ジャイアンツコーズウェイ

アイルランド産の競走馬・種牡馬

ジャイアンツコーズウェイ (Giant's Causeway) とはアイルランド競走馬G1競走6勝を数え、ダートを問わず活躍し、連戦にも耐え「アイアンホース」との異名を残した[1]。引退後は種牡馬としても活躍した。

ジャイアンツコーズウェイ
スーザン・マグナーの勝負服[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1997年2月14日
死没 2018年4月16日
Storm Cat
Mariah's Storm
母の父 Rahy
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Orpendale
Michael Tabor
馬主 Mrs.John Magnier
Mr.Michael Tabor
調教師 Aidan Patrick O'Brien
競走成績
生涯成績 13戦9勝
獲得賞金 586,206アイルランド・ポンド
935,000UKポンド
400,000フラン
938,000ドル
勝ち鞍
G1 サラマンドル賞 1999年
G1 セントジェームズパレスS 2000年
G1 エクリプスステークス 2000年
G1 サセックスステークス 2000年
G1 インターナショナルS 2000年
G1 愛チャンピオンステークス 2000年
G3 フューチュリティS 1999年
G3 グラッドネスステークス 2000年
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父は名種牡馬として名高いストームキャット、母は芝・ダートで重賞を複数勝った馬。「クールモアグループ」に購買され、総帥ジョン・マグナーと生産者マイケル・テイバーが折半することになった。主戦騎手は日本でも重賞を勝っているマイケル・キネーン

競走馬として 編集

アイルランドの名調教師エイダン・オブライエンのもとでデビューしたジャイアンツコーズウェイは、デビュー戦で7馬身差の快勝。続くフューチュリティーステークスで重賞初制覇を飾ると、フランスに遠征してG1のサラマンドル賞(現在は廃止されている)を制覇する。同期の同厩にはモルニ賞を勝ったファスリエフがいたが、故障のため引退しジャイアンツコーズウェイが厩舎1番手となる。

明けて3歳、初戦で古馬を一蹴しイギリス2000ギニーに挑むが、キングズベストの後方強襲に遭い2着。さらにアイリッシュ2000ギニーでも1番人気に支持されるが、プール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)優勝馬バチアーの逃げ切りを許しまたも2着に敗れてしまう。このあと出走したセントジェームズパレスステークスで、ようやく1番人気に応えて勝利する。ここからジャイアンツコーズウェイの怒涛の快進撃が始まった。

続いて出走したのはエクリプスステークスファンタスティックライトサキーカラニシなどの強豪馬が顔をそろえたなか、キネーンの負傷によりこのときのみジョージ・ダフィールドに乗り替わっていたこともあってか5番人気にとどまる。しかしレースではカラニシの追い込みを封じて勝利する。サセックスステークスも楽勝し、インターナショナルステークスではカラニシとの再戦にも勝利する。さらにマイケル・テイバーが所有するモンジューが当初出走を予定していたアイリッシュチャンピオンステークスにもモンジューに代わって出走し、調整不足ながらも勝利。この5連勝の間、わずかに12週間。ミルリーフの持つG1競走6連勝の記録にあと1勝の所まで並んだ。

ところが、続くクイーンエリザベス2世ステークスでは伏兵オブザーヴァトリーの強襲に遭って2着に敗れ、6連勝はならなかった。このあとチャンピオンステークスを回避し、ダートの最高峰であるブリーダーズカップ・クラシックに出走することとなる。フサイチペガサスティズナウレモンドロップキッドらの強豪が顔をそろえたなかで3番人気に推され、レースでは最後の直線でティズナウと激しく競り合った末クビ差及ばず2着となったが、ダートの適性の高さも見せつけた。この結果、カルティエ賞の最優秀3歳牡馬は凱旋門賞優勝馬シンダーに取られるが、代わりに年度代表馬の栄誉を得た。

