ジェラール・プーレGérard Poulet1938年 - )は、フランスヴァイオリン奏者。2018で80歳を越えた現在も現役として高いパフォーマンスを維持する巨匠として揺るぎない評価を確立している。 ヘンリク・シェリングの愛弟子としても知られ、15年間に渡り演奏旅行を共にし、薫陶を受けている。

ジェラール・プーレ
ジェラール・プーレ
基本情報
生誕 (1938-08-12) 1938年8月12日
出身地 フランスの旗 フランス
学歴 パリ国立音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 ヴァイオリニスト
担当楽器 ヴァイオリン
公式サイト ジェラール・プーレ公式HP

経歴 編集

指揮者とヴァイオリニストであったガストン・プーレの息子で、天才少年期を送る。父ガストンは最晩年のクロード・ドビュッシーと親交があり、ドビュッシー生前最後のコンサートでドビュッシーのヴァイオリンソナタをガストンのヴァイオリン、ドビュッシーのピアノで初演している[1]

11歳でパリ国立音楽院に入学し、2年後には審査員全員一致の首席で卒業。18歳の時には、イタリアのジェノヴァでのパガニーニ国際コンクールで最優秀賞を受賞。

ジノ・フランチェスカッティユーディ・メニューインナタン・ミルシテイン、とりわけ彼の精神の父となったヘンリク・シェリング等の世界的巨匠達の教育を受けながら、数々のコンサートをし、キャリアを世界中に広めた。パリ管弦楽団フランス国立管弦楽団ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団ほか世界中のオーケストラと共演し、毎年行われるラジオ・フランスオルセー美術館シャンゼリゼ劇場プラド、ディヴォンヌ、ソーブザンソンモンテカルロモントルー等の名高い音楽フェスティバルや定期公演に出演している。ドイツ、オーストリア、イタリア、スイス、日本、アメリカ、カナダ、チェコ、スロヴァキア、中国、韓国、ブラジル、アルゼンチン、チュニジア等に渡り、国際的なキャリアを築いた。そして数多くの国際コンクールの審査員に招聘されている。

偉大な教育者でもあり、長年教授を務めたパリ国立高等音楽院を2003年に退官後、パリCNR市立音楽院のソリストコースとエコール・ノルマル音楽院で教鞭を執り、2005年4月から2009年3月まで東京芸術大学の客員・招聘教授、2010年4月からは昭和音楽大学の客員教授を務めている。ウィーンや北京の音楽院でも教える他、京都フランス音楽アカデミーいしかわミュージック・アカデミーを始め世界中でマスタークラスを行っている。 1999年文化功労賞を受賞、2019年フランス芸術文化勲章叙勲。

2019年夏、自身の名を冠したジェラール・プーレ ヴァイオリンコンクールの第1回を日本の妙高で開催した。自ら審査員を務めた他、澤和樹堀正文も審査員として参加。優勝者は戸澤采紀。

ルノー・カピュソンテディ・パパヴラミなど、世界的なヴァイオリニストを指導している。日本人ヴァイオリン奏者では、山田晃子米元響子佐藤俊介川畠成道松本紘佳らが指導を受けた。

ディスコグラフィ 編集

これまでに出した録音(LP含む)は67枚。日本では次のCDをリリースしている。メジャーなレーベルではないため日本での流通量は決して多くないが、いずれもファンの間では高い評価を得ている。 「室内楽の地位を向上すべき」との考えにもとづき、ヴァイオリンとピアノのためのソナタや小品を数多く録音している。中でも父が初演したドビュッシーのソナタをはじめ、フォーレラヴェルフランクといったフランス系作曲家の作品の演奏はどれも超一級品である。 ドイツ音楽の演奏にも定評があり、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ全集[2]や、ブラームスのヴァイオリンソナタ全集などは隠れた名盤としてファンの熱烈な支持を受けている。

  • クライスラーの珠玉の名曲集」 2006年 マイスターミュージック株式会社
  • 「フランス3大ヴァイオリン・ソナタを弾く」2008年 ドビュッシーラヴェルプーランクのヴァイオリンソナタを収録。タカギ・クラヴィア株式会社。
  • 「ロシア・ロマン派を歌う」2010年 タカギ・クラヴィア株式会社。
  • 「ピレネーの太陽」 2010年キング・インターナショナル。
  • ベートーヴェン 7,6,5番「春」」 2013年 ALM Records コジマ録音。
  • ベートーヴェン 9番「クロイツェル」、10番」 2016年 ALM Records コジマ録音。
  • グリーグスークスメタナをうたう」2016年 タカギクラヴィア株式会社。
  • ブラームスをうたう」ブラームスのヴァイオリンソナタ全集[3]。2017年 タカギクラヴィア株式会社。
  • ラヴェル ピアノトリオ[4]」 2019年

海外でリリースされた録音については、以下を参照。 Discography (Discogs)

脚注 編集

  1. ^ 初演から丁度100年に当たる2017年の5月5日に紀尾井ホールで記念コンサートをジェラールが行っている。
  2. ^ フランスのもっとも著名なレコード賞の1つであるディアパソン・ドールを受賞している。ARIONからリリース。
  3. ^ 雑誌レコード芸術2017年12月号、新譜月評の特選版に選ばれている。
  4. ^ 雑誌レコード芸術2019年8月号、新譜月評の特選版に選ばれている。

外部リンク 編集