シモン・ケアー

デンマークのサッカー選手

シモン・トルップ・ケアー(Simon Thorup Kjær 発音 [simɔn ˈkʰæːˀɐ̯]1989年3月26日 - )は、デンマークホーセンス出身のサッカー選手セリエAACミラン所属。ポジションはDFデンマーク代表同国代表歴代最多出場数保持者である。

シモン・ケアー
セビージャでのケアー(2017年)
名前
本名 シモン・トルップ・ケアー
Simon Thorup Kjær[1]
ラテン文字 Simon Kjær
基本情報
国籍  デンマーク
生年月日 (1989-03-26) 1989年3月26日(35歳)[2]
出身地 ホーセンス
身長 191cm[3]
体重 84kg
選手情報
在籍チーム イタリアの旗 ACミラン
ポジション DF (CB)
背番号 24
利き足 右足
ユース
デンマークの旗 ミッティラン
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2007-2008 デンマークの旗 ミッティラン 19 (0)
2008-2010 イタリアの旗 パレルモ 62 (5)
2010-2013 ドイツの旗 ヴォルフスブルク 57 (3)
2011-2012 イタリアの旗 ローマ (loan) 22 (0)
2013-2015 フランスの旗 リール 66 (1)
2015-2017 トルコの旗 フェネルバフチェ 54 (3)
2017-2020 スペインの旗 セビージャ 46 (2)
2019-2020 イタリアの旗 アタランタ (loan) 5 (0)
2020 イタリアの旗 ミラン (loan) 15 (0)
2020- イタリアの旗 ミラン 56 (0)
代表歴2
2006-2007  デンマーク U-18 1 (0)
2006-2007  デンマーク U-19 10 (1)
2008-2009  デンマーク U-20 1 (0)
2008-2009  デンマーク U-21 2 (0)
2009- デンマークの旗 デンマーク 130 (5)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月11日現在。
2. 2023年10月17日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

191cmという長身で空中戦に強く、セットプレーでも武器となっている[4]

日本語ではケアーのほかにもキアルスウェーデン語の誤用からきたシェアーなどと表記される。

クラブ経歴 編集

デンマークFCミッティランにてキャリアをスタートさせた。

チェルシーFCレアル・マドリードなど欧州のトップクラブからオファーが届くが、ミッティラン側がオファーを拒否した[4]。イタリアで開催されたユース大会のトルネオ・ディ・ビア直後の2008年2月16日にセリエAUSチッタ・ディ・パレルモへ移籍した。当初、経験豊富なチェーザレ・ボヴォモリス・カロッツィエーリらの控え扱いであったが、10月28日のACFフィオレンティーナ戦にてデビューを飾ると以降、定位置を確保した。

2010年7月8日、ドイツVfLヴォルフスブルクへ推定移籍金1200万ユーロ(約13億7000万円)の4年契約で移籍した[5]。これにより、W杯でも対戦した日本代表の主将・長谷部誠とチームメートになった。ヴォルフスブルクではセンターバックのレギュラーを確保したものの、チームはシーズンを通して下位に低迷し最終節のTSG1899ホッフェンハイム戦で辛うじて残留を決めたが15位に留まった。

2011年8月31日、ASローマレンタル移籍し、2年ぶりのイタリア復帰。レンタル料は300万ユーロであり、シーズン終了後に700万ユーロで完全移籍できるオプションが付けられた[6]

2013年7月、リールへ完全移籍[7]。チームの10試合連続無失点達成に貢献した。

2015年6月17日、トルコのフェネルバフチェSKへ移籍を決めた[8]

2017年8月2日、セビージャFCへ1250万ユーロ(約16億円)で移籍が決定[9]

2019年9月1日、アタランタBCへレンタル移籍[10]

2020年1月13日、2019-20シーズン終了までのレンタルでACミランへ移籍した[11]

2020年7月15日、ACミランは買い取りオプションを行使、契約期間は2022年6月30日までの2年契約で完全移籍したことが発表された。[12]

2021年10月27日、ACミランは契約を2024年まで延長したことを発表した[13]。チームはリーグ制覇も、負傷で僅か11試合の出場に終わった[14]

代表経歴 編集

2006年からU-19デンマーク代表、2008年からU-21デンマーク代表に選出。

2009年2月にデンマークA代表へ初招集され、同年6月に行われた2010W杯・欧州予選スウェーデン戦で代表デビューを果たし、この試合で相手のエース・ズラタン・イブラヒモビッチを抑えるなど、無失点での勝利に貢献した。

