シーゲイト・テクノロジー

シーゲイト・テクノロジー: Seagate Technology PLCNASDAQ: STX)は、アメリカ合衆国ハードディスクドライブ(HDD)製造メーカーである。

シーゲイト・テクノロジー
Seagate Technology PLC
種類 公開会社
市場情報
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州 クパチーノ
北緯37度19分15秒 西経122度01分54秒 / 北緯37.320875度 西経122.031637度 / 37.320875; -122.031637座標: 北緯37度19分15秒 西経122度01分54秒 / 北緯37.320875度 西経122.031637度 / 37.320875; -122.031637
設立 1979年
業種 電気機器
事業内容 ハードディスクドライブ
代表者 Bill Watkins (CEO)
Stephen J. Luczo (会長[1]
売上高 127億米ドル(2008年度)[2]
従業員数 56000人[3]
関係する人物 アラン・シュガート (創業者)
外部リンク https://www.seagate.com/
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概要 編集

ウィンチェスター技術のHDDの主要な製造企業であり、独立系のHDDメーカーとしては最古参である。米カリフォルニア州スコッツバレーを長らく拠点としていたが、2011年にクパチーノに本部を移転した[4]。なおスコッツバレー本社の所在地には、ディスクドライブ(Disc Dr.)という道路が通っている。

登録されているのはケイマン諸島だったが、本部移転とともにアイルランドダブリンに登録地も移している。

シーゲイトのハードディスクはサーバ、デスクトップコンピュータ、ノートパソコンなどから、HDDレコーダーゲーム機デジタルオーディオプレーヤーなどの機器にも使われている。

日本法人である日本シーゲイト株式会社は、1985年にシーゲイトテクノロジージャパン株式会社として設立され、1989年に現在の商号に変更している。

製品 編集

 
シーゲイト製ST-225ハードディスクドライブ

歴史 編集

1979年シュガートアソシエイツ社を設立したアラン・シュガートフィニス・コナーによってシーゲイト・テクノロジーは設立された。当初は、1973年シュガート・テクノロジー社名で設立したが、商標権の侵害警告を受けて社名を変更した。

1980年、最初の製品 ST-506(5.25インチフロッピーディスクドライブサイズのハードディスク)をリリースし、成功を収める。1980年代には基本的にST-506の設計に基づいた容量拡張版を次々とリリースしていった。ST-225 (20MB) とST-251 (40MB) はその中でも成功した製品であるが、これらは磁気ヘッドの移動にステッピングモーターを使用していた。シーゲイトはもっと高速なディスクではボイスコイル技術を使用していたため、ステッピングモーターを使用した製品を指してシーゲイトの製品は安いが品質も悪いと言われた。とは言うものの、シーゲイトの製品は競合他社の製品よりも売れた。結局、シーゲイトは1990年代初めにステッピングモーターの使用をやめた。

1981年NCR社と共同でハードディスク専用のインターフェース「SASI (Shugart Associate System Interface)」を規格化。後にこれは現在のSCSI規格へ発展する。

1985年、フィニス・コナーが退社する。1986年にコナー・ペリフェラル社を設立。ノートパソコンなどに向いた小型ハードディスクを製造していたが、1996年にはシーゲイト社と合併している。

1989年CDC社のハードディスク部門を買収し、ハイエンドのハードディスク市場に参入。これにより、CDCの保有するボイスコイルやディスク製造の特許を獲得し、最初の5,400rpmのドライブをリリース。

1992年、業界初の7,200rpmの製品 Barracuda をリリース。1996年、業界初の10,000rpmの製品 Cheetah をリリース。1997年、業界初の7,200rpmのATAドライブ Medalist Pro をリリース。また、業界初のファイバーチャネル接続のハードディスクをリリース。

1998年には10億個目の磁気ヘッドを製造。創業者アラン・シュガートが引退(その後、2006年12月12日死去)。1999年、2億5千万個目のハードディスクを出荷。

