スクーク(sukuk、イスラム債券)は、シャリーア(イスラム法)の規定の範囲内で発行される有価証券である。

概要 編集

シャリーアにおいては利子を取ることが禁止されているため、投資家が発行体に金銭を貸し付けるという一般の債券はシャリーア適格でないと考えられる。そのため、利子以外の形で収益を投資家に配分するためのスキームとしてイジャーラ(物の賃貸借)契約を裏づけとするもの[1]のほか、ムシャーラカ(共同経営)スキームを用いるものなど、各種のスクークが発行されている。

2001年9月にバーレーンの中央銀行が政府債券としてイジャーラベースのスクークを発行した後、バーレーン・マレーシアを中心にスクークの発行が盛んになっている[1]。とりわけマレーシアでは2004年以来2007年まで、社債の発行額のおよそ半分をイスラム債が占めている[2]

日系企業としては、イオンクレジットサービスが2007年に初めてスクークを発行した。同社はマレーシアで現地法人を通じてイスラム金融方式を含む債券を発行した [3]

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脚注 編集

  1. ^ a b 「金融の新潮流」『日経ビジネス』2008年5月12号、46-47頁。
  2. ^ 清水聡「マレーシアの債券市場と拡大するイスラム債発行日本総研 環太平洋ビジネス情報 RIM 2008 Vol.8 No.29、2008年5月31日閲覧。
  3. ^ イスラム金融方式を取り入れた債券発行について、2007年1月15日付同社ニュースリリース、2008年5月31日閲覧。