ジミー・ジョンソン (ドライバー)

ジミー・ケネス・ジョンソンJimmie Kenneth Johnson1975年9月17日 - )はアメリカ合衆国カリフォルニア州)出身の元NASCARドライバー。ニックネームはスーパーマン。2021年からはインディカーシリーズに参戦中。

Jimmie Johnson
2019年のジョンソン
生誕 (1975-09-17) 1975年9月17日(48歳)
カリフォルニア州エルカホン
身長5 ft 11 in (1.80 m)
体重165 lb (75 kg)
業績2006, 2007, 2008, 2009, 2010, 2013, 2016 スプリントカップ・シリーズチャンピオン
2003, 2006, 2012, 2013 オールスター優勝
2005 バドワイザー・シュートアウト勝利
2006, 2013 デイトナ500優勝
2003, 2004, 2005 コカ・コーラ600 Winner
2004, 2012 サザン500 Winner
2006, 2008, 2009, 2012 ブリックヤード400 Winner
2010 Prelude to the Dream Winner
Six off-road racing championships
表彰1998 ASA National Tourルーキー・オブ・ザ・イヤー
2009年AP通信最優秀選手賞
2006, 2007, 2009, 2010 ドライバー・オブ・ザ・イヤー
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズでの経歴
13年の間435レース出場
車番-チームNo. 48 (ヘンドリック・モータースポーツ)
2013年の順位1st
最高位1st (2006, 2007, 2008, 2009, 2010, 2013)
初戦2001 UAW-GM Quality 500 (Charlotte)
初勝利2002 NAPA Auto Parts 500 (California)
最終勝利2016 Ford EcoBoost 400(Homestead)
優勝数 10位以内 PP
66 272 32
NASCARエクスフィニティ・シリーズでの経歴
10年の間93レース出場
車番-チームNo. 5 (JRモータースポーツ)
2013年の順位111th
最高位8th (2001)
初戦1998 Kroger 200 (IRP)
最終戦2013 Dollar General 200 (Phoenix)
初勝利2001 Sam's Club Presents the Hills Bros. Coffee 300 (Chicago)
優勝数 10位以内 PP
1 24 2
NASCARガンダー・アウトドアーズ・トラック・シリーズでの経歴
1年の間1レース出場
最高位104th (2008)
初戦2008 O'Reilly 200 (Bristol)
優勝数 10位以内 PP
0 0 0
インディカー・シリーズでの経歴
2年の間25レース出場
チームNo. 48 (チップ・ガナッシ・レーシング)
優勝数 表彰台 PP
0 0 0
March 20, 2022現在。


経歴 編集

彼のキャリアは5歳時の50ccオートバイレースが初であった。

四輪オフロードレースを経てサーキット競技に転向し、好成績が認められ1998年よりNASCAR・ブッシュシリーズに出走をし始めた。その後、2001年のチームトラブルによりジェフ・ゴードンと親交を深める機会が生まれ、翌年彼等のチーム(ヘンドリック・モータースポーツ)からウィンストンカップ・シリーズ(現・モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ)にフル参戦デビューを果たす。

フル参戦初年度よりデイトナ500でポールを獲得するなど大きな注目を浴びるが、翌年から実力を誇示しつつも調子に波があることや[1]、短期決戦であるチェイス(プレーオフ制度)等に阻まれ、年間王者を取り逃がすシーズンが続く(2003年はわずか1勝のマット・ケンゼスに屈し、2004年は8勝しながらもカート・ブッシュに8ポイント差で敗れる)。しかし、2006年にチェイスを制して遂に悲願のシリーズチャンピオンを獲得する[2]。「チャンピオン候補」の重圧から解放された2007年は年間10勝の活躍(プレーオフでも4勝)、文句なしの成績で2連覇を達成[3]。そして2008年も年間7勝を獲得し、ケール・ヤーボロー英語版が1976年~1978年に達成して以来となる30年ぶり2人目のNASCAR最高峰クラス3連覇を果たした[4]

そして2009年、チェイス前3勝[5][6][7]で3位でチェイスへ突入。チェイス2戦目のドーバーで4勝目を[8]、4戦目フォンタナでの勝利[9]でランキングトップへと浮上。そのまま5戦目シャーロットも連勝[10]、7戦目タラデガではライバルが最後のビッグワンに巻き込まれ低迷する中を運良く回避し、差を詰められるはずのランキングを逆に引き離す結果に[11]。8戦目テキサスでは序盤のハードクラッシュに巻き込まれ38位に終わり[12]、一気に詰められるものの9戦目フェニックスで勝利[13]し一気に有利な展開へ。最終戦ホームステッドでは納得の5位[14]。シリーズチャンピオンだけでなく、最多勝、賞金王のトリプルクラウン獲得のおまけ付きで、前人未踏のシーズン4連覇を達成した[15]

