5101&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=13231. 
  41. ^ Meilland, A. et al. (2008-08-08). “δ Centauri: a new binary Be star detected by VLTI/AMBER spectro-interferometry”. Astronomy & Astrophysics (EDP Sciences) 488 (3): L67-L70. Bibcode2008A&A...488L..67M. doi:10.1051/0004-6361:200810624. ISSN 0004-6361. 
  42. ^ Samus’, N. N. et al. (2017). “General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. ISSN 1063-7729. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ6497e36fd1f7&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=13232. 
  43. ^ "zet Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  44. ^ Kaler, James B.. “Zeta Cen”. STARS. 2023年7月9日閲覧。
  45. ^ "iot Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  46. ^ "kap Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  47. ^ a b c NAME UCL”. SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg.. 2023年7月9日閲覧。
  48. ^ "lam Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  49. ^ a b c d Barentine, John C. (2015). The lost constellations : a history of obsolete, extinct, or forgotten star lore. Cham: Springer. pp. 335-356. ISBN 978-3-319-22795-5. OCLC 926914920 
  50. ^ "mu Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  51. ^ "nu Cen". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  52. ^ "WG 22". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月2日閲覧
  53. ^ Winget, D.E. (1995-12-02). “The status of white dwarf asteroseismology and a glimpse of the road ahead”. Open Astronomy (Walter de Gruyter GmbH) 4 (2): 129-136. Bibcode1995BaltA...4..129W. doi:10.1515/astro-1995-0209. ISSN 2543-6376. 
  54. ^ Diamond star thrills astronomers”. BBC NEWS (2004年2月16日). 2023年7月2日閲覧。
  55. ^ a b c d e f g Frommert, Hartmut (2006年8月22日). “The Caldwell Catalog”. SEDS Messier Database. 2023年6月24日閲覧。
  56. ^ a b c d イベント・ホライズン・テレスコープが描き出した最も近い電波銀河の心臓部”. EHT-Japan. 国立天文台. 2023年6月25日閲覧。
  57. ^ a b "Cen A". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月25日閲覧
  58. ^ a b Karachentsev, I. D. (2005). “The Local Group and Other Neighboring Galaxy Groups”. The Astronomical Journal (American Astronomical Society) 129 (1): 178-188. Bibcode2005AJ....129..178K. doi:10.1086/426368. ISSN 0004-6256. 
  59. ^ Frommert, Hartmut (2007年4月24日). “NGC 5128 (Centaurus A)”. SEDS Messier Database. 2023年7月2日閲覧。
  60. ^ a b Janssen, Michael et al. (2021-07-19). “Event Horizon Telescope observations of the jet launching and collimation in Centaurus A”. Nature Astronomy (Springer Science and Business Media LLC) 5 (10): 1017-1028. Bibcode2021NatAs...5.1017J. doi:10.1038/s41550-021-01417-w. ISSN 2397-3366. 
  61. ^ a b c d e Frommert, Hartmut (2014年1月23日). “NGC 5139 (Omega Centauri)”. SEDS Messier Database. 2023年6月28日閲覧。
  62. ^ "NGC 5139". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  63. ^ Youakim, Kris et al. (2023-06-29). “Tidal debris from omega centauri discovered with unsupervised machine learning”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (Oxford University Press (OUP)). Bibcode2023MNRAS.tmp.1900Y. doi:10.1093/mnras/stad1952. ISSN 0035-8711. 
  64. ^ "NGC 4945". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  65. ^ a b NGC 4945: The Milky Way's not-so-distant Cousin”. www.eso.org (2009年9月2日). 2023年7月2日閲覧。
  66. ^ "NGC 5286". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  67. ^ Frommert, Hartmut (2014年1月23日). “NGC 5286”. SEDS Messier Database. 2023年7月2日閲覧。
  68. ^ "NGC 3766". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  69. ^ a b Frommert, Hartmut (2006年3月28日). “NGC 3766”. SEDS Messier Database. 2023年7月2日閲覧。
  70. ^ a b "IC 2944". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年6月25日閲覧
  71. ^ カリーナ星雲とパラナル天文台”. ナショナル ジオグラフィック日本版サイト (2012年11月29日). 2023年6月22日閲覧。
  72. ^ IC 2944, nicknamed the Running Chicken Nebula”. www.eso.org (2011年9月21日). 2023年6月25日閲覧。
  73. ^ a b c The Boomerang Nebula - the coolest place in the Universe?”. ESA (2003年3月2日). 2023年7月1日閲覧。
  74. ^ "Boomerang Nebula". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年7月1日閲覧
  75. ^ a b "Hen2-104". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年9月9日閲覧
  76. ^ a b 岡崎彰『奇妙な42の星たち』誠文堂新光社、1994年4月1日、76-79頁。ISBN 4-416-29420-4 
  77. ^ Symbiotic Star Blows Bubbles into Space”. Hubble (1999年8月24日). 2023年7月1日閲覧。
  78. ^ Henize, Karl G. (1967). “Observations of Southern Planetary Nebulae”. The Astrophysical Journal Supplement Series (American Astronomical Society) 14: 125. Bibcode1967ApJS...14..125H. doi:10.1086/190151. ISSN 0067-0049. 
