コロラド川(コロラドがわ、Colorado River)はアメリカ合衆国南西部メキシコ北部を流れ、カリフォルニア湾へ至るメキシコ湾へと東流するリオ・グランデ川と並ぶ、この地域の主要河川である。

コロラド川
延長 2,330 km
平均流量 620 m³/s
流域面積 629,100 km²
水源 La Poudre Pass Lake
水源の標高 ~2,700 m
河口・合流先 カリフォルニア湾
流域 アメリカ合衆国メキシコ
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スペイン語ではリオ・コロラド(Río Colorado)という。“Colorado”の語源は色つき(colored)であり、水が赤みを帯びた色をしていることが由来となっている。

川は長さ2,330km(1,450マイル)、流域面積約629,100km²に及び、アメリカ7州とメキシコ2州にまたがる広大な乾燥地帯を流域に含んで潤す。水源は合衆国のロッキー山脈中央部のラ・パウダー・パス湖であり、そこから南西に流れてコロラド高原を横切りグランド・キャニオンを刻み、アリゾナ州ネバダ州の州境ミード湖となる。そこからは南に流れてカリフォルニア州アリゾナ州の州境を形作ったあと、アメリカ=メキシコ国境をゆく。メキシコ国内では非常に乾燥したコロラド川デルタ英語版(Colorado River Delta)を作りバハ・カリフォルニア州ソノラ州の間でカリフォルニア湾の最深部に灌ぐ。

劇的な大峡谷と激しい急流、そして11箇所のアメリカ合衆国国立公園で知られるコロラド川水系北アメリカ大陸南西部の4,000万人[1]の命を支える水源である。コロラド川とその支流は広範囲にわたるダム、貯水池、水路で管理されていて、2万平方キロメートルを超える農地の灌漑と家庭用給水に利用される。急勾配を流れる膨大な水は水力発電に向いており、流域内の合衆国西部山間部英語版(Intermountain West)にあるダムの多くは尖頭負荷発電所(Peaking power plant)としてピーク時電力を供給するのに重要な役割を担う。こうした水の猛烈な使用のために下流の160km(100マイル)では干上がってしまうことがあり、1960年代には海まで到達しないことも多かった。21世紀においては中流域でも流量不足が慢性化しており、2023年4月中旬には、ダム湖の貯水率がパウエル湖で約23%、ミード湖で約30%と湛水開始以来の最低水準に落ち込んだ[1]

スペイン探検家メルチョール・ディアス英語版(Melchor Diaz)が1540年にヨーロッパ人で最初に探検した。

流路 編集

アメリカ合衆国コロラド州ロッキーマウンテン国立公園内に源を発し、南西に流れくるグリーン川を合わせる。

アリゾナ州のユタ州との境界付近のペイジにはグレンキャニオンダムがある。このダム湖であるパウエル湖サンファン川英語版が流入する。それから西に向きをかえグランドキャニオンを流れる。グランドキャニオンを過ぎるとラスベガス付近にフーバーダムがあり、南へ流れを転じデーヴィスダム英語版へ注ぐ。

下流のメキシコ領内ではバハカリフォルニア州ソノラ州との境界を形成し、ほとんど干上がった状態でカリフォルニア湾に達する。

コロラド川デルタ英語版湿地キヅタアメリカムシクイミドリツバメサメズアカアメリカムシクイフタオビチドリ英語版クロエリセイタカシギといった渡り鳥の渡来地または繁殖地であり、1996年と2008年にラムサール条約登録地となった[2][3]

支流 編集

下流より記載

渇水問題と取水制限の動き 編集

アメリカ合衆国内7州が1922年に結び、1948年にメキシコが参加したコロラド川協定により取水量が定められているが、流量見積もりの甘さや利水重視、そして気候変動に伴う流域での降水量(雨・雪)減少により、渇水が深刻化している[1]。このためアメリカ合衆国連邦政府と7州は2007年、取水量を2026年までに抜本的に見直し、それまではダム湖貯水量に下流3州での取水を制限するす方針を打ち出し、2023年5月には連邦政府と下流3州が取水量を13%ずつ減らす暫定合意を結んだ[1]

流域の自然景勝地 編集

出典 編集