1999年、子会社 Seagate Software の Network and Storage Management Group (NSMG) を ベリタスソフトウェア に16億ドル相当の株式(約3300万株)で売却。Information Management Group は残存。

2000年、15,000 RPM の製品「Cheetah X15」をリリース。またこの年、シーゲイトは200億ドルで Silver Lake Partners を中心とする投資家グループとベリタスに買収される。シーゲイトの保有していた1億2800万株(33%)のベリタス株等の資産はベリタスが、HDD事業は投資家グループの設立した新会社が20億ドルで買収し継承した。

2001年、子会社 Seagate Software が Crystal Decisions に社名変更。(後に仏 BusinessObjects が買収。さらに、独 SAP が買収)

2005年、ポケットハードドライブ(持ち運び可能なUSB接続式のハードディスク)をリリース。ハードウェアによるディスク暗号化技術を発表。

2006年垂直磁気記録方式の 3.5インチHDD(750GB)を発売[5]マックストアの買収を完了[6]

2009年、1月3日以降出荷したBarracudaとMomentusが5年保証から3年保証に変更された。2009年1月17日、一部製品に不具合が見付かったと発表。詳細は後述する。

2010年5月24日、ノートパソコン用の第二世代ハイブリッドHDD「MOMENTUS XT」を発表[7]

2011年4月19日、サムスン電子はHDD事業をシーゲイト・テクノロジーに14億ドルで売却することを発表した。買収は同年12月19日に完了[8]

2012年5月23日、フランスのストレージ機器メーカー、LaCie社の買収を発表[9]

欠陥製品問題 編集

2009年1月17日、各国で販売されている同社製HDD「Barracuda 7200.11」「DiamondMax 22」「Barracuda ES.2 SATA」「SV35」の一部で、ファームウェアのバグによりある条件が揃うとデータ読取りなどのあらゆるアクセスが不可能になる不具合が見付かったと発表[10]

販売店では対象製品の販売が一時ストップされた。ファームウェアのバグによってアクセスが不能になるもののユーザーのデータが消失する訳ではないので、この問題に対してシーゲートは無償のデータ復旧サービスを行った[11]

競合企業 編集

脚注 編集

  1. ^ Board of Directors”. 2008年5月30日閲覧。
  2. ^ シーゲイト社、2008会計年度第4四半期および通期決算報告を発表”. 2009年1月3日閲覧。
  3. ^ 会社概要”. 2009年1月3日閲覧。
  4. ^ Seagate Technology”. local wiki. 2015年10月10日閲覧。
  5. ^ Seagate Leaks 750GB Barracuda 7200.10 Details” (2006年4月20日). 2008年4月18日閲覧。
  6. ^ シーゲイト社によるマックストア社の買収が完了”. 2008年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月30日閲覧。
  7. ^ シーゲイトがノートパソコン向けに世界最速のハード・ドライブを提供。 MOMENTUS® XTソリッド・ステート・ハイブリッド・ドライブが、ハード・ディスク・ ドライブの容量と価値を備えたソリッド・ステート・パフォーマンスを実現。”. 2010年5月24日閲覧。
  8. ^ シーゲイト、サムスンのハードディスク事業の買収を完了
  9. ^ “SeagateがLaCieを買収へ、日欧の消費者向けストレージ事業を強化:ITpro”. ITpro (Nikkei Business Publications, Inc.). (2012年5月24日). https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20120524/398857/?rt=nocnt 2017年7月24日閲覧。 
  10. ^ Seagate製HDDの一部でアクセス不能になる不具合”. 2009年1月20日閲覧。
  11. ^ シーゲイト、HDDの不具合に無償のデータ復旧サービスで対応”. 2009年1月21日閲覧。
  12. ^ 東芝による富士通のHDD事業取得完了について : 富士通”. pr.fujitsu.com. 2023年4月20日閲覧。

外部リンク 編集