ジャガー・R4 (Jaguar R4 ) は、ジャガー・レーシング2003年のF1世界選手権参戦用に開発し投入したフォーミュラ1カー。デザイナーはロバート・テイラー

ジャガー・R4
カテゴリー F1
コンストラクター ジャガー
デザイナー

イギリスの旗 デビッド・ピッチフォース
Technical Director,Managing Director
イギリスの旗 ロバート・テイラー
Chief Designer
イギリスの旗 ベン・アガザンジェロウ
Head of Aerodynamics

イギリスの旗 ダレン・デイビス
Aerodynamics
イギリスの旗 マーク・ギラン[1]
Head of vehicle performance
イギリスの旗 ニック・ヘイズ[2][3]
Technical Director/Cosworth Racing
イギリスの旗 ロブ・ホワイト
CR-5 Engine Designer
先代 ジャガー・R3
後継 ジャガー・R5
主要諸元
シャシー カーボンファイバー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, トーションバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, トーションバー
エンジン コスワース CR5 2,998 cc (182.9 cu in) 90度, V10 NA 90度
トランスミッション ジャガー製 7速 縦置き セミAT
燃料 テキサコ
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム ジャガー・レーシング
ドライバー 14. オーストラリアの旗 マーク・ウェバー
15. ブラジルの旗 アントニオ・ピッツォニア
15. イギリスの旗 ジャスティン・ウィルソン
出走時期 2003年
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 2003年オーストラリアグランプリ
出走優勝ポールFラップ
16000
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開発の経緯 編集

 
R4のエンジンカウルに描かれた「ビッグキャット」

参戦以来何度かのトラブルを経てジャガーチームは2003年シーズン、ようやく落ち着くこととなった。トニー・パーネル、デヴィッド・ピッチフォースの指揮の下、チームは結果を残すことが必要だと感じ、またその能力がそれに及ばないことも知っていた。

2002年末にエディ・アーバインは引退し、ペドロ・デ・ラ・ロサもチームの構想外にあった。マーク・ウェバーアントニオ・ピッツォニアが新たに加入し、チームの運営陣もドライバーと共に再構築された。

車の改善がそれに続いた。R4は古いR3に比べ、完全に再設計され再構築された。開発の焦点はより堅牢なシャシーに合わせられ、プレシーズンの間に多くのテストが順調に行われ、実験室ではあらゆる問題が探し出された。

搭載するコスワースCRエンジンはバンク角が72度から90度に拡げられた。

2003年シーズン 編集

新しいR4は2003年シーズンへの準備は整っていたが、完成車としての走行は僅かなものであった。開発の遅れにより多くの信頼性の問題が存在した。パッケージとしての信頼性は高いものでは無かったが、コスワースエンジンの能力は目を見張るものがあり、問題は主にシャシーに起因するものであった。ブラジルGPではウェバーが大きくクラッシュし、赤旗が振られレースは53周で成立した。

スペインGP後、チームは目立った成果を残せないピッツォニアを交代させようという意向を公然と明らかにし、マクラーレンの経験豊富なテストドライバーであるアレクサンダー・ヴルツとの契約を望んでいると報道された。しかしながら、マクラーレンは新車開発にヴルツの能力が必要であるとして契約を解除しなかったため、ジャガーチームは難しい立場に置かれることとなった。チームはピッツォニアに謝罪し、イギリスGPまで契約を継続した。イギリスGPでピッツォニアはリタイアしたものの、シーズンにおける最も説得力のあるドライブを行った。しかしチームはレース後にミナルディのレギュラードライバーであったジャスティン・ウィルソンを起用した。

ウェバーは予選3位を2度記録し、7回の入賞を果たした。チームは18ポイントを得て、コンストラクターズランキング7位でシーズンを終えた。

スペック 編集

シャーシ 編集

エンジン 編集

F1における全成績 編集

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
2003年 ジャガー コスワース V10 M AUS
 
MAL
 
BRA
 
SMR
 
ESP
 
AUT
 
MON
 
CAN
 
EUR
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
ITA
 
USA
 
JPN
 
18 7位
マーク・ウェバー Ret Ret 9 Ret 7 7 Ret 7 6 6 14 11 6 7 Ret 11
アントニオ・ピッツォニア 13 Ret Ret 14 Ret 9 Ret 10 10 10 Ret
ジャスティン・ウィルソン Ret Ret Ret 8 13

参照 編集

  1. ^ Mark Gillan”. linkedin.com. 2022年11月17日閲覧。
  2. ^ Nick Hayes - people”. grandprix.com. 2022年10月29日閲覧。
  3. ^ Q+A with Cosworth's technical director”. f1technical.net. 2022年11月5日閲覧。