2010W杯本大会のメンバーにも選出され、グループリーグ第1・2戦にフル出場したものの、両試合で警告を1度ずつ受けていたため出場停止となってしまった最終戦で、チームは日本に敗れ、2大会ぶりの決勝トーナメント進出はならなかった。

UEFA EURO 2012のメンバーにも選出された。初戦ではオランダを完封し勝利に貢献するも、チームはそこから連敗を喫し、グループリーグで敗退した。

2013年3月22日の2014W杯欧州予選チェコ戦で代表初得点を挙げた。

2016年6月に日本で行われたキリンカップに出場し、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で得点を決めた。また、同大会の2試合でキャプテンマークを付けたのち現役引退をしたダニエル・アッゲルに次ぐ、代表キャプテンに選ばれた。

2020年10月、UEFAネーションズリーグでのイングランド戦にて代表100試合出場を達成した。

2022年11月には、2022 FIFAワールドカップに臨むデンマーク代表に招集され、グループステージ初戦のチュニジア代表戦にてキャプテンとして先発フル出場したが、試合には0-0で引き分けた[15]。第2戦以降は、大会開幕前に負傷した膝のコンディションが万全とはならなかったため、ベンチに回り、デンマークは未勝利でグループステージ敗退となった[16]

エピソード 編集

母国語のデンマーク語に加えて、英語イタリア語などの合計5つもの言語を流暢に話せる[17]。自身が幼い頃のアイドルは、ジョン・テリーファビオ・カンナヴァーロであり、ケアーの家族揃ってリヴァプールFCのサポーターであることを公表している[18]

主将として出場したUEFA EURO 2020第1節・フィンランド戦にて、試合中に突如昏倒したチームメイトのクリスティアン・エリクセンに対していち早く気道を確保する行動を取り、結果的にエリクセンは意識を取り戻した。さらに、ピッチサイドでショックを受けているエリクセンの妻・サブリナ夫人をカスパー・シュマイケルと共に励ましたり、治療を受けるエリクセンを囲んで壁を作るよう選手たちに声を掛けるなど、一連の行動は世界中から称賛された[19]

個人成績 編集

 
フェネルバフチェでプレーするケアー(2015年)

クラブ 編集

2023年6月11日現在
クラブ シーズン リーグ カップ 国際大会 その他 通算
ディビジョン 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
ミッティラン 2007-08 スーペルリーガ 19 0 2 0 21 0
パレルモ 2008-09 セリエA 27 3 0 0 27 3
2009-10 セリエA 35 2 3 0 38 2
通算 62 5 3 0 65 5
ヴォルフスブルク 2010-11 ブンデスリーガ 32 1 2 0 34 1
2011-12 ブンデスリーガ 3 0 1 0 4 0
2012-13 ブンデスリーガ 22 2 3 0 25 2
通算 57 3 6 0 63 3
ローマ (loan) 2011-12 セリエA 22 0 2 0 24 0
リール 2013-14 リーグ・アン 35 0 2 1 37 1
2014-15 リーグ・アン 31 1 2 1 9 1 42 3
通算 66 1 4 2 9 1 79 4
フェネルバフチェ 2015-16 スュペル・リグ 28 2 6 0 11 0 45 2
2016-17 スュペル・リグ 27 1 5 0 11 2 43 3
通算 55 3 11 0 22 2 88 5
セビージャ 2017-18 プリメーラ 20 2 1 0 6 1 27 3
2018-19 プリメーラ 26 0 3 0 7 0 1 0 37 0
通算 46 2 4 0 13 1 1 0 64 3
アタランタ (loan) 2019-20 セリエA 5 0 0 0 1 0 6 0
ミラン (loan) 2019-20 セリエA 15 0 4 0 19 0
ミラン 2020-21 セリエA 28 0 1 0 10 1 39 1
2021-22 セリエA 11 0 0 0 3 0 14 0
2022-23 セリエA 17 0 1 0 6 0 0 0 24 0
通算 71 0 6 0 19 1 0 0 96 1
総通算 403 14 38 2 64 5 1 0 506 21