2010年は最後の最後までもつれる大接戦となったが、最終戦のホームステッドで2位に入り[16]、年間8勝でポイントリーダーであったデニー・ハムリンを逆転して5連覇を達成[17]。ジョンソンは年間6勝と最多勝こそハムリンに譲ったものの、TOP5が17回・TOP10も23回と抜群の安定感が決め手となった。

2013年は開幕戦デイトナ500での勝利[18]を含めレギュラーシーズン4勝。チェイスで1勝の計5勝で迎えた第34戦テキサスで勝利[19]し、マット・ケンゼスを追い抜いてランキング首位となる。続く第35戦ではケヴィン・ハーヴィックに敗れ3位[20]、最終戦ホームステッド=マイアミでは9位フィニッシュ[21]であったが、チャンピオンを争っていたケンゼスは勝利をチームメイトのハムリンに阻まれたため、ジョンソンが19ポイント差で6回目のチャンピオンを獲得した[22]

2016年は第2戦アトランタを制し、早々にチェイス進出を決める[23]。第5戦フォンタナ[24]を制した後しばらく勝利からは遠ざかるものの、チェイスに入ってから第30戦シャーロット[25]、第33戦マーティンズビル[26]を制し、チャンピオンシップ4に勝ち残る。最終戦ホームステッド=マイアミ[27]を制し、リチャード・ペティデイル・アーンハートと並ぶシリーズ7回目のチャンピオンを獲得した[28]

2018年3月14日、プライマリースポンサーとしてサポートしていたロウズが、2018年限りでスポンサーから撤退するとアナウンスされた[29]。カップ戦初参戦の2001年から続いていたパートナーシップは18年で終了することとなった。

2020年でNASCARを引退することになったが、2021年からは幼少期から憧れていたインディーカーシリーズに参戦することになった。長いレース経験で、オープンホイールのレースに参加するのはこれが初めてであった。スポンサーが集まり、チップ・ガナッシ・レーシングから参戦することになったが、同年は「オープンホイールのオーバルコースは危険」と主張する妻の言に従い、ストリートコースと通常サーキットのみの参戦であった。一年をその状態で参戦することで、近年にスクリーンなどを取り入れて安全策を向上させたインディカーを自ら体感で安全を確認した上で、さらにシーズンオフにはオーバルでのテスト走行や新人研修にも参加した。これら何重もの安全策を家族に理解して貰うことで、2022年からはオーバルを含めたシーズン全戦の参加が(家族から)認められた。

オフロードからインディカーへ、という経歴は、(ジミーの場合は途中に「NASCAR伝説のチャンプ」という経歴が挟まるが)彼の憧れのリック・メアーズと同じであり、ジミーもそれを意識している。


戦績 編集

 
デイトナでのジミー・ジョンソン(2008年)

NASCAR 編集

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ 編集

チーム No. 車両 出場 勝利 T5 T10 PP Led/Laps 順位 出典
2001 ヘンドリック・モータースポーツ 48 シボレー 3 0 0 0 0 0 / 781 52位 [30]
2002 36 3 6 21 4 838 / 10521 5位 [31]
2003 36 3 14 20 2 644 / 10492 2位 [32]
2004 36 8 20 23 1 1312 / 10054 2位 [33]
2005 36 4 13 22 1 547 / 10126 5位 [34]
2006 36 5 13 24 1 854 / 10577 1位 [35]
2007 36 10 20 24 4 1290 / 10318 1位 [36]
2008 36 7 15 22 6 1959 / 10643 1位 [37]
2009 36 7 16 24 4 2238 / 10298 1位 [38]
2010 36 6 17 23 2 1315 / 10418 1位 [39]
2011 36 2 14 21 0 1115 / 10560 6位 [40]
2012 36 5 18 24 4 1744 / 9924 3位 [41]
2013 36 6 16 24 3 1985 / 10306 1位 [42]
2014 36 4 11 20 1 1310 / 9893 11位 [43]
2015 36 5 14 22 1 558 / 10207 10位 [44]
2016 36 5 11 16 1 737 / 10231 1位 [45]
2017 36 3 4 11 0 217 / 9955 10位 [46]
通算(17年間) 579 83 222 341 35 18663 / 165304