  79. ^ a b c 近藤二郎『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』誠文堂新光社、2010年12月30日。ISBN 978-4-416-21024-6 
  80. ^ a b アラトス二カンドロス、オッピアノス 著、伊藤照夫 訳「星辰譜」『ギリシア教訓叙事詩集』(初版第1刷)京都大学学術出版会、京都、2007年10月15日、38-40頁。ISBN 978-4-87698-170-0OCLC 676527275 
  81. ^ a b c d e Condos, Theony (1997). Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus. Grand Rapids, MI, U.S.A.: Phanes Press. pp. 71-74. ISBN 978-1-60925-678-4. OCLC 840823460 
  82. ^ a b c Ridpath, Ian. “Lupus”. Star Tales. 2023年7月9日閲覧。
  83. ^ a b Dekker, Elly (1987). “On the Dispersal of Knowledge of the Southern Celestial Sky / ZUR VERBREITUNG VON WISSEN ÜBER DEN SÜDLICHEN STERNENHIMMEL”. Der Globusfreund (International Coronelli Society for the Study of Globes) (35/37): 211-230. Bibcode1987Globu..35..211D. ISSN 0436-0664. JSTOR 41628839. 
  84. ^ a b Ridpath, Ian. “Extending Ptolemy's 48”. Ian Ridpath. 2023年7月9日閲覧。
  85. ^ Hondius, Jodocus I (1600), Clarissimis Belgii luminibus sapientiae, doctrinae et verae pietatis officinis Academiae Lugdunensis Batavorum et Franekeriensis. Hos globos ad mathematicas artes promovendas manu propria à se caelatos lubentissime dedicat consecratque Jodocus Hondius ann. 1600, https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b550087450/f1.medres3d.r=3D%20Jodocus%20I%20Hondius?lang=EN 2023年7月9日閲覧。 
  86. ^ a b Bayer, Johann (1603) (ラテン語). Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa / tabulae in aes incidit Alexander Mair. doi:10.3931/e-rara-309. http://www.e-rara.ch/zut/77547 2023年6月27日閲覧。 
  87. ^ 竹迫忍 (2021年6月8日). “Uranometria(1603) by Johann Bayerの星の同定”. 古天文の部屋. 2023年7月10日閲覧。
  88. ^ Stoppa, Felice. “Planisphere contenant les Constellations Celestes comprises entre le Pole Austral et le Tropique du Capricorne.”. Atlas Coelestis. 2023年4月14日閲覧。
  89. ^ de Lacaille, N. L.. “Histoire de l'Académie royale des sciences” (フランス語). Gallica. 2023年1月7日閲覧。
  90. ^ a b Gould 1879, p. 55.
  91. ^ a b de La Caille, Nicolas Louis (1763). Coelum australe stelliferum. pp. 192-196. http://www.e-rara.ch/zut/content/titleinfo/152572 2023年4月14日閲覧。 
  92. ^ Gould 1879, pp. 65–66.
  93. ^ a b Gould 1879, pp. 150–155.
  94. ^ Ridpath, Ian. “The IAU list of the 88 constellations and their abbreviations”. Star Tales. 2023年7月9日閲覧。
  95. ^ a b c 大崎正次「清時代の星座」『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年5月5日、106-114頁。ISBN 4-639-00647-0 
  96. ^ a b c d 伊世同 1981, p. 141.
  97. ^ 伊藤博明、佐川美智子『グロティウスの星座図帳 : ゲルマニクス“アラトスのファイノメナ"の邦訳』千葉市立郷土博物館、1999年3月31日、96頁、120-121頁頁。 NCID BA84126606 
  98. ^ Allen, Richard Hinckley (2013-02-28). Star Names: Their Lore and Meaning. Courier Corporation. pp. 149-150. ISBN 978-0-486-13766-7. https://books.google.com/books?id=vWDsybJzz7IC 
  99. ^ 学術用語集:天文学編(増訂版) 1994, pp. 305–306.
  100. ^ 関藤成緒 編『星学捷径 下』文部省、39頁。doi:10.11501/831014NCID BA37079704 
  101. ^ ジェー、ノルマン、ロックヤー 著、木村一歩内田正雄 編『洛氏天文学 上冊文部省、1879年3月、60頁https://dl.ndl.go.jp/pid/831055/1/37 
  102. ^ 星座名」『天文月報』第2巻第11号、1910年2月、11頁、ISSN 0374-2466 
  103. ^ 東京天文台 編『理科年表 第1冊丸善、1925年、61-64頁https://dl.ndl.go.jp/pid/977669/1/39 
  104. ^ 学術用語集:天文学編(増訂版) 1994, p. 316.
  105. ^ 星座名」『天文月報』第45巻第10号、1952年10月、158頁、ISSN 0374-2466 
  106. ^ 天文同好会 編『天文年鑑』1号、新光社、1928年4月28日、4頁。doi:10.11501/1138361https://dl.ndl.go.jp/pid/1138361/1/7 
  107. ^ 天文同好会 編『天文年鑑』2号、新光社、1928年6月、3-6頁。doi:10.11501/1138377https://dl.ndl.go.jp/pid/1138377/1/9 
  108. ^ 天文同好会 編『天文年鑑』10号、恒星社、1937年3月22日、4-9頁。doi:10.11501/1114748https://dl.ndl.go.jp/pid/1114748/1/12 
  109. ^ 山本一清天文用語に關する私見と主張 (2)」『天界』第14巻第157号、東亜天文学会、1934年4月、247-250頁、doi:10.11501/3219878ISSN 0287-6906 
  110. ^ 田上天文台 編『天文年表恒星社、1944年、35頁。doi:10.11501/1124244https://dl.ndl.go.jp/pid/1124244/1/21 
  111. ^ 田上天文台 編『天文年表』田上天文台、1953年、82頁。doi:10.11501/1372917https://dl.ndl.go.jp/pid/1372917/1/45 
  112. ^ 伊世同 1981, p. 131.
  113. ^ 大崎正次「辛亥革命以後の星座」『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年5月5日、115-118頁。ISBN 4-639-00647-0 
  114. ^ 野尻抱影『日本星名辞典』(第七版)東京堂出版、1986年4月10日、182頁。ISBN 978-4490100785 

参考文献 編集

座標:   13h 00m 00s, −50° 00′ 00″