ジリアン・アンダーソン

ジリアン・アンダーソン(Gillian Anderson, 1968年8月9日 - )は、アメリカ合衆国女優。日本においては、『X-ファイル』のFBI捜査官ダナ・スカリー (Dana Scully) 役で有名である。

ジリアン・アンダーソン
Gillian Anderson
Gillian Anderson
ジリアン・アンダーソン(2017年)
本名 Gillian Leigh Anderson
ジリアン・リー・アンダーソン
生年月日 (1968-08-09) 1968年8月9日(55歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イリノイ州シカゴ
身長 160cm[1]
職業 女優
ジャンル テレビドラマ映画
配偶者 エノール・クラウド・クロック(1994年 - 1999年
ジュリアン・オザーン(2004年 - 2006年
マーク・グリフィス(恋人)(2006年-2012年
主な作品
映画
The House of Mirth
テレビドラマ
X-ファイル
THE FALL 警視ステラ・ギブソン
セックス・エデュケーション
 
受賞
エミー賞
主演女優賞(ドラマ部門)
1997年X-ファイル
助演女優賞(ドラマ部門)
2020年ザ・クラウン (ネットフリックス)
ゴールデングローブ賞
主演女優賞(ドラマシリーズ部門)
1997年『X-ファイル』
助演女優賞
2021年『ザ・クラウン
全米映画俳優組合賞
女優賞 (ドラマシリーズ)
1995年『X-ファイル』
1996年『X-ファイル』
その他の賞
ロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワード
最優秀女優賞
2014年『欲望という名の電車
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来歴 編集

イギリス系・アイルランド系の両親のもと、3人兄弟のうちの1人として、米イリノイ州の都市シカゴに生まれる。出生直後に家族でプエルトリコに移り、15か月間の滞在ののちに英国ロンドンに転住[2]。11歳のときに米ミシガン州南西部の都市グランド・ラピッズに移る[3]

自らの英国系としての背景とアイルランド訛りの英語もあり、アメリカ中西部という土地における疎外感と同時にこの土地に対する反骨心を旺盛に抱いた、強固な意志と反抗的な態度を持った少女であったという。アイルランド訛りの英語を度々からかわれた事もあり、次第に中西部方言を身につけた。現在でもインタビューの際に中西部方言とイギリス英語を使い分けている[4][5][6]。1980年代の始め頃には鼻ピアスを開けたり様々な色に染髪をするなどしていたという。

高校の頃から演じる事に興味を持つようになる。もともとは海洋生物学者を志していたが[2]、17歳を過ぎてからグランド・ラピッズの劇場などでオーディションを受け、いくつかの役を得た。デポール大学で演劇の学士号を取得[7]オフ・ブロードウェイで舞台活動(『不在の友人たち』でシアター・ワールド賞受賞)を続ける中、『X-ファイル』のオーディションを受け、300人の応募の中からダナ・スカリー役に選ばれる。

1997年には、アニメシリーズ『ザ・シンプソンズ』で、デイヴィッド・ドゥカヴニーと共に『X-ファイル』のスカリー捜査官役で声のゲスト出演をしている。またスタジオジブリアニメ作品『もののけ姫』の北米版においてモロ(山犬の母神)の声を担当した。

2014年、舞台『欲望という名の電車』のブランチ・デュボア役において、ロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワードの主演女優賞を受賞[8]

2021年、テレビドラマシリーズ『ザ・クラウン』にて第78回ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞した。

その他 編集

  • 瞳の色は青緑色。
  • 地毛の色はアッシュ・ブロンド。
  • 猫アレルギーを持っている。
  • 鼻ピアスの穴は未だに健在で、写真などでも確認可能。
  • 『X-ファイル』における役柄とは違い、超常現象などに対して肯定的である。逆に同作品における彼女の相棒フォックス・モルダー(熱烈的肯定者)を演じるデイヴィッド・ドゥカヴニーは超常現象などに対して懐疑的である。
  • 娘と共に『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』など宮崎アニメの大ファンである(公式HPより)。
  • 『X-ファイル』のうちで好きなエピソードは「トライアングル」("Triangle")と「吸血」("Bad Blood")であるという。
  • 動物の権利に関心を持ち、PETAの熱心な会員でもある[9]
  • 整形疑惑が囁かれることもあるが、本人は否定している[1]

結婚・離婚歴 編集

 
『X-ファイル: 真実を求めて』公開初日。次男を妊娠したアンダーソン(2008年7月25日

1994年にテレビ業界で美術監督として働くエノール・クラウド・クロックと結婚し、翌1995年に長女を出産したが、1999年に離婚。

2002年に参加したサファリツアーをきっかけにフォトジャーナリストのジュリアン・オザーンと知り合い、数か月後に婚約、2004年12月に結婚。ケニアで結婚式を挙げたあと、前夫との娘と一緒にロンドンで暮らしていたが2006年に別居が伝えられ、2度目の結婚に1年4か月で終止符を打ち離婚[10]

その後、ビジネスマンのマーク・グリフィスと交際し、2006年11月初めに長男を出産。予定日よりも3週間早く生まれ、NICUに入っていたため、出産の発表が遅れた[11]2008年に、ロンドンの病院で次男を出産[12]。2012年にマーク・グリフィスとも別れている[13]