競走成績 編集

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
1999.07.21 ナース メイドン 芝6f 1着 M.キネーン 7馬身 (Soorah)
1999.08.29 カラ フューチュリティS G3 芝7f 1着 M.キネーン 2 1/2馬身 (Brahms)
1999.09.18 ロンシャン サラマンドル賞 G1 芝1400m 1着 M.キネーン 2馬身 (Race Leader)
2000.04.09 カラ グラッドネススS G3 芝7f 1着 M.キネーン 3/4馬身 (Tarry Flynn)
2000.05.06 ニューマーケット 2000ギニー G1 芝8f 2着 M.キネーン 3 1/2馬身 King's Best
2000.05.27 カラ 愛2000ギニー G1 芝8f 2着 M.キネーン クビ Bachir
2000.06.20 アスコット セントジェームズパレスS G1 芝8f 1着 M.キネーン アタマ (Valentino)
2000.07.08 サンダウン エクリプスS G1 芝10f7y 1着 G.ダフィールド アタマ (Kalanisi)
2000.08.02 グッドウッド サセックスS G1 芝8f 1着 M.キネーン 3/4馬身 (Dansili)
2000.08.22 ヨーク 英国際S G1 芝10f85y 1着 M.キネーン アタマ (Kalanisi)
2000.09.09 レパーズタウン 愛チャンピオンS G1 芝10f 1着 M.キネーン 1/2馬身 (Greek Dance)
2000.09.23 アスコット クイーンエリザベス2世S G1 芝8f 2着 M.キネーン 1/2馬身 Observatory
2000.11.04 チャーチルダウンズ BCクラシック GI D10f 2着 M.キネーン クビ Tiznow

種牡馬として 編集

2001年よりアイルランドクールモアスタッドで種牡馬入り。翌年からはクールモア・アメリカで供用される。初期のころはシャトル種牡馬としてオーストラリアでも種付けを行った。初年度産駒がデビューした2004年からカルティエ賞最優秀2歳牡馬に輝いたシャマルダルを送り出し、ヨーロッパのファーストクロップリーディングサイアーとなる。翌年以降も毎年数々のG1勝ち馬を輩出し、2009年2010年の北米リーディングサイアーとなったが、2018年4月16日に繋養先だった米国ケンタッキー州のアッシュフォードスタッドで死亡した。享年21歳。

産駒はおもにアメリカで活躍しているが、かつて供用されたヨーロッパ、オーストラリアでもGI勝ち馬を輩出。父ストームキャットの後継種牡馬として、世界を股にかける活躍を見せている。さらには代表産駒の1頭であるシャマルダルがフランスクラシック二冠を制したロペデヴェガを輩出するなど、孫世代にも活躍が広がっている。

日本にも産駒が輸入されており、マイルチャンピオンシップ優勝馬エイシンアポロンなど4頭の重賞勝ち馬を出している。

おもな産駒 編集

  • *印は本邦輸入

ブルードメアサイアーとしてのおもな産駒 編集

血統表 編集

ジャイアンツコーズウェイ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ストームキャット系ストームバード系
[§ 2]

Storm Cat
1983 黒鹿毛
父の父
Storm Bird
1978 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
South Ocean New Providence
Shining Sun
父の母
Terlingua
1976 栗毛
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Crimson Saint Crimson Satan
Bolero Rose

Mariah's Storm
1991 鹿毛
Rahy
1985 栗毛
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
Glorious Song Halo
Ballade
母の母
*イメンス
Immense
1979 鹿毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Imsodear Chieftain
Ironically
母系(F-No.) イメンス系(FN:11) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrulla5×5=6.25% / Bold Ruler 4×5=9.38% / Hail to Reason 5・4(母内)=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [4]
  2. ^ [5]
  3. ^ [4]
  4. ^ [4]

・祖母イメンスは日本に輸入されており、クイーンステークスの勝ち馬エアザイオンの母となっている。
・全弟のFreud(フロイト)が1勝馬ながらアメリカで種牡馬になっている。代表産駒はフラニーフルード(プライオレスステークス)、ジャイアントライアン(ヴォスバーグステークス)、シャープアステカ(シガーマイルハンデキャップ)。
・姪(半妹Fabulousの娘)にサンタラリ賞勝ち馬のAbove The Curveがいる。

脚注 編集

  1. ^ a b 'A true champion' - O'Brien tribute after death of Giant's Causeway”. News. Racing Post. 2019年8月13日閲覧。
  2. ^ レモンポップ(USA)”. JBISサーチ. 2023年2月19日閲覧。
  3. ^ エコロデュエル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年11月11日閲覧。
  4. ^ a b c 血統情報:5代血統表|Giant's Causeway(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年1月28日閲覧。
  5. ^ Giant's Causewayの血統表”. netkeiba.com. 2018年1月28日閲覧。

外部リンク 編集