代表数 編集

2023年6月11日現在
代表国 出場 得点
  デンマーク 2009 7 0
2010 8 0
2011 6 0
2012 10 0
2013 7 1
2014 8 1
2015 10 0
2016 10 1
2017 8 0
2018 11 0
2019 10 0
2020 7 0
2021 17 2
2022 3 0
2023 2 0
通算 124 5

代表での得点 編集

得点 日時 場所 相手 スコア 結果 大会
1. 2013年3月22日   オロモウツ   チェコ 2-0 3-0 2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選グループB
2. 2014年11月14日   ベオグラード   セルビア 2-1 3-1 UEFA EURO 2016予選・グループI
3. 2016年6月3日   豊田市   ボスニア・ヘルツェゴビナ 1-1 2-2
(3-4 p)
キリンカップサッカー2016
4. 2021年9月7日   コペンハーゲン   イスラエル 2-0 5-0 2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選グループF
5. 2021年10月9日   キシナウ   モルドバ 2-0 4-0 2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選グループF

タイトル 編集

クラブ 編集

ACミラン

代表 編集

2010年 - 2010 FIFAワールドカップ (グループステージ敗退)
2012年 - UEFA EURO 2012 (グループステージ敗退)
2018年 - 2018 FIFAワールドカップ (ベスト16)
2021年 - UEFA EURO 2020 (ベスト4)
2022年 - 2022 FIFAワールドカップ (グループステージ敗退)

脚注 編集

  1. ^ Simon Kjær i FCM til 2012” (Danish). FC Midtjylland (2007年9月14日). 2010年6月2日閲覧。
  2. ^ List of Players” (PDF). FIFA. 2010年11月8日閲覧。
  3. ^ 2018 FIFA World Cup Russia – List of Players” (PDF). FIFA.com. Fédération Internationale de Football Association (2018年6月4日). 2018年6月20日閲覧。
  4. ^ a b footballista、ソルメディア、2009年11月4日号
  5. ^ ボルフスブルクがデンマーク代表ケアを獲得 - UEFA.com 2010年7月8日
  6. ^ ローマ、ガゴら4選手を一気に獲得 Goal.com、2011年9月1日
  7. ^ L’international danois Simon Kjaer est Lillois ! LOSC Lille Métropole、2013年7月5日
  8. ^ デンマーク代表DFケアーがフェネルバフチェ移籍 - 超ワールドサッカー 2015年6月17日
  9. ^ セビージャ、今夏7人目の新戦力はデンマーク代表DF...移籍金は16億円 - Goal.com 2017年8月3日
  10. ^ Kjaer loaned to Atalanta”. Sevilla FC (2019年9月1日). 2019年9月3日閲覧。
  11. ^ SIMON KJÆR JOINS AC MILAN” (英語). AC Milan. 2020年1月13日閲覧。
  12. ^ ミラン、デンマーク代表CBの買取オプション行使を発表。2年契約で完全移籍”. FOOTBALL CHANNEL (2020年7月15日). 2020年7月17日閲覧。
  13. ^ デンマーク代表DFケアー「ミランは世界一のビッグクラブ。ここで現役を迎えたい」”. GOAL.COM (2021年10月29日). 2021年10月30日閲覧。
  14. ^ 21/22シーズン、ミラン全選手パフォーマンス査定。ポジション別に5段階評価、A評価となったのは?”. Football channel (2022年5月23日). 2022年5月23日閲覧。
  15. ^ Tunisia’s World Cup exit was a wild ride. Denmark’s was a frustrating one.” (英語). The NewYrok Times (2022年11月30日). 2022年12月3日閲覧。
  16. ^ New alarm for AC Milan’s Danish centre-back Simon Kjaer: a problem with the right thigh” (英語). Milan Sports (2022年11月28日). 2022年12月3日閲覧。
  17. ^ “Kjær: Teknisk og taktisk bedre” (Danish). Bold.dk. (2008年11月5日). https://www.bold.dk/fodbold/nyheder/Kjaer-Teknisk-og-taktisk-bedre/ 2020年9月12日閲覧。 
  18. ^ “Simon Kjaer: 'Baskı beni motive ediyor'”. Milliyet. (2015年11月2日). https://www.milliyet.com.tr/skorer/simon-kjaer-baski-beni-motive-ediyor-2141626 2020年9月12日閲覧。 
  19. ^ 「本物の男」「エリクセンの命を救った」とデンマーク代表主将シモン・ケアーの数々の行動に称賛の嵐” (2021年6月13日). 2021年6月13日閲覧。

外部リンク 編集