主な出演作品 編集

映画 編集

公開年 邦題
原題
役名 備考
1991 THE TURNING
The Turning
エイプリル・キャヴァナー
1997 シカゴ・ドライバー
Chicago Cab
Southside Girl
1998 マイ・フレンド・メモリー
The Mighty
ロレッタ・リー
X-ファイル ザ・ムービー
The X-Files The Movie
ダナ・スカリー捜査官
マイ・ハート、マイ・ラブ
Playing by Heart
メレディス
2000 The House of Mirth Lily Bart
2005 トリストラム・シャンディの生涯と意見
A Cock and Bull Story
ウォドマン夫人
2006 ラストキング・オブ・スコットランド
The Last King of Scotland
サラ・メリット
2007 バイオレンス・ブリット
Straightheads
アリス
2008 X-ファイル: 真実を求めて
The X-Files: I Want To Believe
ダナ・スカリー
セレブ・ウォーズ 〜ニューヨークの恋に勝つルール〜
How to Lose Friends & Alienate People
エレノア・ジョンソン
2009 ギャラリー 欲望の画廊
Boogie Woogie
ジェーン・マクレストーン
2010 白鯨 MOBY DICK
Moby Dick
エリザベス テレビ・ミニシリーズ
2011 ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
Johnny English Reborn
パメラ・ソーントン
2012 シモンの空
L'enfant d'en haut
クリスティン
シャドー・ダンサー
Shadow Dancer
ケイト・フレッチャー
2013 タイム・チェイサー
I'll Follow You Down
マリカ
2014 スティールワールド
Robot Overlords
ケイト
2017 英国総督 最後の家
Viceroy's House
エドウィナ・マウントバッテン夫人
アガサ・クリスティー ねじれた家
Crooked House
マグダ・レオニデス
2018 バッド・スパイ
The Spy Who Dumped Me
ウェンディ
UFO -オヘアの未確認飛行物体-
UFO
ヘンドリックス教授
2022 ほの蒼き瞳
The Pale Blue Eye
ジュリア・マークウィス Netflixオリジナル映画
2025
Tron: Ares
TBA 撮影中

テレビシリーズ 編集

放送年
放映年
邦題
原題
役名 備考
1993-2002 X-ファイル
The X-Files
ダナ・スカリー捜査官 レギュラー
全201話出演
2005 ブリーク・ハウス
Bleak House
レディ・デッドロック ミニシリーズ
2011 大いなる遺産
Great Expectations
ミス・ハヴィシャム英語版 全3回のテレビミニシリーズ
2013-2016 THE FALL 警視ステラ・ギブソン
The Fall
ステラ・ギブソン 17エピソード
兼製作総指揮
2013-2015 ハンニバル
Hannibal
ベデリア・デュ・モーリア博士 15エピソード
2014 CRISIS 〜完全犯罪のシナリオ
Crisis
メグ・フィッチ 10エピソード
2016 X-ファイル 2016
The X-Files
ダナ・スカリー博士 6エピソード
戦争と平和
War & Peace
アンナ・パヴロヴナ ミニシリーズ
2017 アメリカン・ゴッズ
American Gods
メディア 4エピソード
2018 X-ファイル 2018
The X-Files
ダナ・スカリー博士 10エピソード
2019– セックス・エデュケーション
Sex Education
ジーン・ミルバーン 16エピソード
2020 ザ・クラウン
The Crown
マーガレット・サッチャー 第78回ゴールデングローブ賞テレビ部門助演女優賞(ドラマ部門)受賞
第73回プライムタイム・エミー賞助演女優賞ドラマ部門受賞

脚注・出典 編集

  1. ^ a b https://www.excite.co.jp/News/world_ent/20160218/Dramanavi_029584.html
  2. ^ a b Gillian Anderson Biography”. Bio. 2013年2月18日閲覧。
  3. ^ Thompson, Jonathan (2002年11月17日). “Gillian Anderson: Just don't ask her about aliens”. The Independent. http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/theatre-dance/features/gillian-anderson-just-dont-ask-her-about-aliens-604701.html 2010年10月6日閲覧。 
  4. ^ Farndale, Nigel (2009年5月1日). “Gillian Anderson bares all”. the Daily Telegraph. 2010年3月24日閲覧。
  5. ^ September 17, 2007 (2007年9月17日). “Gillian Anderson interview — Parkinson — BBC”. YouTube. 2010年3月24日閲覧。
  6. ^ Gillian Anderson on Jay Leno Part 1”. YouTube (2009年1月20日). 2010年3月24日閲覧。
  7. ^ Academic Affairs: Who We Are (Alumni)”. oaa.depaul.edu. 2012年8月8日閲覧。
  8. ^ “男優賞はトム・ヒドルストン!ロンドン・イブニング・スタンダード・シアター・アワード発表”. シネマトゥデイ. (2014年12月13日). https://www.cinematoday.jp/news/N0068649 2014年12月16日閲覧。 
  9. ^ Turkey Passes Its First Comprehensive Animal-Protection Law”. PETA. 2006年10月4日閲覧。
  10. ^ シネマトゥデイ (2006年4月26日). “ジリアン・アンダーソン、夫と別居へ”. 2008年11月9日閲覧。
  11. ^ シネマトゥデイ (2006年11月21日). “ジリアン・アンダーソン、2人目の子供を出産”. 2008年11月9日閲覧。
  12. ^ シネマトゥデイ (2008年10月21日). “「Xファイル」のジリアン・アンダーソンに3人目の子供が誕生”. 2008年11月9日閲覧。
  13. ^ “「X-ファイル」ジリアン・アンダーソン、6年来のパートナーと破局”. シネマトゥデイ. (2012年8月9日). https://www.cinematoday.jp/news/N0044825 2013年2月18日閲覧。 

外部リンク 編集