ザウエル&ゾーン

1751年にドイツのズールで創設された銃器メーカー

ザウエル&ゾーン: Sauer & Sohn)は1751年ドイツズールで創設された銃器メーカーである。

歴史 編集

1751年、ヨハン・パウル・ザウアーが、ドイツのズールでパーカッションピストルの製造を始める。当時の社名はJ・P・ザウアー・ゾーンであった[1]。以降、ゾーン一族はズールを本拠地として代々銃を製造してきた。

1900年には、上下二本の銃身を持ち、回転式弾倉を備え、4発の弾丸が発射できるバー・ピストルを開発[1]。その後、オーストリア人G・ロートの開発した機構を組み込んだ、ロート・ザウアー・ピストルを製造し始め[1]、以降中・小型のセミ・オートマチック拳銃を中心に開発と生産を続けた。

ドイツが第二次世界大戦に敗れ、ズールが東ドイツに組み込まれると、ザウアー一家は西ドイツデュッセルドルフに逃れ、ここでザウアー・ゾーン社を再開、アメリカへ輸出するためのリボルバーの生産を始めた[1]。その後、1951年にはドイツ北部のバルト海に面したエッカーンフェルデに拠点を移した[1]

1970年に、スイスSIG社の小火器部門に、レンツブルクのHämmerli Target Armsと共に合併し[2]、SIG社製自動拳銃の生産を引き受けた。

1980年、スイスのSIGがザウアー・ゾーン社の筆頭株主となったため、以後同社はSIGザウアー拳銃シリーズの大半の開発・設計、および製造を担当する[1]。2000年には、ドイツ人投資家が株式とSIGの商標を取得したため、SIGは「スイス・アームズ」と社名を変更、ザウアー・ゾーン社はSIGの傘下から外れ、社名を創設時のJ・P・ザウアー・ゾーンに変更した[1]。このドイツ人投資家が「SIGザウアー」の商標も所有したことにより、同社は以後も「SIGザウアー」ブランドの拳銃と、「ザウアー」ブランドによるライフルの製造を続けている[1]

「Sauer」の読み方について 編集

「Sauer」は日本語で「ザウエル」と一般的に読まれているが(舞台ドイツ語的な読み方)、標準ドイツ語では「ザウアー」と発音される。また、ドイツ語で「Sa」は「ザ」と発音するが、英語では「サ」と発音するため、英語を母語とする人の中には「サワー」と発音する人もいる。

代表的な製品 編集

拳銃 編集

小銃 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h 『完全版 図説・世界の銃パーフェクトバイブル』学研パブリッシング、2010年、21頁。ISBN 9784056060614 
  2. ^ THE HISTORY OF SIG SAUER when it counts”. sigsauer.com. 2018年3月7日閲覧。

外部リンク 編集