その他 編集

  • 尊敬するレーシングドライバーにリック・メアーズを挙げている。
  • チャンピオンを獲得した2006年のシーズンオフにゴルフカートの“上”から落ちて手首を骨折している。

脚注 編集

  1. ^ 本人曰く「駄目な時は全部駄目」と嘆くほどであり、予選から調子が悪いと決勝でも自分のミスやバッドラック含め20位台に終わることも珍しくない。
  2. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2006”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  3. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2007”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  4. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2008”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  5. ^ 2009 Goody's Fast Pain Relief 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  6. ^ 2009 Autism Speaks 400 Presented by Heluva Good!”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  7. ^ At_The_Brickyard/W 2009 Allstate 400 At The Brickyard”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  8. ^ 2009 AAA 400”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  9. ^ 2009 Pepsi 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  10. ^ 2009 NASCAR Banking 500 Only From Bank of America”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  11. ^ 2009 AMP Energy 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  12. ^ 2009 Dickies 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  13. ^ 2009 Checker O'Reiliy Auto Parts 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  14. ^ 2009 Ford EcoBoost 400”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  15. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2009”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  16. ^ 2010 Ford EcoBoost 400”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  17. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2010”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  18. ^ 2013 Daytona 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  19. ^ 2013 AAA Texas 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  20. ^ 2013 AdvoCare 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  21. ^ 2013 Ford EcoBoost 400”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  22. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2013”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  23. ^ 2016 Folds of Honor QuikTrip 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  24. ^ 2016 Auto Club 400”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  25. ^ 2016 Hellmann's 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  26. ^ 2016 Goody's Fast Relief 500”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  27. ^ 2016 Ford EcoBoost 400”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  28. ^ NASCAR Sprint Cup standings for 2016”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月7日閲覧。
  29. ^ Jimmie Johnson to have a new primary sponsor in 2019”. NASCAR.com (2018年3月14日). 2018年5月11日閲覧。
  30. ^ Jimmie Johnson – 2001 NASCAR Winston Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  31. ^ Jimmie Johnson – 2002 NASCAR Winston Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  32. ^ Jimmie Johnson – 2003 NASCAR Winston Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  33. ^ Jimmie Johnson – 2004 NASCAR Nextel Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  34. ^ Jimmie Johnson – 2005 NASCAR Nextel Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  35. ^ Jimmie Johnson – 2006 NASCAR Nextel Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  36. ^ Jimmie Johnson – 2007 NASCAR Nextel Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  37. ^ Jimmie Johnson – 2008 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  38. ^ Jimmie Johnson – 2009 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  39. ^ Jimmie Johnson – 2010 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  40. ^ Jimmie Johnson – 2011 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  41. ^ Jimmie Johnson – 2012 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  42. ^ Jimmie Johnson – 2013 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  43. ^ Jimmie Johnson – 2014 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  44. ^ Jimmie Johnson – 2015 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  45. ^ Jimmie Johnson – 2016 NASCAR Sprint Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。
  46. ^ Jimmie Johnson – 2017 Monster energy NASCAR Cup Results”. Racing-Reference.info. USA Today Sports Media Group. 2018年5月14日閲覧。

外部リンク 編集

タイトル
先代
トニー・スチュワート
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2006年
次代
ジミー・ジョンソン
先代
ジミー・ジョンソン
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2007年
次代
ジミー・ジョンソン
先代
ジミー・ジョンソン
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2008年
次代
ジミー・ジョンソン
先代
ジミー・ジョンソン
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2009年
次代
ジミー・ジョンソン
先代
ジミー・ジョンソン
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2010年
次代
トニー・スチュワート
先代
ブラッド・ケセロウスキー
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2013年
次代
ケヴィン・ハーヴィック
先代
カイル・ブッシュ
NASCAR スプリントカップ・シリーズ チャンピオン
2016年
次代
マーティン・トゥーレックス・ジュニア
功績
先代
ジェフ・ゴードン
デイトナ500 勝者
2006年
次代
ケヴィン・ハーヴィック
先代
マット・ケンゼス
デイトナ500 勝者
2013年
次代
デイル・アーンハート・ジュニア
先代
ライアン・ニューマン
NASCARスプリント・オールスターレース 勝者
2003年
次代
マット・ケンゼス
先代
マーク・マーティン英語版
NASCARスプリント・オールスターレース 勝者
2006年
次代
ケヴィン・ハーヴィック
先代
カール・エドワーズ
NASCARスプリント・オールスターレース 勝者
2012年
次代
ジミー・ジョンソン
先代
ジミー・ジョンソン
NASCARスプリント・オールスターレース 勝者
2013年
次代
ジェイミー・マクマレー